1月29日に迫った、飽くなき挑戦者・『玄海のリュウ』越本隆志(35歳)の心の『悶え』について | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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越本隆志、再び世界に挑む

129日、ついに待ちに待った『WBC世界フェザー級タイトルマッチ』が行われる。


王者・池 仁珍(チ・インジン 3度目の防衛戦)

戦績 3330勝(18KO21

1973718日生まれ 32

右ファイター


挑戦者 越本隆志 

戦績 41戦38勝(17KO)1敗2分

1971年1月5日生まれ 35歳 

元日本フェザー級王者(防衛6回後返上) 前OPBFフェザー級王者(7度防衛後返上)

左ボクサーファイター

 

挑戦者・越本の華麗なる戦績はほぼパーフェクトな内容だ。戦績にある唯一の「1敗」は2000131日に行われた「WBA世界フェザー級タイトルマッチ」、当時の王者、フレディー・ノーウッド戦のみである。


 九州は福岡で生まれ、九州を舞台に戦い続けてきた。

 6年ぶりの世界挑戦、35年という人生の殆どを「拳」に賭けて生きてきた。


 雑誌のインタビューなどを読むと、その「精神面の充実」に驚かされる。


 …自分の距離で、自分のボクシングを貫き通せたら勝てると思っています。九州の田舎からでも、35歳でも、これだけできるということをぜひ見てほしい…。


 いかにして「迷い」を払拭し、いかにして「本来の自分」を発揮し、いかにして「自分を信じきる」か…?


 王者の池は典型的なコリアンファイターだと聞く。戦車のような「猛攻」「プレッシャー」で圧倒し、その無尽蔵と言われる「スタミナ」「手数」で敵をなぎ倒す…という感じか?ガンガン来る。R1から来ると思っていた方が良い。


 一方の挑戦者・越本は「距離」と「スピード」、その抜群の『技術』を駆使し、きっちりとポイントを稼ぎながらのアウトボックス、チャンスを見極めて有効打をまとめ打ち、深追いせずに「冷静」に戦いたい。

 

 KO決着なら王者・池、判定なら挑戦者・越本…といった「予想」がおおかたか…?


 素人ボクシング狂のHigege91には『技術』『戦術』ははっきり言って良く分からない。

『身体的』な優劣と『噛み合せの妙』も浅い想像でしか予想できない。


 …そこで、越本の『心』に潜り込んでみたい。同年代の世界挑戦者、35歳の越本隆志の『精神』のなかへ…。


 …とは言え、情報は2種類のボクシング雑誌でしか記事は殆ど読めないのだが、なんとなく、そのインタビューから受ける印象がよくある他の選手とは違う『感触』なので、その辺りに触れてみたい(…感情的な部分でこちらの妄想が膨らんでいる部分はこの際考えない)


6年前の世界初挑戦、対 王者・フレディー・ノーウッド戦においてキャリア初の9RKO負けに質問が及んだインタビューがある。

 

 越本「…玉砕ですよね。日本人の好きな美学だし、僕もああいう終わり方が嫌いと言うわけではないんです。思えば、あの時は、ああするより他にはなかったわけですが、今回は、もし仮にペースを取られて同じ様な展開になっても、玉砕はしない。キャリアを積んだという自信があるし、あの時とは違います。今は、頂点に再チャレンジできる選手になったと思うし、ペースを取り返すための技術や経験も身についた。だから、やるんです…」


 以上「ボクシングマガジン」越本隆志インタビュー抜粋


 玉砕はしない…と言い切る覚悟はさらに「自分」を追い込んだ『言葉』ではなかろうか?世界と言う舞台で『粉砕』した「自分」と向き合うことで『6年』という長い歳月を考え、悩み続け、昨年末には1度決まりかけたWBA王者/クリス・ジョンへの挑戦が『白紙撤回』され、そんな『挫折』を乗り越え、ただひたすらに『東洋太平洋王座』を20019月に奪取し、20056月までの約4年間防衛し続け、ボクサーとしての年齢の『壁』を含めて真っ向から戦いを挑み、待ち続け、悶え続けた男の言葉…。


 玉砕はしない…。


 腹の据わった言葉。決意。なんらかの『境地』に達しているような『自分』の存在を「自覚」している『自分』…。この際、王者・池をこの『精神面の充実』で上回ることが出来れば、未知なる『力』が反映されるのではないか…?と考える。『玉砕』とは「最悪の結果」の表現である。越本はかつて『玉砕』し、その「苦い味」を噛み締め、6年間味わい続けているのだ。その『最悪な結果』をイメージし、想像し、何度も頭の中で王者・池に『なぎ倒され』、『這いつくばり』、『打ちのめされ』、『失神させられ』ているはずだ。


『玉砕覚悟』…とは良くある表現だが、改めてこの『玉砕はしない』という表現の向こうに『玉砕覚悟』を遥かに凌駕する『強く新しくさらに力をつけた』自分がそこに『存在』し、それを『充実の越本』がありありと実感できているのだとしたら、負ける気がしない。


 力があっても、その『大舞台』で発揮できずに『負ける』こともある。それがボクシングの恐ろしさであり、『無情』であると同時に、『可能性』を秘めた部分であるが、そのような『不確定要素』を限りなく排除し、限りなく『理想に近いイメージ』で越本がこの一世一代の闘いを体現できた時、ついに『戴冠』する時がおとずれるような気がする。


 都合のいい話だとは思う。1発のクリーンヒットで全てがくつがえってしまうのがボクシングである。それは承知している。


…が、敢えてHigege91が期待したいのは、僅差判定での挑戦者・越本隆志の勝利…であり、それを今世界タイトルマッチの予想とさせていただく。


越本隆志という僕の『イメージ』は寡黙で、冷静で、淡々としてきて、信念を表に出すことなく内に秘め、決しておどけることなく、男が見て惚れ込む『男気』を持つ、スマートで頭の良い男だ。


 闘うこと、信じること、継続すること、諦めないこと、決意すること、それは『悶え』ることである。

 

 そして、『悶え』抜いてこそ、強くなれるのだ、と思う。

 

 『悶え』ない人間などいない。しかし、己が理想と正面から向き合い、一つ一つ闘いながら「克服」しながら『悶え』られる人間はもしかしたら少ない…。

 

 自分と比較してみる。間逆だ。恥ずかしくなる。


 『強さ』とは何か?


 『最強』とはなにか?


 『世界王者』とはなにか?


 僕には良く分からないが、越本がその『強靭な精神』と『鋭い切れ味の集中力』を完全に我が物とし、肉体と精神のバランスが寸分違わぬ形で重なり合うことを願う。


それは、『限りなく完全なコントロール』であり、ボクシングと言うスポーツにおける『理想の体現』であるかも知れない…。

越本隆志選手のブログ http://rscrew.at.webry.info/200601/article_3.html

…試合前最後の更新、とあります。

越本隆志、ジム会長の父と世界再挑戦

…で、忘れてはいけない。越本は父親であるFUKUOKAジム会長との二人三脚でここまでやってきた。

お父さんもがんばれ!!

御愛読感謝

つづく