ホールに激震が走る!! 感涙必死の大一番!! 豪腕三十路対決 クレイジー・キムVS川崎タツキ | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

クレイジーキム アジア最強男 …アジア最強王者・クレイジーキム 31歳


プロボクシング日本、東洋太平洋スーパーウエルター級王者クレイジー・キム(31=ヨネクラ)が半世紀ぶりに実現した「2冠戦」の防衛に自信をみせた。06年のチャンピオンカーニバル対戦カード全13試合が20日、発表され、キムは来年1月24日、東京・後楽園ホールで同級1位の川崎タツキ(33=草加有沢)と対戦する。キムの東洋太平洋王座の指名期限が迫り、川崎も東洋太平洋の1位であることからダブルタイトル戦が決まった。両王座をかけての対戦は56年4月、ミドル級の辰巳八郎-大貫照雄戦以来、約50年ぶり。キムは「2つかけても勝てばいいこと。何も変わらない」と自信をみせた。


 以上記事抜粋


 この1っ戦は目をかっぽっじって観ないとすぐに決着がついてしまいそうで、瞬きも許されないんじゃないか!?…って感じだなぁ。


 ホールで「立見席」を買った。指定席は枚数も殆ど出てなくて、その話題性とファンの期待の高さを感じた。本当に少なかったなぁ。開催当日並べば座れたかもしれないが、もし、入れないと嫌なので立ち見覚悟で買った。


 両者の戦績 


 クレイジー・キム 日本・OPBF・スーパーウェルター級チャンピオン  23勝20KO3敗

 川崎タツキ     日本・OPBF・スーパーウェルター級1位 挑戦者 18勝14KO1敗


 両者、鋼鉄の拳を持つスラッガーだ。


 観客のこちらが恐ろしくなる。


 接近戦等での一方的な連打、また、中間距離でのドンピシャのカウンターの炸裂、滅多打ち…、いや、とにかく1発で「生死」の境界線が垣間見えるほどの『危険性』を孕んだ濃い内容だ。


 2冠戦…


 50年振りになると言うこの要素もちょっと恐い。


 互いに引き下がらない、諦めない、負けるときは「死ぬ」時…くらいの意気込みが感じられる。


 クレイジー・キムは日本には珍しい「悪役キャラ」の豪腕ファイター。日本人には珍しい海外遠征を辞さない姿勢でこの日本人には遠く及びそうもない、手の届かないと言われる「世界」を模索している。去年は日本ボクシングコミッション未公認のABCOタイトルを敵地・タイへ自ら赴いて1RKOで奪取、その貪欲さはその姿かたちとあい重なって異常な「オーラ」を醸し出している。


川崎タツキ キムに挑む …絶望の淵から這い上がってきた挑戦者・川崎タツキ 33歳


 挑戦者の川崎タツキはもとヤクザの構成員という異色ボクサーで、実はかなり「情緒的な」男である。中学生で少年院、組に入り、薬物中毒に陥り、それでも待っていてくれた「恋人」のために更正、奮起、ココまで登りつめた。テレビのドキュメンタリーでも取り上げられたが、すぐに涙をこぼす感傷的なファイター。こうまで、情に訴える顔もない。優しくて力持ち、でも、昔は…、みたいな映画のような経歴の持ち主。


充実のキム有利とは思う…が、このスーパーウェルターという重い階級、全く、予断を許さない。


 1撃で壊れる、変わる、反転する、くつがえる…


 『亀田興穀の世界奪取』もいいが、例え、それが『世界奪取』とは無縁とも言わてしまうような階級の日本・東洋戦であっても、新年屈指のこの好カードは観ないと大損である。 


 いや、世界奪取は夢ではない。何が起こるかわからない。現にあの「竹原慎二」は世界ミドル級王者になっているではないか!!(…これは実はイチローの何百安打と同じくらい凄いことなんだけど…)


 しかし、ウェルター、スーパーウェルターでの世界奪取が未だ叶わないのは、世界的な層の厚さもあるが、とにもかくにも最も難しいのかもしれない。


 現にアジア圏3冠王、アジア最強を3本のベルトを同時に保持することによって証明しようとするクレイジー・キムは世界ランクWBC18位止まり…。これがせめてライト級以下であったら、世界ランクは楽に1ケタ、指名挑戦者の資格充分…といったところか。


 まぁ、とにかく、「世界」だなんだと書いてしまったが、そんなことはどうでもいいのだ。そんなことより、なにより、それぞれのボクサーの「生き様」がこうも目で見て分かる形でタイトルマッチとして実現したこの事実が凄い。


 胸が高まる。興奮の絶頂。R1から「アドレナリン全開必死」のこの日本OPBF二冠戦…。


 どちらが勝っても嬉しくて、どちらが勝っても悲しいこの『大一番』。


 今から絶叫する準備をしなくちゃ。


 しかし、応援できないよ、どっちも…。困った。


 『見る人』、『感じる人』として、ただ全てを受け入れる『一人の人間』として、その瞬間を体感するほかない。


 2006年 1月24日(火) 後楽園ホール 


 激震が待ち遠しい。


 …どんな結果が出ても、「泣きそう」な夜がもうすぐやってくる…。

 

 御愛読感謝


 つづく