Corcovado（Quiet Nights Of Quiet Stars）

ジャズ＆洋楽訳詞 “Groovy Groovy ～and all that jazz～”

Corcovado
（Antonio Carlos Jobim／English lyrics:Gene Lees）

※「Corcovado（Quiet Nights Of Quiet Stars）」の英語歌詞はこちら

Quiet nights of quiet stars
静かな星空からなる　静寂な夜

Quiet chords from my guitar
ギターが奏でる　やすらぎの調べ

Floating on the silence that surrounds us
私たちを囲む静けさがゆったりと流れ過ぎてゆく

Quiet thoughts and quiet dreams
静かなる思索、そして夢

Quiet walks by quiet streams
平静な小川の流れに沿って　ゆっくりと歩いてゆく

And a window that looks out on Corcovado
窓の外に広がるコルコヴァードの丘の

Oh how lovely
ああ、なんと美しいこと

This is where I want to be
この場所こそが探し求めていた私の居場所

Here with you so close to me
側にあなたがいてくれる

Until the final flicker of life's ember
命のともしびが燃え尽きるその日まで

　

I who was lost and lonely
迷い、孤独だった私

Believing life was only a bitter tragic joke
人生なんて苦く悲劇のようなものだと思っていた

I found with you the meaning of existence
けれどあなたに出逢えたおかげで生きる意味を知ったの

Oh my love
ああ、私の愛しき人よ...

（日本語訳：東エミ）

今宵の曲は、Bossa Novaの生みの親である
アントニオ・カルロス・ジョビンが1962年に書いたボサノヴァの名曲＆代表曲
『Corcovado（Quiet Nights Of Quiet Stars）』です。

タイトルの「Corcovado」はポルトガル語。
英語タイトルは「Quiet Nights Of Quiet Stars」。

“Corcovado” とは、ブラジル・リオデジャネイロにある小高い山の名前で、
両手を大きく開いた巨大なキリスト像が
頂上にそびえ立っている山と言えば、分かるかも知れません。

ブラジルのシンボル的景観として、よくテレビ等で見ますね。
（トップ画像がそれです）

ボサノヴァって、既に広く世に浸透しているので
その誕生もさぞ古いと思いきや、
実は1950年代後半に創生されたブラジル音楽なんですよね。
意外に歴史は若いなと思ったのは私だけでしょうか。

ボサノヴァのあのゆる～いメロディーに、
あの囁くようなポルトガル語がたまりませんね♪

さて、ジョビンが書いたこの歌詞についてですが（英語の歌詞はGene Lees作）、

窓に広がる海とコルコヴァードを眺めながら、
あなたと過ごす静かな夜。ああ、なんて幸せなの...

といったロマンチックな恋人たちのストーリーが
英詞を読んだときに感じとれます。

が、ポルトガル語タイトルで“Corcovado”と付けられているように、
信仰心のあついブラジル人の心の支えである“GOD”を
崇め敬う気持ちを歌った歌詞であるとの説もあります。

いずれにしても、心がすっと平穏になるこの調べ。

一日の疲れをとり
静かな眠りへと導いてくれるようです...

Elis & Tom/Antonio Carlos Jobim & Elis Regina