先月24日、大阪で橋下府知事と中田前横浜市長と3人で食事会・意見交換会を行った。これはまぁ、定例会のようなものである。

 その席上、橋下氏から、来る10月30日(日)に開催される第一回大阪マラソンへの参加依頼を頂いた。願ってもないこと、大変有り難いことで、喜んで引き受けた。


 食事会後報道から、3人でのぶら下がり取材の依頼があったのでお受けした。

 記者から、「どんな話をされたのですか?」という質問があり、橋下氏が「東さんに大阪マラソンの出場オファーをしました」と軽く受け流した。記者が僕に本当ですか?と聞くので、僕は「本当です。大変有り難く光栄なことです。折角ですので、大阪都構想推進と書いたTシャツでも着て走ろうかな?と思っています(笑)」と軽口で返した。

 すると橋下氏が慌てて「いやそれはちょっと・・・・・・大阪マラソンの大会運営事務局は大阪市(大阪都構想に反対)と大阪府の共同なんで・・・・・・」と中に入った。

 それに対して僕が「それならば、大阪都構想○×と書いたTシャツにして、沿道の皆様に賛否でも問いながら走りますか(笑)」と返した。


 そのやり取りが大阪で報道され、大阪市の方から「大阪都構想賛成などと書いたTシャツで走るとはけしからん、まかりならん!」とクレームが入ったらしい。

 で、結局、僕の参加は取り止めになった。

 スポーツイベントや中立的な市民イベント等に政治思想や宗教、その活動やイデオロギー等を持ち込むべきでないことは言わずもがなである(まぁ、オリンピック等では持ち込まれた過去があるが・・・)。


 僕も、本気でそんなことをやる気は無い。単なる「シャレ」「ギャグ」「ユーモア」「リップサービス」のつもりであった。

 しかし、最早、大阪市にとって、そういうことはもう「シャレ」にならない事態なのだろう。

 「笑い」「シャレ」「ギャグ」「ユーモア」の本家本元である大阪がその手の「シャレ」を笑い飛ばすくらいの器量・度量・余裕を持って欲しかったと思う。とても残念である。

 大阪都構想支持者というより、既に、橋下氏の知人・友人が走ることすらも拒否という雰囲気が伝わってくる。

 もし、橋下氏支持者で、キチンと応募し当選した一般ランナー達が徒党を組んで「大阪都構想賛成」と書いたTシャツを着て走ったら、それを阻止出来るのか? その方々までも粛清するのか? 或いは、対抗して大阪市職員や関係者に「大阪都構想反対」というTシャツか幟でも立てて走らすのか?

 それこそが最早喜劇である。もしかしたら、それが「笑い」の神髄なのかも知れないが・・・・・・


 橋下氏がここのところいつも言っておられるが、「大阪市役所の体質は腐っている」「終わっている」と。何でも、タウンミーティングと称して公費を使って、事実上の市長の選挙PRを行っているとのこと。

 この一連の大阪市の対応を見てもそれらの指摘が窺い知れる。市長を始め、自らの特権・利権・制度・体質等を維持するのに、とにかく必死なのだろう。僕も行政を経験したので、行政が持つ一種独特の硬直的・閉鎖的な体質、変化や変革を望まないその雰囲気は分かる。

 言葉は不適切かも知れないが、落城する前の悪足掻き、レームダック状態なのかも知れない。見てて何か悲しくなる。もしかすると、それは大阪市だけではなく、今の日本全体の状態なのかも知れない。