新しく組閣された菅新内閣、取り分け、片山総務大臣に大変な期待をしている。片山総務相は地域主権(地方分権)・住民自治論者である。大臣が、評論家時代も含め、これまで発言して来られた内容はどれもこれも「成る程」と納得させられる、所謂「正論」である。この「正論」をどれくらい実行出来るか? 正に、有言実行内閣の真価が問われている。


 ①先の通常国会で継続審議になった「地域主権3法案」の早期成立をどうされるか? そもそも「地域主権3法案」(国と地方の協議の場・地域主権一括法・地方自治改正)の中身はかなり国の関与が入った内容になっている。それらをどうされるのか?

 「義務付け」「枠付け」の改革、「出先機関」の原則廃止、地方への権限・財源の十分な移譲・・・・・・・これらは実現出来るのか?

 

 ②以下の事等をどうされるか?

 ・「交付税には一杯ヒモが付いている・・・・」

 ・「「臨財債」は地方交付税の先食いである・・・・」

 ・「交付税は、時の政権や政治家や役人の私心・恣意が作用しないよう、数年間一定額に据え置いて、税収等による歳入増減の微調整は地方の起債によって調整すべきである・・・・」

 ・「数十億円以上の大きな事業は、基本的に自治体住民の意思(住民投票等)によって決定されるべきである・・・・」

 

 ③これは、僕の要望であるが、出来れば、地方交付税は地方固有の財産・財源であるので地方共有税として交付税特会に入れないで頂きたい。

 

 ④「全国知事会や地方6団体は総務省の天下り団体である・・・・」

 正にその通りで、僕は、就任当初から全国知事会の運営や存在に対して懐疑的であった。県議会等の答弁で「全国知事会等を通じて・・・・・」なんて答弁する度に何か後ろめたさを感じていた。この全国知事会をどうされるのか?


 ④その他、「国家公務員人件費2割削減」「郵政改革法案」等はどうなるのか?

 「地方分権化の中、地方議会の改革と重要性が益々問われている・・・」

 「消防庁長官に素人(総務省官僚)がついている・・・・」


 片山総務相は、これまで様々な鋭い発言・指摘をされて来られた。

 地域主権(地方分権)は既得権益を守ろうとする官僚や族議員との闘いである。だからこそ、真の政治主導で強固な意志を持って取り組まなければ出来ない。

 首相は「この国の形を変える」と仰った。

 僕もそう思う。この国の形を変えなければ、地方の疲弊は止まらない。地方の衰退は国の衰退に直結する。

 

 少子高齢化・低成長時代・成熟社会・多様化国家では、中央集権型国家から地域主権型(地方分権型)国家に移行しなければならない。

 「均衡ある国土の発展」の時代は終焉を迎えている。これからは、権限・財源が地方に十分移譲され地方の自由裁量権が担保された中での地方の自主自立と創意工夫を競う「地方間競争と地方間連携による国土の発展」の時代である。

 正に「自治合戦」の時代である。