ライバルはトランペットの先生?な話。



初ドラムの「氷雨」はいやいやながらもなんとかできたのだろう。

結果どうなったかはよく覚えていない。


でもその後、文化祭や卒業式、入学式などでちょくちょくドラムを演奏するようになって、

自分でも、だいぶできるようになったなぁ、なんて思い始めていた。



それからしばらくして。


中2の春くらいだったと思うが、ある日ドラムの練習をしていたら、

たまに教えに来てくれていたトランペットの先生がその日レッスン日で、

レッスンの休憩時間なのか、打楽器の部屋にはいってきた。


そのとき僕はプリンセスプリンセスというバンドの

ダイヤモンドという曲を練習していたのだが、

譜面をみて先生が、


「お、これ全然譜面がちがうぞ」


と言ってきた。



何のことかわからないでいると、

先生が自ら演奏してみせてくれた。



そのときのことはよく覚えている。

とにかく目からウロコ。

めちゃくちゃカッコイイパターンだったのだ。


具体的にいうと、バスドラムがウラにはいっていて、リズムが弾んでいる感じ。

いま思えば典型的なモータウンビートなのだが、

吹奏楽アレンジの譜面はただキック4つアタマ踏みだったので、全然リズムが違っていた。


先生のマネをしてみるが、まったくできなかった。

自分の体かどうか疑わしいほど、思い通りに動かない。

どうしても手と足がつられてしまい、同じように動いてしまう。


それも仕方ないのかもしれない。

当時の吹奏楽アレンジのドラムは僕の知る限りでは本当に簡素なパターンにアレンジされていて、

キックは必ず手が入っているところに入ってた気がするが、

このモータウンビートでは手と手の間に足が入ってくるし、

シャッフルさせてるのはキックの入る裏拍なので、足でリズムをはねさせなければいけない。


あーなぜできない???悔しい。

しかも先生とはいえ、トランペットの人にできて打楽器の俺にできないなんて。。。



たかだか打楽器をはじめて1年ちょっとの経験しかないのに、

変なちっぽけな自尊心が生まれていた。

そしていとも簡単に粉々に砕け散った。