「スポーツを行えばメンタルが強くなる」は幻想
学校の教育とスポーツの指導
スポーツも勉強も多くの場合、基礎から積みあがていくことが重要とされてきました。基本からピラミッド方式で、学習が行われています。
記憶(易しい)
↓
理解
↓
応用
↓
分析
↓
評価
↓
創造(難しい)
この順列が現在も変わらない日本の教育と学習方法であり、難易度も段々と上がっていきます。これは教育の中にあるスポーツもまた、同じです。サッカーであれば、基本技術を学び、グループでトレーニングを行い、他人の評価を受けて試合やトレーニングを行います。
スポーツと勉強の両立
この場合、常に学びのファシリテーター(中心)は、教師や指導者にあります。この場合、どうしても記憶することが多く、スポーツと勉強を両立することは不可能です。例え、記憶や理解が速い若者は出来ても、取得すべき膨大な知識に多くの人は両立が難しい状況に陥ります。
フィンランドの教育
スポーツも勉強も学習の中心は、若者になければいけないと思っています。フィンランドのPhenomenon Based Learning(PBL)という教育学習は、とても興味深い教育を行っています。
PBLの特徴は、現象ベースで学習を行います。現象を理解し研究することで、質問をしたり問題を提起することから始まります。例えば、「なぜ、飛行機に乗ると空中に浮遊するか?」といった現象を基に、学習が展開されます。
これらは冒頭で述べたような、教師や指導者の内容重視で行われるものではなく、若者のモチベーション重視で行われます。ここで多くの人が抱く疑問が、モチベーションの偏りだと思います。現象やモチベーションを基に行うと、学習が局地的になると思われがちです。
しかし、実際は教科書や方程式などのレベルでのみ学習された知識を社会的に理由を与える以上に、それらの知識の重要性を内在化させ、自ら学ぶことに繋がります。
すなわち、飛行機が空中に浮遊する理由を疑問視し、学習を深めていくと現代の学校教育で行われる、国語、数学、科学、運動理論、経済など、すべて多角的視野の中に内在し、この理解と学習のモチベーションと繋がります。
スポーツでメンタルは強くならない
スポーツも同様に、現象をベースに考えると運動だけでなく、上記と同じように多角的な視点や学習が求められるようになります。そうすることで、それぞれをあえて、スポーツと勉強を分断する必要はなく、「学習」という枠の中で行うことが出来ます。
サッカー界でもメンタルが最も大切だという割には、精神論だけが未だにスポーツ界に蔓延していて、「スポーツを行えばメンタルが強くなる」という幻想も未だ消し去ることは出来ません。
こうした幻想は、若者を中心に学習の能動性を持たせ、教師や指導者が情報や知識の伝達またはそれを助けることで、若者のモチベーションも変化していくと思います。