欧州での天候とスポーツの関係性
エストニアは夏時間に突入したにも関わらず今年も雪が降っていましたが、だいぶ暖かくなってきました。
スポーツを全くしない
天候とスポーツは、どれだけの関係性があるのでしょうか?今回は、EUComission(EUの執行機関である欧州委員会)のスポーツとフィジカルアクティビティのレポートを参考に見ていきたいと思います。EUに加盟している28カ国を対象にしています。
実際に、どれぐらいの頻度でヨーロッパ人はエクササイズまたはスポーツをするのでしょうか?「定期的」「ときどきする」「ほとんどしない」「全くしない」「わからない」の5つで統計が取られています。
EU全体では、
エクササイズまたはスポーツを
「定期的、1週間に一回」 41%
「全くしない、またはほとんどしない」 59%
*ここでのエクササイズは、サイクリングや徒歩、ダンス、ガーデニングなど身体を動かす要素が含まれています。
「全くしない」とお答えた人を国別に見ていくと、
ブルガリア 78%
マルタ 75%
ポルトガル 64%
ルーマニア 60%
イタリア 60%
ギリシャ 59%
キプロス 54%
ポーランド 52%
リトアニア 46%
スペイン 44%
ハンガリー 44%
フランス 42%
EU平均 42%
スロバキア 41%
ラトビア 39%
エストニア 36%
イギリス 35%
チェコ 35%
アイルランド 34%
ベルギー 31%
クロアチア 29%
オランダ 29%
ドイツ 29%
ルクセンブルク 29%
オーストリア 27%
スロベニア 22%
フィンランド 15%
デンマーク 14%
スウェーデン 9%
「全くしない」人が増加
2009年と比較すると、「全くしない」と答えた人は、39%から42%に増加していることがわかりました。ブルガリアやマルタなど、10人の内7.5人は「全くしない」と考えると、驚きですね。
反対に、「少なくても週に一回」と答えた人は、
スウェーデン 70%
デンマーク 68%
フィンランド 66%
オランダ 58%
ルクセンブルグ 54%
ご覧の通り、北に位置する国の人の方がよりスポーツやエクササイズをしていることが分かりました。
天候が悪いと一見、エクササイズやスポーツに制限が出て動く機会が減ることも考えますが、実際はこうした寒い環境の方が身体を動かす人が多いです。違う見方をすると、自由な時間に身体を動かす優先順位が高いというのは、それ以外に時間を費やす選択肢も少ない可能性もあります。
とはいえ、これらの国々でも「全くしない」と答えた人が増えてきているのも事実です。
フィンランド 8%増加
スウェーデン 3%増加
オランダ 1%増加
以下は、「全くしない」人が減少し、「時々する」人が増加しています。
ルクセンブルク 3%減少
デンマーク 4%減少
もちろん理由は天候だけではなく、それぞれの政府や文化、歴史が関係していますが、少なくても天候によって、身体を動かす大切さを身体的な要素以上に精神的に強く持っている印象を受けています。