選手協会とは一体どんな機関? | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

選手協会とは一体どんな機関?

和久井です。

選手協会って一体どんな機関なんでしょう?ご存知ない方も多いと思います。今回は選手協会について少し解説していこうと思います。

選手協会は簡単に説明すると、サッカー選手の労働組合です。

日本ではJPFA(J.League Pro-Footballers Association)と呼ばれ、日本のリーグに所属する選手全員が所属しています。

日本の選手協会は、

①「プロサッカー選手を取り巻く環境の改善に取り組む」
②「サッカー文化の普及と振興を目指す」
③「社会に貢献する活動を行う


という3つの理念があります。

①「プロサッカー選手を取り巻く環境の改善に取り組む」に関して説明すると、代表的な活動とし「キャリアサポートセンター」と呼ばれる選手の引退後のセカンドキャリアを支援したり、「Jリーグ合同トライアウト」と呼ばれる次シーズンからの契約がないJリーグの選手が選手獲得を望むクラブにプレーを見せる機会を提供しています。

サッカー協会と連動して選手の保護をするのも選手協会の大きな役割で、選手とクラブ間で起こった移籍や契約の問題の解決に選手をサポートします。

ではヨーロッパではどうでしょう?

世界各国の選手協会の集合体である、国際プロサッカー選手協会連盟(F.I.F.Pro)という組織があります。これは、日本を含めた世界の41カ国の選手協会が協力し、世界基準で意見交換をしています。

ヨーロッパでも、もちろん大きな役割は日本と変わりありません。しかし日本のトライアウトにあたる、選手の移籍先を探すアプローチの仕方は少し違います。

国際プロサッカー選手協会連盟に加盟している欧州の国では、それぞれの国の契約のない選手が集まりチームを作り活動しています。その各国のチーム同士が競う大会もあり、選手の獲得を希望する様々な国のクラブ関係者が一同に集います。

また選手の代理人が多いヨーロッパでは、代理人が選手の移籍や契約を保護してくれるように思われがちです。

しかし代理人は組織で動いている場合は別ですが、単独で選手の代理人を務めている場合がほとんどで、代理人だけでは手に負えない状況が発生します。

クラブと選手との間で契約上の問題が生じた場合、最悪の場合は裁判となります。そうなれば、代理人だけでは対応できないということにもなり得ますし、選手も多くの時間と費用を奪われてしまうわけです。

そうした場合に、選手協会では専門の弁護士が選手に代わってその手続きや裁判をします。(対応できる範囲は、各国選手協会によって違います。)

ヨーロッパでは、選手の選手協会への加入は任意となっている国が多く、加入には選手会費が掛かります。

僕は必ず契約と同時にその国の選手協会に登録しています。各国で選手会費は違いますが、月に約3,000円~5,000円掛かります。

選手も一人の個人事業主ですので、自分で自分を守らなければいけません。しかし一人では限界はあります。選手にとって選手協会のような機関は、とても重要な機関なんです。

少し選手協会について理解して頂けたでしょうか?

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