本日(82日)の朝日新聞社説「市民と政治・分断か対話か瀬戸際だ」に、私の発言に関連して「市民側は、野田首相と直接話し合えるよう、議員らに助力を求めた。民主党の平岡秀夫元法相が『みなさんが何かの組織の代表なら会える』というと、批判が相次いだ。」と記載されています。また、私のこの発言に対しては、インターネットでも「平岡元法相は、〇〇労組の代表だったら聞くよ、と言わんばかりであった。」との批判が掲載されています。今日は、この点について、事情を説明したいと思います。

 私の問題となった発言は、731日に衆議院議員会館で開かれた「首都圏反原発連合と脱原発をめざす国会議員との対話のテーブル」においてされたものです。「首都圏反原発連合」とは、「首都圏でデモなどを主催しているグループや個人が連携し、力を合わせようと、20119月に立ちあがったネットワークです。団体ではなく代表も存在しません。2012729日には、国会議事堂を包囲するアクション『729脱原発国会包囲網』を開催し、述べ推定20万人が参加しました。一方、3月から並行して、拙速な大飯原発再稼働決定を阻止すべく首相官邸前での直接抗議を呼びかけ、首相官邸前抗議を首都圏反原発連合有志にて行ってきました。」(首都圏反原発連合の説明分から抜粋)と説明されています。

私の理解しているところでは、この対話テーブルは、小熊英二・慶大教授(歴史)が呼び掛けて開催されたものですが、その開催の趣旨は、「首都圏反原発連合の人々は、今『3.11前』に戻ることを恐れている。脱原発を目指す『民主党・脱原発ロードマップを考える会』や超党派議員から成る『原発ゼロの会』と対話することによって、脱原発に向けて協力できるのではないか。」というものだったと思います。そこで、「脱原発ロードマップを考える会」は、「第1次提言」や「脱原発基本法要綱案」を持参して、参加の皆さんに説明をし、協力を呼びかける手はずとなっていました。

ところが、冒頭、首都圏反原発連合の一人から、「是非、野田総理に会って要望したいので、その労を取ってほしい。」との要望が出されました。これに対し、何人かの議員が答えたのですが、私は、社民党の阿部知子議員の発言「経団連会長なら会えているのに」という発言のあった後に、次のような趣旨の発言を行いました。その一部が、朝日新聞の社説に引用され、インターネットで批判されたのです。私の発言の趣旨をご理解いただきたいと思います。

「野田総理は、個人の立場であったなら人に会うことの好きな人だと思うが、今は組織の長になっているので、誰と会うのかについて色々なハードルがあるのではないかと思う。皆さんが、組織の長であるとか、何かの組織を代表しているとか、多くの人たちの委任を受けているとかなら会えるという図式になるのではないかという気がする。皆さんが会いたいという気持ちをもっておられるならば、組織のトップが会ってもいいという状況を作っていくことが必要ではないか。

例えば、私は空母艦載機の移駐が問題となった岩国出身の議員だが、この問題で防衛大臣に『市民に会って声を聴いてほしい』と要望した時に、防衛大臣側からは『市民を代表している市長か、市議会議長だったら会うよ。』と言われた。そのため、私ともう一人の国会議員が私たちの集会を開催し、その集会の場に防衛大臣に来てもらって市民の声を聴いてもらったことがある。

 今の日本の仕組みというのが組織にこだわって動いているということを皆さんと問題認識を共有し、それを克服していくための工夫も必要ではないか。今まで、組織にこだわってやってきた日本の仕組み、政治というものが壊れつつあるというのが見えてきたのではないか。問題の本質論をみんなで理解した上で行動しなければならないと申し上げたかったのであって、組織だから組織でやりましょうと言っているわけではないことは、理解してほしい。」(詳細な発言内容は、下記を参照してください。)

私が「組織」という言葉を安易に使ったことで、皆さんに過敏な反応を起こさせてしまったのではないかと反省しています。また、インターネットの記事では、「脱原発を選挙目当てで標榜する民主党議員」というような表現が使われており、脱原発に真面目に取組んでいる民主党議員が批判の対象となってしまったことは残念です。今後、脱原発に向けた活動が、首都圏反原発連合の皆さんを含め多くの市民の皆さんから支持、協力をして戴けることをことを望み、引き続き活動を続けていきたいと思っています。

(了)