マジすか学園3☆#1ー3☆
成田国際空港ー
夜の空港は、どこか、もの寂しい。
「ってか、サドさん、学校のほうは大丈夫なんですか?」
「なんとかなるだろ。実習が始まると大変らしいけどな。そういう、お前こそ、会社のほうは、いいのか?」
「IT企業なんて、いい加減なもんすよ。うちの社風は、とくに」
両手を広げ、オーバーアクションするシブヤ。
ギャル系のファッションに身を包むシブヤを見て、社会人として、やっていけるのかと、心配するサド。シックなパンツスーツが眩しい。
「トリゴヤとブラックは、まだっすか?」
「昨日の今日だからな…。パスポート探してるんじゃないか?」
ふっ、とサドが、笑う。搭乗時間には、まだ間があった。
「おまたせー!」
大きめなトランクケースをゴロゴロさせながら、トリゴヤが、手を振って近づいてきた。フリルがひらひらしたお姫様のような格好。
「ちょっと、大きすぎないか?荷物…。何日、滞在するつもりだよ」
「これくらい普通でしょ。女の子だからね!」
「ちっ!」
舌打ちするシブヤ。
「お待たせしました…」
ブラックが、いつの間にか、トリゴヤの背後に佇んでいた。足元には、大きなトランクケースが三つあった。みんなの視線が、トランクケースとブラック交互に注がれる。
ブラックは、みんなの視線をそらすように、目を伏せた。
「じゃあ、行くか!」
ゲキカラは、一足先に向かったらしいし、と言って、小型のトランクを引き、搭乗口に向かうサド。
「サドさん、これからは、もう隠し事は、ナシにしてくださいよ!」
「そうだな…。また、お前に殴られたくはないからな」
昨日の出来事。
語られた
サドだけが知っていた事実。
シブヤ、ブラック、トリゴヤが知らなかったー
真実。
「わたしたちが行けば、記憶…、戻るよね」
「やれば出来る。やらなければ出来ない。それだけのことだ…」
トリゴヤの、ブラックの、そして
みんなの切なる願い。
ふいに
サドのケータイに着信があった。ハードロックが鳴り響く。
国際電話だった。相手は、ニューヨークにいるセリナ。
「……はい、これから向かうところで…、えっ!?」
サドの顔色が、蒼白になる。
「わかりました。とりあえず、そちらへ…」
それだけ、言うと、通話を終えた。沈痛な面もち。
「サドさん!もう隠し事はナシっすよ!」
かみつくように言うシブヤ。見つめるブラックとトリゴヤ。
サドは、意を決して、三人に告げた。
記憶をなくした少女が、
行方不明になったことをー。
夜の空港は、どこか、もの寂しい。
「ってか、サドさん、学校のほうは大丈夫なんですか?」
「なんとかなるだろ。実習が始まると大変らしいけどな。そういう、お前こそ、会社のほうは、いいのか?」
「IT企業なんて、いい加減なもんすよ。うちの社風は、とくに」
両手を広げ、オーバーアクションするシブヤ。
ギャル系のファッションに身を包むシブヤを見て、社会人として、やっていけるのかと、心配するサド。シックなパンツスーツが眩しい。
「トリゴヤとブラックは、まだっすか?」
「昨日の今日だからな…。パスポート探してるんじゃないか?」
ふっ、とサドが、笑う。搭乗時間には、まだ間があった。
「おまたせー!」
大きめなトランクケースをゴロゴロさせながら、トリゴヤが、手を振って近づいてきた。フリルがひらひらしたお姫様のような格好。
「ちょっと、大きすぎないか?荷物…。何日、滞在するつもりだよ」
「これくらい普通でしょ。女の子だからね!」
「ちっ!」
舌打ちするシブヤ。
「お待たせしました…」
ブラックが、いつの間にか、トリゴヤの背後に佇んでいた。足元には、大きなトランクケースが三つあった。みんなの視線が、トランクケースとブラック交互に注がれる。
ブラックは、みんなの視線をそらすように、目を伏せた。
「じゃあ、行くか!」
ゲキカラは、一足先に向かったらしいし、と言って、小型のトランクを引き、搭乗口に向かうサド。
「サドさん、これからは、もう隠し事は、ナシにしてくださいよ!」
「そうだな…。また、お前に殴られたくはないからな」
昨日の出来事。
語られた
サドだけが知っていた事実。
シブヤ、ブラック、トリゴヤが知らなかったー
真実。
「わたしたちが行けば、記憶…、戻るよね」
「やれば出来る。やらなければ出来ない。それだけのことだ…」
トリゴヤの、ブラックの、そして
みんなの切なる願い。
ふいに
サドのケータイに着信があった。ハードロックが鳴り響く。
国際電話だった。相手は、ニューヨークにいるセリナ。
「……はい、これから向かうところで…、えっ!?」
サドの顔色が、蒼白になる。
「わかりました。とりあえず、そちらへ…」
それだけ、言うと、通話を終えた。沈痛な面もち。
「サドさん!もう隠し事はナシっすよ!」
かみつくように言うシブヤ。見つめるブラックとトリゴヤ。
サドは、意を決して、三人に告げた。
記憶をなくした少女が、
行方不明になったことをー。