マジすか学園3☆#1ー2☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園3☆#1ー2☆

「関西連合?なんやねん!それ」


大阪市内の総合病院の一室。
面会謝絶がとかれ、見舞いに来ていたサヤが、ようやく、傷ついたNMBーZ(ナンバーズ)のメンバーの病室にはいることができた。サヤが引き継ぎをした、現在の“頭”である。

「ウチが、こんなミイラみたいになったんは、あの憎たらしいDIVA(ディーヴァ)に、やられたからなんやけど…」

大阪最大のレディースチーム。
《DIVA》ディーヴァ
構成員1000名強。

残虐を絵にかいたような、喧嘩命の強者が揃っている。大阪で逆らう者は、だれひとりいなかった。
ただ、ひとつー
サヤ率いるチーム、NMBーZだけが、孤軍奮闘、反旗を翻していた。
しかし、サヤがいないときを狙われ…

「…やつら、こっそり、近隣の県の最強のチームと同盟を組んだり、吸収合併を繰り返したりして、虎視眈々とちからを蓄えとったんや」


「ちっ!あいつら…、コソコソしくさりやがって!」


「これまで、日本のヤンキーの勢力図は、西のディーヴァ、東のアンダーガールズによって、いい意味で、秩序が保たれとった…。小競り合いはあったけど、大きな戦争にまで発展することはなかった。下手に動けば、お互い、かなりの戦力が削がれ、勝ったとしても、代償が大きすぎるからな…。しかし、その均衡が崩れる事件が起きた…。サヤ、お前も、よう知っとる…」

「新宿か…」

「そうや…。あの事件…、マジ女によって、手痛いダメージをアンダーガールズは受けた。つまり、いまが狙い時ってことや…関東進出、イコール日本の頂点を奪るためのな…。標的は、アンダーガールズの残党…、そして…」

話を聞き終える前に
サヤは、血相を変え、部屋を飛び出していった。

(あっちゃん…、みんな…)



東京ー


「やんのか!?てめー!」
ヲタが、立ち上がり、関西弁の少女に凄む。
少女は、それを物怖じすることもなく、全身で受け止めていた。
他の者も、いつでも動ける態勢で、状況を見つめる。
空気が冷たく感じるのは、陽が沈む直前だからというわけではないようだ。

静寂が辺りを支配したー
後。


「はははは!やっぱり、東京モンは、シャレが通じんなー。ウチの名前は、キノハル。キノハルって、呼んでや」

「そのまんまやないか!」
だるまが、思わず、口を挟んだ。

「いいツッコミや。ベタやけどな。別に今日は、喧嘩しに来たんとちゃう。ほな、またな」

幼顔の少女は
背中を見せ、その場を去ろうとして、立ち止まる。振り返り、口をモグモグしながら

「ごちそうさん!」

とだけ言って、キノハルこと木下ハルナは、消えた。

七輪の上のホルモンが、いつの間にか、一つ、なくなっていた。そんな動き、素振りも見せず。

呆気にとられる一同。

七輪の中に、くすぶり燃え続ける炭を眺めやるバンジー。

「似てる…あのときと…」

(また…、何か、始まるのか…。それとも、もう、すでに…)

始まっているのかー。


「なんだったんだ、一体!?」と、皆が不思議がっていると、


今度は、ラッパッパの四人ー昭和、アニメ、ライス、ジャンボがあらわれた。神妙な顔つき。

「前田さん…、ちょっと、いいですか?」

顔を貸してほしいと、言っているようだ。

前田は、箸を置き、四人の後につづいた。


夕陽が沈んでいく。



校門前ー


「キノハル!勝手なことすんなって、言われとるやろ!」

長身の少女が、キノハルをたしなめる。キノハルと同じグレイの制服。

「ちゃうちゃう。ホルモンご馳走になっただけや…」


「他県のチームとの足並みも揃えんと…、いろいろ面倒やろ…」

お目付役といったところの長身の少女に
馬耳東風なキノハル。

「ホルモンもいいんやけど…、やっぱ前田や…、いい目つきしとったなぁ…。あいつは…、絶対おれが喰うで!

Dの名の下に…な」


「Dの名の下に…」

つぶやく。

二人は、そのまま、夕闇に溶けるように、消えていった。

遠くの空に、春雷が轟いていた。