数字で確認 | 池上秀司のブログ

池上秀司のブログ

ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

以下の記事について考えてみます。

保証料ゼロの住宅ローン

下図を見たところ、精度が低いという印象を受けました(画像はスクリーンショット)。


A銀行の手数料ですが、いわゆる一般的な金融機関を指していると思われます。一般的に事務手数料は32,400円程度とソニー銀行と同程度ですが保証料が掛かります。しかし、保証料は期間が短いと少なくなるので65万円も掛かりません。参考までに、とある都市銀行のシミュレーション画面を以下に記します。


固定金利手数料、印紙代、登録免許税、司法書士の費用はここでは考慮不要ですから、保証料が約36万円。事務手数料を合計すると40万円弱になります。つまり、記事よりも約25万円負担が少なくて済みます

ちなみに65万円程度になるのは35年返済の場合です↓


で、本題です(前フリ長い…)。以下の一節が気になりました(画像はスクリーンショット)。

一般には借入額が大きくなると、手数料は定額の方が有利だ。ただ、変動セレクトは通常よりも金利が低いため、金額が小さかったり期間が短かったりすれば、利子の負担が小さい分、魅力が増す。



感覚的に「?」となったので、単純計算になりますが、表を作りました。額が大きくてとあるので、借入額5,000万円のプランを基本プランとします(変動セレクト:定率型/通常タイプ:定額型)。


いきなり記事と逆の結果。定率型の方が有利になりました。金利差が大きく、返済期間が長いため、通常タイプの総返済額が変動セレクトを大幅に上回ることが要因といえるでしょう。

次に、金額が小さかったりとあるので、借入額を基本プランの10分の1にしました。そうすると記事の通り、定率型の方が有利となります。金額が少ないので手数料も少なくなるからです。


では、基本プランよりも返済期間を短く10年としました。またもや、記事と逆の結果が得られました。なぜかというと、定率型の手数料計算には返済期間が考慮されず、短期間で返済するのに手数料が安くならないからです。


ちょっとした計算でこういったことは把握できます。上記引用部分は、なにを根拠に記述されているのでしょうか。

他にも気になることがあるので、それは次回。