ネット生保の本当の実力 | 池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

先週、ライフネット生命の3月の業績が発表されたので、年度の数字を調べてみました。以下の通りです。


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昨年度は上場直後に年度がスタートし、半期経ったところで新商品を発売し、特別条件を採用し、代理店募集を開始しました。相変わらず、ただ騒ぎたいだけのメディア(特にダイヤモンド社)は提灯を持ち続けました。


で、肝心の結果は前年度割れでした。実態を調べずに「シェアを伸ばしている」といった表現をするメディアがあったりしますが、これが実際の業績(実力)です。確かにシェアは増えているかも知れませんが、単年度では昨対割れしているのですから、明らかに成長が鈍化しています。しかし、大幅に減っている訳でもないので、もう安定期に入っているともいえるでしょう。


しかし、昨年度はあれだけプラスの要素があったのですから、会社は前年を上回ると予想していたでしょう。というか、上回るのが使命です。でも、保険の商売は本業に無関係なことに勤しんで簡単に結果が出るような世界ではありません。そういう意味では、増加したのは経営陣の知名度だけ。彼らは保険に関しては無意味な手数料議論だけを繰り返すだけで、一体なにがやりたいのでしょうか(笑)


ライフネット生命の経営陣をもてはやす人達を拝見するときがありますが、そういう方達は自分でこのような本業の実績や保険業界の変遷、商品を具体的に調べていないのでしょう。少なくともこういう業績の経営は評価できないというのが普通の感覚ではないでしょうか。商品についても同様です。全然安くありません。


彼らは「安さ」を売りにしてきましたが、「もっと安いところがある」ということを世間の人達は知ってきました。ですから、「人のいないことによる安さ」を売りにするならば、収入保障保険を取り扱い、標準体の保険料が他社の非喫煙優良体と同水準、医療保険は今の半額にする位でなければ価値が見い出せないでしょう。


私は保険営業をやっていましたから、過去を思い出してみると、前期のライフネット生命の現象は営業職員とも似ていると思いました。要は保険営業は色んなところに出向けば商売になるかと思ってホイホイ出掛けます。でも、呼ぶ方は使い勝手がいいから呼んでいるだけで、一向に保険の紹介につながらないといったことはよくある話です。「いつか紹介出るかな?」「今日はひょっとしたら社長と会って法人保険の話になるかな?」期待だけは膨らみます。チヤホヤされて気分もよくなります。


しかし、どこかで自分からキチンと「保険の話を聞いてください。」と正面切っていわなければいつまで経っても本業の業績につながりません。結果、保険業界から去っていくというのはよくある話です。なにせ、私は保険営業としては相当ダメな方でしたからよくわかります。


保険会社の使命とは「保険料を安くする」ことでもあるかもしれませんが、なにより「保険金をお届けすること」が最優先です。であるからこそ、保険がこの世に存在しているのです。そういう部分に真剣に取り組まないで保険会社として認めてもらうというのは稀といえるでしょう。


まぁ、せいぜい頑張ってください(笑)