日経新聞を読んでいない日経新聞記者 | 池上秀司のブログ

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ファイナンシャルプランニングに関することを中心に、好き勝手に書きます。

先月、21日の日経新聞に「住宅ローン活用術」という記事がありました。


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読んでみて日経新聞ってとことんわかってないなと思いました。特にヒドイのが後半にある以下の一文です。


「返済金利は初め年0.875%で毎月返済額は約83000円。1年後に金利が1%上がると、計算上は毎月返済額は約97000円になるが、5年ルールで据え置かれる。」


変動金利の基になるのは、日銀の金融政策における「無担保コールレート・オーバーナイト物」の誘導金利です(現在は00.1%)。前回のゼロ金利を解除したのが20067月(00.25%)、そして、2007年2月に0.5%に上げました。あくまで過去とはいえ、0%から0.5%に上がるだけでに7ヶ月もかかっています。そして、その後、サブプライム問題→リーマンショックでまた利下げしています。ハッキリここに書いておきますが1年後1%上昇はあり得ません


さらにヒドいのが以下の図。


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今後5年で金利が3%上がるという前提で物事を語っています。その金利上昇についての根拠などは一切書かれていません。これが実現したら日本の将来はバラ色です。こんなことをサラッと書いて恥ずかしいと思わない記者がいるから間違いが世の中に氾濫する訳です。ちなみに今現在、そんな兆候はまったくありません。以下の表を見ればわかりますが、短期金利が今より3%高いというのはバブル崩壊直後の1992年頃です。


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もう「固定が安心」なんて固定概念は捨てなければいけませんし、「変動は上昇後注意」しjなければいけないなら、最初から上昇している固定金利は今すぐ注意が必要です。さらにいえば「返済計画熟考を」って熟考すべきは「5年で3%も金利が上がるという前提」です。

可能性の低い1つの前提だけで話を完結させるなんていうのは手抜きというか、なにもわかっていないという以外にどう表現したらいいのでしょう。一応図書館で最近の日経新聞を見直してみましたが、そんな情報はどこにも書いてありません。ということで、私はこの記事を担当した大賀智子記者に以下を聞いてみたいです。


日経読んでる?