昨夜、知り合いと赤羽で待ち合わせをしたのですが、時間があったので駅前の書店を覗いてみました。エスカレーターの踊り場付近にお金に関する本が陳列されていたのですが、以下の本の29ページを読んで気絶しそうになってしまいました。
32歳までに知らないとヤバイお金の話/岡崎 充輝
で、その29ページでは、住宅ローンの「元利均等返済」と「元金均等返済」についての図が書いてあるのですが、それが驚愕です!!そのままを載せる訳にはいかないので私の方でリライトしましたが、いきなり見ると心臓が止まるかもしれませんので、心の準備をしてから見てください。
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皆さん大丈夫ですか?倒れてませんか?もう、突っ込みどころは多々ありますが、この元利均等返済の図はないですよね。
あと、細かいところですが、元金均等の利息の右下がりになっている線ですが、これは図で表すと曲線でなく直線になります。つまり、直角三角形になるのです。ですから、総支払利息を計算するのも簡単で、三角形の面積を求める公式に当てはめれば求められます。
【1回目の利息=借入金額×金利(年利)÷12】×返済回数÷2
元利均等返済の利息部分は曲線になります(直線になっている場合は「パソコンの線画ツールを使って描くのが大変!」という単純な理由です)。他の点の突っ込みどころは、こちらの投稿をご参考にしてください⇒プロの見抜き方
FP名乗るなら、この程度知らないとヤバいです。
それと、もう一冊。
20代で知っておきたいお金のこと/岡村 聡
この本にはこんなことが書いてありました。
『子供保険よりも私の勧める方法で長期投資をすれば、はるかに高い利回りを高確率で狙える』
これ、投資詐欺をする連中と同じセリフです。この本では結局インデックス投資を勧めるところに話が落ちつくのですが(著者の経歴から見ればそれも納得)、長期投資をすることは結構でしょう。でも、お子さんのお金が必要になる時期は決まっています。そのタイミングで「高い利回りが高確率」なんて根拠はどこにもありません。なぜ、長期投資をするのかというと、自分の都合のいいときに儲けが出るとは限らないから、ゆったり考えて、都合のいいときにサッとやめるために、長期間で考えるのです。それと根本的なことですが、教育資金というのは必要資金です。投資というのはそれらを除いた余裕資金でやるべきではないでしょうか?
そもそも、世の中には毎年18歳になる人達がいるのですから、この人の理屈でいくと「インデックス投資をすれば常に儲かる」ということになります。投資の世界でこれほど使ってはいけない言葉はありません。これぞ「インデックス投資詐欺」です。FPだからといって、なんでもいっていいということはありません。無責任の典型です。
参考:学資保険とインデックスファンド
それと、生命保険では定期保険を勧めていて「ネット生保が安い」なんて流れで、30歳男性、3,000万円、10年の保険料が比較されていましたが、20代で知っておかなきゃいけないって話で、なぜ30歳の保険料が出てくるのか不思議でした(笑)
ネット生保の更新型定期保険を手放しで勧めるFPは「私は保険については知恵がありません」と自己申告しているようなものなので、わかりやすいといえばわかりやすいので助かりますが。まぁ、↓この辺を読んでみればその理由はわかるでしょう。
プロとはいえない
ネット生保の偏見記事
ネット生保が安いという思い込みを捨てよう
お勧めしない保険
ランキングを読み解く
視点を変えた保険比較
20代で知っておきたいのは、
「更新型の定期保険は将来更新で著しく保険料が値上がりするから安くない」
「ネット生保の定期保険の最低保険金額は500万円と高い」
といったことです(他にもありますが…)。
こんな感じで、最近のFPの本には致命的な欠陥が平気で書いてあり、質の低下は著しいです。編集者がそれを見抜けないという、出版側の質の低下も起因しています。とにかレベルが低すぎて一冊読むのは苦痛になります。こんなものが書店の棚を占有し始めることは非常に危険です。他にも「???????」なんていうのはいくらでもあります。こんな本を置くよりもワンピースを全巻置いている方が、世のため、人のため、世界のためです。