レイダーズレポートから


ヤマメと サクラマス


ヤマメという魚をご存知だと思います。関東以北の太平洋側と日本海側全域を中心に
分布している川の魚で、平均的な成魚のサイズは 20cm 以上になります。もうひとつサク
ラマスという名前の魚がいるのですが、こちらは体長 70cm にもなる大型の魚です。体積
比ではヤマメの 30 倍にもなるそうですが、この似て非なるサイズの 2 種類の魚、実は全
く同じ種類の魚なのだそうです。
川の上流で生まれたヤマメは、やがて若魚へと育っていきますが、その過程でエサの
食いつきの良い魚はどんどん育ち、常に流れの上流を占めるようになります。そうなり
ますと、下流の魚にはなかなかエサが流れ着きませんので、栄養不足となり、体長も 10cm
くらいまでしか育ちません。そこでこの冷や飯食らいの若魚の集団は、もっとエサの豊
富な場所に移動することを決断します。それは海です。
川を下り、河口で時間を掛けて体の組織を海水に適合したものへと作り変え、エサの
豊富な海へと泳ぎ出していくのです。海は川の何倍もエサが豊富ですから、そこで生き
残ったヤマメは、元のヤマメとは似て非なる巨大な魚、サクラマスへと育つのです。
では何故すべてのヤマメが海を目指さないのでしょうか。それは海に行けばエサが豊
富にある反面、自分たちも食べられてしまう可能性が高いからです。海に下ったヤマメ
の内、川に戻ってこられるのは 1 割にも満たないと言われています。しかしこうして環
境を変えて生存競争に打ち勝ったものは、巨大なサクラマスとして川に戻り、再び河口
で体の組織を淡水に合わせて作り変え、長い時間を掛けて生まれ育った場所へと遡上を
始めます。途中には滝があったり、ヒグマに待ち伏せされたりと更なる苦難が待ち構え
ていますが、それを乗り越えて元の場所に戻ったサクラマスだけが産卵し、次の世代に
命を繋ぐことができるのです。そして産卵を終えたサクラマスは、その一生を終えます。
弱者は生き残るためには、環境を変え、自分を変えていくしかありません。でもその
結果強者よりも強くなって戻ってくることができるのです。


※トレーダーもある時を期して変身するらしい。負け組から勝ち組へ。

kappaも強いトレーダーに変身しなければ