Hibikillaオフィシャルブログ「ソコが丸見えの底なし沼」Powered by Ameba

*いつも応援ありがとうございます。初めての人はまずココをチェック!


*イベント出演やリリース情報の詳細、お問い合わせはオフィシャルサイトをご覧ください。

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

「風営法改正の現状説明とDJ協会発足に向けての説明会」

「風営法改正の現状説明とDJ協会発足に向けての説明会」

いよいよ風営法改正のスケジュールも間近に迫ってきました。

朝まで踊れる!という時代は確実に来そうですが、新たに深夜遊興という名で管理されるダンスを取り巻く深夜営業には様々な不安材料もあり、事業者/演者/客それぞれが未来志向の改革意識を持ち、作り直して行かねばならないようです。

そんなタイミングで今回の法改正の背景や内容の説明、ならびに今後の具達的な流れと懸念事項などの解説、またこのタイミングでDJ協会発足の是非なども視野に向け、可能な限りの皆さんでやりとりを行う一大集会を開けないかと考えました。今用意しているDJからの声明文も下記に貼っておきます。ぜひご確認下さい。

法改正が急ピッチで走り始めている事から、大変急な話ではありますが、5/19(火)20:00~22:00で渋谷のクラブ、Visionのメインフロアで行う事となりました。お忙しい中かと思いますが、ぜひご参加ください。

5/19(火)20時~22時
SOUND MUSEUM VISION
東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビルB1F
http://www.vision-tokyo.com/access
当日入場料などはありませんが、ドリンクの販売もありません(各自持ち込みは自由です)
一般営業は行っていませんので正面入り口よりメインフロアへ直接お越し下さい


現在下記のDJの連名を予定しています。

Darthreider、DJ EMMA、DJ HASEBE、DJ HAZIME、DJ KAORI、DJ KAWASAKI、DJ Nori、DJ Ogawa、DJ TSUYOSH、DJ WATARAI、FYS aka BINGO、GUNHEAD、HIROSHI WATANABE、川辺ヒロシ、ケン・イシイ、木村コウ、Komatsu、沖野修也、大貫憲章、Q'HEY、Satoshi Tomiie、佐藤強志、Remo-con、Shotaro Marda、Sugiurumn、須永辰緒、高木完、TAKAMI、高宮永徹、☆Taku Takahashi、田中知之、Watusi (COLDFEET)、YAMA、Zeebra   (in alphabetical order)
///////////////////////////////////////////


2.13(金)Midtown Skank at Club Cactus

前回大好評につき週末レギュラー化決定!

今回は日本におけるダンスホールアーティストの第一人者であるChappa Ranks氏を迎えて、レゲエ好事家達に7 inchレコードとマイクの即興アートをお届け!

Soundsystemは安定のDossBass。

13日の金曜日とバレンタインデーがいっぺんに来たような夜になること間違いなし!



出演
Sound : Kaz from Reggae Shop NAT / DJ Gonz / Krash from International Sound with 神丸 from Y.D.C

Featuring : Hibikilla / Be-Core / Chuck Moris / King-K

Dancer : Chacca / Asumi

Special Guest : Chappa Ranks

住所: 東京都港区南青山1丁目15-18 リーラ乃木坂B1F
電話:03-3408-9577

入場料金 : ¥1500 1Drink付 (当日のみ)

facebookページ https://www.facebook.com/events/1561928027387483/

2014 Best (Reggae) Albums 後篇

毎度ヤーマンです。

さて、ありがたいことに好評いただいております前回のエントリの続きを書いていきたいと思います。

個人のブログにつき私情を挟みまくっている点、また画像が多く読み込みが遅い点、そして乱文にはご容赦ください。

さて、今年のレゲエの音楽的傾向として私が注目したのは70年代後半から80年代前半にかけてのドレッドなワンドロップ・サウンドの復権です。

より具体的には当時Roots Radics(RIP Style Scott)やSly & Robbieがクリエイトしていたサウンドですね。これに絶妙なマッチをみせたのが、2位にあげたChronixxだったのですね。

Chronixx - Here Comes Trouble (Rootsman Riddim) はIni Kamoze - Wings With Me のリメイク。
このriddimは実際にサンプリングに生演奏を加えたものだったそうです。そんな製作過程の裏話まで教えていただいたジャマイカ在住のGacha from Gachapan さんありがとうございます!

またChronixx - Alpha & Omega (Inna Rub a Dub Style)はAl Campbell - You Jammin のリメイクなんですね。これはreggae shop NATのカズさんに教わりました。ありがたい。

Chronixx - Alpha & Omega


Al Campbell - You Jammin

"We step on the beat an kick up riddim like Sly Dumber!"というラインも熱い!(でも原曲のドラムはStyle Scott)

さらにリメイクつながりでいうと2015年にアルバムリリースということなので首を長くして待っているStephen MarleyがSizzla & Capletonを迎えて歌った - Rock Stone


もかなり私のツボでクラブでもよく耳にしましたが、これは
Johnny Clarke - None Shall Escape The Judgement が元ネタですね。




ジョジョの奇妙な冒険なら「スタンドを発現!鼻歌からリディムの元ネタを当てる能力!」って感じですが我ながら使い道の乏しい特殊能力だと思いますね。ま、レゲエは流行と共に変わっていく音楽なのでこのムーブメントがいつまで続くかわかりませんが、一介のリディム・トラック野郎といてはこの辺り大好きなのでもうちょっと続いて欲しいなと思います(RIP一番星)。


そんな視点で選んだ年間6位はこちらです!


No.6 Aloe Blacc "Lift Your Spirit"
image

レゲエじゃないんかい!という皆様の突っ込みが聴こえます。しかもリリースは昨年10月ですが、そこは個人ブログということでご容赦ください。いいものはいいのです。

彼の紹介にはbmrさんの素晴らしい文章を引用させていただきます。
「1979年生まれ、カリフォルニア出身のソウル・シンガー。イギリスで最高2位となった“I Need A Dollar”や、ゲスト参加したアヴィーチー(Avicii)のヒット・シングル“Wake Me Up”などで知られる。本名はエグバート・ナサニエル・ドーキンズ三世(Egbert Nathaniel Dawkins III)で、パナマ系アメリカ人。元はラッパーで、イグザイル(Exile)とともにヒップホップ・デュオのエマノン(Emanon)として先にデビューを飾った。2013年にはメジャー・デビューを果たしている。

1995年に同じく西海岸で活動していたプロデューサーのイグザイルとエマノンを結成し、ミックステープやEPをリリースして活動。2005年にはフル・アルバム『The Waiting Room』も発売した。エマノンとしての活動の一方でソロとしての活動もスタートし、2006年にはソロでStones Throw Recordsと契約。同年リリースしたソロ・デビュー作『Shine Through』は、ヒップホップをベースにしつつ、ブロークンビーツ、ダンスホール、ラテンまでさまざまな要素を取り込み、ジョン・レジェンドの名曲“Ordinary People”をスペイン語でカバーするなど歌への比重を強め、2010年にリリースした2ndアルバム『Good Things』では完全にシンガーへと転向。ソウル・ミュージックへの憧憬を表したレトロなサウンドや、元ラッパーならではの歌詞などが高く評価され、特にそのブルージーな歌声が紡ぐ“I Need A Dollar”はイギリスで最高2位になるなど欧州を中心に大ヒットした。

2013年には大ヒットを記録したアヴィーチー“Wake Me Up”への参加でさらに知名度を上げ、同年8月にXIX Recordings/Interscope Recordsとのメジャー契約を発表。ヨーロッパでは11月に、アメリカでは2014年3月にメジャー・デビュー作『Lift Your Spirit』がリリースされた。」
...なるほど、やっぱり元ラッパーなんだ。しかもパナマ(パナマ運河工事にジャマイカからの労働者が多く訪れて以来レゲエが盛んな土地)の血が入ってる。道理でサンプリング感覚がヒップホップとかレゲエのそれだと思ったんだよな!

彼のアルバムからのシングルカット Aloe Blacc - The Man


の元ネタはElton John - Your Song


だし、収録曲Love is the answer は(多分だけど)Dennis Edwards - Don't Look Any Further ft. Siedah Garrettが元ネタだろう。全編通じて昔の音楽への傾倒と愛情を感じる好作品でした。

一言リコメンド「ダニー・ハサウェイもテディペンももう居ない。しかし我々にはアロー・ブラックがいる!」

とにかくなぜか日本では流行ってないみたいな扱いになってるR&B~ソウルミュージックはD'Angeloが15年ぶりのアルバムを出したり、Sam Smithも素晴しいバラードを連発した豊作の一年だったと思います。

Sam Smith - Stay With Me


ヒップホップではWu-Tang ClanのA Better tomorrowも印象深い。
Wu-Tang Clan - A Better Tomorrow


しかしソウル豊作の背景にはファーガソン黒人少年射殺事件など、アメリカを揺るがせているヘイトクライム多発という社会問題があったのかとも思います。人種差別のない世の中への音楽家たちの願いが、先人達の魂を呼び戻したと思うと複雑ですが、米国人ならぬ私が言えるのはいい音楽をありがとう!です。Michael JacksonとPharrellの作品は…うーんそのうち良く聞こえだすといいな(笑)。



No.7 Arca - Xen



またレゲエじゃない!でもいいものは(省略)。

しかし、いいと感じることは出来ても他ジャンルの方のことは良く知らないのでCinra.netさんの素晴らしい文章を引用して紹介いたします。
「ARCA(アルカ)。まだその名にピンとこないという読者もいるかもしれない。方舟、中世のスペインやイタリアで用いられた貴重品箱、あるいは貝の名前などの意味を持つ(実際にはそのどの意味でもないかもしれないが)ARCAを名乗るのは、ベネズエラはカラカス出身、現在はロンドンを拠点に活動する若干24歳のトラックメイカー、アレハンドロ・ゲルシ。今エレクトロニックミュージック界隈において、最も注目を集めている「超大型」のルーキーだ。プレス資料には「Aphex Twin以来の衝撃!」というコピーが書かれているが、彼はこれまで正式なデビューアルバムすら発表していなかったのだから、名前を知らない人がいても仕方がない。しかし、特にここ2年ほどの彼の驚くべき躍進と現在の注目度を知れば、件のコピーがそうそう大袈裟なものにも思えないはずだ」

レゲトンにエレクトロニカをぶっこみ、最後にダブ注入したかのような音楽も凄いが、新日系二世のJesse Kanda君制作のビデオがまたヤバイんだな。

一言リコメンド「なんじゃこりゃあ!(ジーパン刑事ボイス)今年一番の衝撃度!」

Arca - Thievery





No.8 The Bug Angels & Devils
image
またレゲエじゃない!でも(省略)

The Bugさんの紹介にはBEATNIKさんのすばらしい文章を引用させていただきます。「ウォーリアー・クイーンをフィーチャーした「Poison Dart」が大ヒット・アンセムとなり、ザ・バグ(The Bug)ことケヴィン・マーティンにとっても大きなターニング・ポイントとなった『London Zoo』(2008)では、ロンドンのアンダーグラウンド社会に訪れる未来をディストピアとして描かれていた。その後ロンドンからベルリンに移住したザ・バグことケヴィン・マーティンは、そのコンセプトをさらに拡大させ、世界崩壊後に訪れる絶景を描き出した6年振り待望の最新作『Angels & Devils』を完成させた。

タイトルが示唆する通り、光と闇という明確なテーマが追求された今作。アルバム前半にはグルーパーことリズ・ハリス、インガ・コープランド(ex ハイプ・ウィリアムス)、ミス・レッドといった女性ヴォーカリストたちがフィーチャーされ、フライング・ロータス作品への参加で知られるゴンジャスフィ参加曲を境に、後半では、先日ビョークが参加した最新作を発表したばかりのデス・グリップス、長年のコラボレーターであるフロウダン、グライム集団ロール・ディープ所属でハイピッチの特徴的なフロウを炸裂させるマンガ、前作でも活躍したウォーリアー・クイーンが参加した超攻撃的トラックが続く。またゴッドフレッシュ、イェスー、ナパーム・デスでの活動で知られるジャスティン・ブロードリックがギターで参加。アブストラクトで浮遊感すら漂う前半と強烈なほど暴力的な後半とのコントラストの中で、マッシヴアタックの名作『Mezzanine』を彷彿とさせるヒリヒリとした緊張感と官能性、そして陰鬱な雰囲気を凌駕する高揚感が同居する」

レゲエファンの皆様におかれましてはDaddy Freadyをフィーチャーした"Kill them"とFlowdanをフィーチャーした"Louder"だけは是非聞いてみて欲しい。ジャマイカや日本とは全く違うヨーロッパ特有のダンスホール・ミュージックの進化を感じます。でもこんなゴリゴリの最新電子音楽がKing TubbyとかAugustus PabloとかWackiesのサウンドにも聴こえてくるんだよな。俺が難聴なだけかもしれんが。

The Bug - "Kill Them / Louder"


一言リコメンド「マイクとサンプラーとVibes一本勝負のざらざらロマン!」



No.9 V.A "GUSSIE PRESENTING THE RIGHT TRACKS"



やっとレゲエが来ました!こちらは80年代後半から90年代前半にMusic Worksレーベルを立ち上げ、J.C Lodge"Telephone Love"やShabba Ranks"Mr. Loverman"などをプロデュースし、時代を象徴するプロデューサーとして大活躍するGussie Clarkeさんが新進気鋭の若手プロデューサーとして活躍していた70年代の作品を集めたコンパイル盤です。え、これを10代とか20代前半のときに?という才能のきらめきが素晴らしい。ちなみに若手時代にプロデュースした最大のヒット曲はMighty Diamonds "Pass the kuchie"です。てかそのあたりは全部今もどこかのダンスでプレイされ続けるクラシック中のクラシックですよね。

個人的なオススメはJacob Miller - Girl Don't Come


とHorace Andy - Delilah


前者はSandy Shaw、後者はTom Jonesのカバーだね。この時代のジャマイカ人ミュージシャン・プロデューサーで白人ミュージシャンの曲をカバーする人って案外少ないのですがガッシーさんは人種なんて気にせずいいものはどんどん取り入れる人だったんでしょうね。いいと思います。

このシリーズからはボックスセットの7インチシングルも出ているので、未チェックのレゲエ・コレクターはぜひレコ屋に!

一言リコメンド「バー経営者の皆さん。音にうるさい常連さんをうならせる曲は、あります!」




No.10 リクルマイ "きたぐにのはる"
image

こちらの作品の紹介もリクルマイさん公式サイトより引用させていただきます。
「リクルマイのルーツである東北。その東北の地で歌い継がれた民謡と、レゲエのモンスタートラックとが奇跡の融合を果たした!リクルマイの新境地「民謡レゲエ」4曲と、3年前に東日本大震災で未曾有の被害にあった故郷に捧げる渾身の書下ろし曲「きたぐにのはる」(M-5)。
ライブの定番曲となっているこれらの作品、民謡レゲエで場内を笑いの渦にまきこみ、「きたぐにのはる」では涙をさそう。リクルマイの「今」を如実に伝えるものとなっている。
演奏はLikkle Mai Acoustic Band。
レゲエ界のベテランによる脂ののったプレイが骨子となり、二人のゲスト奏者・大熊ワタルのクラリネットと、こぐれみわぞうのチンドン太鼓(共にジンタらムータ)が躍動感あふれる輝きを本作に与えている。
MIXはお馴染み内田直之。
レゲエファンだけの手元に届けるだけではもったいない、笑って踊ってホロリと泣けるミニアルバム全5曲!」

もうライナーノーツが素晴しいので俺が余計な文章を書く必要もないですけどね、やはり2011年の東日本大震災~東電福島第一原発事故を経て、岩手県宮古市出身の彼女が悲しみも憂いも乗り越えて、笑顔で歌うその姿こそが我々の希望なんですよマジで。

一曲目、"秋田音頭"はSLENG TENG Riddim、二曲目、"相馬盆唄"はDuck Riddim、三曲目の"チャグチャグ馬っ子"はBam bam Riddim、4曲目"ノンキ節"はPunnanny Riddimですね。ええ、自分トラック野郎ですから!

唯一あれと思った点はミックス・マスタリングが今の音じゃないところ。悪いって言ってるんじゃないですよ!ローエンドはこのくらいふっくらと余裕がある方がボリュームを上げたときにいい音になるんですよね。それは重々存じております。

でもやっぱし今年一位のKalbataさんや、去年素晴しいアルバムを出していたThe Lionsは近年流行と言えるベース強め、コンプ感強めながらも、ふっくらとした生音サウンドを作ることに成功していたわけで、そこと並べて聴くとこの作品のダンスホールトラックはもうちょっと迫力が欲しく聞こえてしまいました。でも何度も言いますけどそれが悪いって言ってんじゃないですよ!それに自分やっぱり難聴かもしれません!

一言リコメンド「音質とかいう奴は無粋!彼女の存在自体が希望!みんなを笑顔にする歌!」

"秋田音頭"  アラゲホンジ × Likkle Mai (リクルマイ)



というわけでいかがだったでしょうか?
もしこのブログが参考になったという方が居たら幸いです。また、よかったらHibikillaのライブにも遊びに来てくださいね。私のライブ情報リリース情報はオフィシャルサイトをご覧ください

2015年も皆様が良い音楽に出会えることを願います。俺もアルバム出したいがどうなるだろうか。JAH!

2014 Best (Reggae) Albums 前篇

ヤーマンです。

年の瀬も押し迫った本日は、2014 Best (Reggae) Albumsと題して今年出たアルバムの中から個人的に良かったものを10枚+a紹介していこうと思います。

Reggaeではなく(Reggae)という表記しましたが、これは「レゲエを中心とした」という意味です。

こう表記した理由は
1. 所謂ベース・ミュージックなど、既存のジャンルで括れないものも多くなってきているから。
2. 正直アルバム単位でレゲエのいい作品が少なかったから。

…2.に関しては誤解なきよう説明したいと思います。「アルバム単位で」レゲエの好作品が少ない理由は音楽業界全体の構造変化により、シングル単位・(無料)配信先行という流れが更に強くなり、アーティストが腰を落ち着けてじっくりアルバム単位で制作に取り組むということが難しくなってきているからです。ま、これは「CDが売れない」問題にもがっつりリンクしている構造問題なわけですけど。
ちなみに2014年に一番売れたCDはテイラー・スウィフトさんの「1989」で全米200万枚超ですが、これは曲の良さもさるものながらプロモーションとディストリビューションの勝利だったのですね。つまり、1.iTunesでの配信版よりもCD盤の方を安く価格設定し 2. 全米各地のスターバックスのレジに置いた。のですよ。
なお日本で一番売れたCDの話は…一般のミュージシャンには参考にならないから割愛します。
ま、何を言いたいかというと、そうした流通の構造を含めた抜本的なチャレンジがないと近年の(レゲエに限らず)いいアルバムが減っていく傾向は止まらないと思いますね。
逆にその仕組みを作ったもん勝ちなのかなと。
昔のジャマイカにはその仕組みがあったんですけどね。ソニック・サウンズとダイナミック・サウンズという2大ディストリビューターによる膨大なタイトルの7インチ・シングルを世界中に売りさばくというものが。

2002年のWorld Clashで当時「CD Sound」と(揶揄も含んで)称されたRebel Toneが優勝した頃ぐらいから顕著にレコードの売り上げと流通量が落ちていった記憶があります。(という私もレコードを買わなくなっていったクチなので申し訳ない気持ちになりますが…最近また買うようにしてます)
それでも去年から東洋化成のレーベルT-Annexが国内外の良質なレゲエ作品を7インチ化するといった動き、またHMVが渋谷にレコード専門店を新規開業するなどの動きもあり、レコードの復権というムーブメントはレゲエ復活へ向けた一つの鍵になるかもしれません。はい脱線しましたね。

…それから、アルバムがないならシングルをレビューすればいいのではないかという意見も当然出るかと思いますが、シングル10は少なすぎます。それこそジャマイカのラジオのヒットチャートでも見たほうが良いでしょう。
…それから、ミックスCD / ミックス・アルバムは除外します。なぜならミックスCDは0から1を生み出す行為ではないからです。全曲ダブプレートだったとしても同じです。やはり同じアートとはいえ、0から1の創造と、再利用を一緒にしてはいけないと思いますので。

では前振りが長くなりましたが、行ってみましょう!2014 Best (Reggae) Albumsはこちらの作品です!

No.1 Kalbata & Mixmonster『Congo Beat The Drum』

Jet Set Recordsさんのレビューが素晴らしかったのでこれを引用させていただきますと、この作品は、
「テクノ~2-step系プロデューサーKalbataと、ファンク・バンドThe ApplesのメンバーでもあるMixmonsterとのタッグでのコラボ・アルバム。7"で先行シングルとしてリリースされ、大きな話題を呼んだ、Little Johnが歌う極上のメロウ・チューン"Prisoner In Love"も収録。King Tubbyを意識し、100%アナログ機材で録音された究極の一枚!!」であります。

Major Lazerを主導するDiploは言うまでもなく、今年最大のサウンド・クラッシュRedbull Culture ClashにDavid Rodiganと共にRebel Soundとして出場し見事優勝したChase & Statusも同様ですけど、海外のダンスミュージックのプロデューサーは本当によくレゲエのことを知ってます。マジで好きなんでしょうね。あるいはジャマイカ人よりも好きかもしれないかも…。この作品からもそんな外国人だからこその異常な愛情を感じますね。我々日本人も見習わなくてはいけない部分だと思います。どんなにあこがれてもジャマイカ人にはなれないわけですからね。

さて、恥ずかしながら私、この作品を聴くまでKalbataさんのことを知らなかったのですけど、そちらの世界では有名な方だそうです。また私の「Fire pon dem」や「朝五時の太陽」をprod.したPiloniさんと同様にイスラエルはテル・アビブ出身。イスラエルは実はレゲエ人気が高い国の一つでもあります。作品はと言うととにかく全編にわたって音の良さが素晴らしいです。相当丁寧にミックス、マスタリングをやった感じが横溢しにじみ出ています。また、フィーチャリング・アーティストも素晴らしい人選。タイトル曲を歌っている鯖将軍ことMajor Mackerel, さらにいぶし銀Puddy Roots, なつかしのジャミーズ軍団Tullo-T, 伝説の大ベテランPrinse Jazzbo, ジャマイカを代表する吟遊詩人にして長寿番組「カッティング・エッジ」の名MC Mutabaruka and moreですよ!完全に俺のツボでした。ちなみにミクスチャーではなく<ド・レゲエ>なのでご安心ください

一言リコメンド「今爆音で再生すべき音はこれ!」

試聴リンクはこちら。




No.2 Chronixx - 「Dread & Terrible」


クロニックス。本名Jamar Rolando McNaughton Jr。父は同じくシンガーとして知られるChronicle。92年生まれの若干22歳の若者は、Protoje, Jah 9, Kabaka Pyramid, Jesse Royalらと共にジャマイカの音楽シーンに久しぶりに新しいムーブメントを興し注目を集めている。
Buju Bantonがコカイン密輸容疑で逮捕収監され(残念すぎる)、またVybz Kartelが殺人容疑で逮捕収監(殺人だからなあ…もっと残念としか)されて以来、ジャマイカのレゲエ・シーンもどうも方向性が失われつつあったと思う。その中で、ルーツ&カルチャー、ラスタを前面に押し出した彼らが躍進する様はまるでGarnett SilkやLucianoやSizzlaが出てきた1994年あたりのシーン(=黄金時代)を彷彿とさせます。
ヒット曲「Here Comes The Trouble」を収録したこのアルバムも新世代のレゲエに希望を感じさせる素晴らしい出来。No1作品同様にDub Wiseを入れ込んだ後半も水増しではなくファンを育てていこうとする心意気を感じて良し。期待値込みでNo2としました。
ちなみに「Here Comes The Trouble」のリディムはIni Kamoze「Wings With Me」のリメイクなんだけど、これに気が付いているセレクターは殆どいないのが俺はちょっと残念だぞ!と老害発言しておきます(笑)。

一言リコメンド「おすすめのレゲエ?クロニックスかな…と言えたら玄人っぽい!」

試聴リンクはこちら




No.3 Tarrus Riley - 「LOVE SITUATION」
{30AAFDA8-0F32-48A7-AC34-833F02CA7E55:01}


Tarrus Riley 本名Omar Riley。彼もクロニックスと同じく二世アーティスト。父はシンガーのJimmy Rileyであります。

というか私は彼とは個人的な思い出があるのです。2006年に渡ジャマした際当時お世話になっていたSolomon I&I ProductionのYujiさん、Jah Mikeyにまだ駆け出しだった彼を紹介され、彼の演奏するピアノに合わせて一緒にラバダブするという一生の宝のような体験があるのですよ。その翌年また渡ジャマした際に今度はお父さんのJimmy Rileyさんに会い、「Mi Tarrus Riley's father」(ニッコリ)と声を掛けられたときには「いやいやあなたも有名ですから!」とJapanese Tsukkomiを入れてしまいました。
そんな個人的な思い入れもあり彼は好きなシンガーなのですが、近作も安定感ある良作です。ヒットシングル「One Drop」と「To The Limit」はシングルと違うリミックス・バージョンが収録されており、そんな意味でもお買い得感も高い作品ですね。

一言リコメンド「ファミリーでもカップルでも安心して聴ける良作です!」
試聴リンク





No.4 Wayne Marshall - 「Tru Colors」
{E62C5BF7-C012-4D66-A56C-A81B132F070C:01}


Chronixxが新生ならこちらはベテランの会心の復活作。Wayne Marshallは元々はBounty Killer一家のアーティストとして2003年くらいに「When The Smoke Clears」、「Overcome」、「Purple Skunk」、「Whole World」などのヒットを飛ばしていたのですが、その後親分の庇護を離れ雌伏の時を過ごします。2009年に同じくアーティストのタミ・チンと結婚して以来は音楽性も変化。イケイケダンスホール以外にもルーツ調やR&B調のええ曲が歌えるようになっていきました。そして今年リリースしたこの作品はそうした彼のアーティストとしての成長が感じられて好感度大。当時の彼しか知らない人にこそ聴いていただきたいアルバムとなっております。

一言リコメンド「敗れざる者ここにあり~男の真価・進化は30を超えてから!」

試聴リンク




No.5 Popcaan - 「Where We Come From」


Popcaan。本名Andrae Jay Sutherland。2007年にデビューした彼も何年も前からアルバムが待望されていたアーティストだと思います。去年は人気ゲーム「GTA」のサウンドトラックにVybz Kartelとの曲が収録されるなど活躍を広げていた。彼のフローや歌いまわしは、Dre Skull, Double Dutchらによるリディムの傾向もあってヒップホップの影響を強く感じますが、歌が上手いわけでもないのに聴きいってしまうこの感じ、さらにギャル賛歌、銭と政治、毎日の暮らしの風景…など歌詞のトピック選びがジャマイカの伝統芸能Deejayの延長線上にあり、なおかつ最新系といえると思います。また、このチャートの中では最もストリート感強い作品です。

一言リコメンド「踊れるリリシズム…それ一番かっこいいやつだ!」
試聴リンク



というわけで長くなったので続きはまた来週!後半へ続く…

本日ダンス文化推進議員連盟総会

本日衆議院議員会館で開催されたダンス文化推進議員連盟の会議にクラブとクラブカルチャーを守る会より浅川真次氏ダースレイダー氏と共に参加して来ました。
小坂憲次議長の「踊れない国日本を変える」との力強い挨拶から始まった会は今臨時国会に風営法改正法案を提出することを確認して無事閉会。
風営法はかなり良い方向に変わる見込みです!

Today I took part in the meeting of a parliamentary group to change Fueiho which is declaimed as "anti-dancing law" in Japan.
The diet members promised to change the law in the current diet session. Finally we're going to win the right of dancing in Japan!


1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>