アムステルダム~勇気を持つこと~ | ピースボートおりづるプロジェクト

ピースボートおりづるプロジェクト

広島・長崎に投下された原子爆弾で生き残った
ヒバクシャの人とともに地球一周の船旅を通して
各国に被爆証言を伝え、繋いでいくプロジェクトです。

こんにちは。

おりづるユースの寒川です。10月に入り、船の中でも冬支度が進み、肌寒い季節となってきました。さて、今回はオランダの首都、アムステルダムでの活動を報告させていただきます。

アムステルダムでは、時間に余裕があったため、観光を楽しむことができました。アムステルダム市内を車窓観光し、アムステルダム中央駅で昼食をとりました。アムステルダム中央駅は日本の東京駅のモデルにもなるなど、とてもモダンなデザインで、目を見張るものがありました。

 

アムステルダム中央駅にて

 

「オランダと言えば風車」ということもあり、風車村として有名なザーンセ・スカンスも訪れることができ、大自然に囲まれ、非常にリラックスした時間を過ごすことができました。

 

ザーンセ・スカンスにて

 

観光の後に今回の活動場所へと向かいました。

今回は受け入れ団体である平和団体PAXの主催するイベントにて被爆者の方の証言を行いました。イベントの中ではまず、PAXの方から挨拶があり、「今回おりづるプロジェクトを受け入れることができて非常に嬉しい」というお言葉をいただきました。次に、ピースボートの共同代表である川崎哲がピースボートとおりづるプロジェクトの紹介を行い、最後に被爆者である田河豊子さんによる証言がありました。

田河さんは6歳の頃、長崎で被爆されました。ご自身は無事だったものの、爆心地近くの長崎医科大学の学生であった、お兄さんがとても苦しい思いをして亡くなられたお話をしてくださいました。田河さんは証言の最後に「戦争は人々の心の中に生まれるものだから、人々の心の中に平和の砦を築かなければならない」とオランダの方に向けて平和へのメッセージを伝えられました。その言葉を聴衆の皆さんは、神妙な面持ちで、とても重く受け止められていました。

 

証言をする田河さん

 

その後、質疑応答の時間があり、参加者の方から数多くの質問があがりました。その中の一つに「オランダの若者に対してメッセージはあるか?」という質問があり、そこでの田河さんの回答が非常に印象的でした。田河さんは「世間体を気にせずに勇気を持って、自分の意見を言って欲しい」と述べられました。

 

質問をした現地の参加者

 

その言葉を聞いて、それは日本の若者である私たちも同じだなと思いました。日本では政治について語ることはタブー視されるような社会的風潮があり、なかなか自分の意見を発信する機会がありません。しかし、空気に流されることなく、勇気を持って自分の意見を伝えていくことが大切だと改めて感じました。

オランダでの活動を終え、長かったヨーロッパでの活動も終盤に差し掛かりました。そして、航海としても折り返し地点の半分を超え、いよいよおりづるプロジェクトも後半戦に突入しました。前半の活動を振り返り、反省点を克服しながら、気持ちを新たに今後も引き続き、核なき平和な世界の実現に向け、努力していきたいと思います。

 

文/おりづるユース 寒川友貴 編集/ピースボートインターン 鈴木慧南