資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる【白鳥光良の Work Life Fusion】

資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる【白鳥光良の Work Life Fusion】

100キロマラソン、フラメンコの唄と踊りとギター、創作落語、将棋、ファイナンシャルプランなど、様々な世界を融合(fusion)させる【白鳥光良】が「資産管理の不安を減らして、創造的な100年を生きる」を研究&実践中

人生のお金の不安を減らすのはカンタン。


まとまった貯蓄を取り崩すタイミングを見通せばいい。


住宅・教育・老後・万一の4つを押さえれば、不安の9割はなくなる。


 


しかし、100歳を超えて生きたらお金が尽きるかも。。。


その問題を解消する1つの答えは、Work Life Fusion すること。


もっと詳しい話を知りたくなったら、この3つのうち1つだけクリックしよう!


 


1.40歳未満の方は、39歳までに受けたい《お金の不安がなくなる》マネーレッスン


2.40歳以上の方は、将来のお金の不安が減ったお客様へのインタビュー記事


3.FP有資格者の方は、白鳥光良のファイナンシャルプランナー実践道場2020


 

その年は4月半ばまで咲き残った桜が結構あって、同時期に咲いたツツジの姿を目にすると自分の中にある季節時計とでもいうべきものが狂いそうな感じがした。



会社に戻る都営三田線のドアの上にあるモニターを見上げると、24億円を盗まれても気づかなかったスーパースターが滑らかに素早くバットを振り続けるCMが流れていた。

「アレ見て思い出したわ。アメリカの違法ギャンブルは日本の公営ギャンブルよりも期待リターンが高かったんやね〜!」

この業界に20年以上いるのにファイナンシャル・プランナーと呼ばれることを嫌い、自らをパーソナル・アセットマネジャーと名乗る彼は、クライアントや提携先への行き帰りに一緒に電車に乗ると広告を眺めながら奇妙な話を始めるのが常だ。私は「違法なギャンブルの方が期待リターンが高いって、なんのエビデンスがあって言ってるんすか?」とツッコミを入れた。

「そりゃあ、世界一有名になった通訳さんがNイコール19000のFBI捜査官お墨付きの世界最高のエビデンスを出してくれはったやないか」

と口走りながら、さっきからずっとモニターの中で爽やかにバットを振り続けている男を指差したので、それは通訳じゃなくて元通訳というか泥棒でしょと心の中でツッコミながら「えっ、FBIのお墨付き?」と私は聞き返した。

「FBIが公表した捜査データによると、イッペイちゃんが平均12,800ドルを19,000回賭けた総額が365億円で純損失が62億円。差額の303億を365億で割ると還元率は83%くらい。これが100回程度やったら信頼できひん数字やけど、FBIが事実確認したN=19000の統計データいうたらムッチャ信頼できるで」

「その還元率83%って、ギャンブルとしては悪くない数字なんっすか?」

「せやな。日本の宝くじの還元率は50%未満やし、競馬など日本の公営ギャンブルの還元率は目安75%、実際は70%から80%の間みたいやな。あとパチンコはだいたい80%台らしいで」

「へぇー、まあ確かに悪くないじゃないですか。何がダメだったんすかね?」

「還元率83%いうとええ思う人もおるかも知れへんけど、それを『期待リターン』に直すと1回あたりマイナス17%やで。今後10年の期待リターンが年4%台のドル建て債券や、長期の期待リターンが年7%以上の株式に比べたら相当不利って分かるやろ」

「確かに、期待リターンに直すとギャンブルとまともな投資の差は歴然としてますねー。でもなんでギャンブルのほうが儲かりそうと錯覚しちゃう人が多いんすかね?」

「そりゃリスクが高いからやろな。あー、ここでいうリスクは危険とかやなくて、数学的な意味のリスク『リターンのブレ』の大きさのことや」

「リターンのブレの大きさ?」

「ギャンブルの場合は、短期間で投じた資金がゼロになったり10倍になったりするやろ。このブレの大きさつまりリスクが人の感情を派手に揺さぶるから、長期的に最も重要だけど地味な『期待リターン』からシロートは目を逸らしちまうわけやな。でも、期待リターンが低いこと自体は決して悪いことやないで」

「えっ、期待リターンが低いのは、マイナス17%みたいのが繰り返されて損失が拡大する一方だから明らかに悪いことじゃないっすか?」

「宝くじを買うのも、ギャンブルをするのも『投資』やなくて『消費』と思っとるうちは何の問題もないんや。もちろん適法な範囲であることが前提な。自分のお金使って気晴らしするのは、たとえ他人から見て無駄遣いでも全く悪いことやないやろ。でも…」

「わかった。消費活動を投資活動と錯覚すると、消費的な満足を得られない消費活動に苦しみながら損失を拡大し続けることになる!」

「そのとおりや。悪いのは消費やなくて錯覚。悪いのは無駄遣いやなくて誤った事実認識。悪いのは損することやなくて、幻想を買い続けることや」

「幻想を買う・・か。今回の事件における幻想を買うってのは『期待リターン』が低い対象に賭け続けることっすね。まあ、もっとよくある話だと期待リターンがマイナス50%以上の宝くじを『ずっと買い続ければ、いつかは儲かるはずだ』と幻想を抱いてる人は少なくないでしょうから・・」

「せや。期待リターンがマイナス17%のギャンブルで当然それなりに損して判断力が低下した後に『もっと大きく賭けて上手く当てれば、これまでの損を一気に取り返せる!』などとアドレナリンを放出させながら幻想に浸って損失を数十億円レベルまで複利成長させちまうのは、イッペイちゃんと同じような状況に置かれたら意外と誰にでも起こり得ることかも知れへんなぁ」



「・・と自戒してるうちは大丈夫っすね! ちなみに、あの人は最後にスーパースターと会った際にこう言って謝罪したそうですよ」

「なんて言うたんや?」

「この度は多大なるご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。これからの人生、私は二度とギャンブルはやりません。ええ、もちろん賭けてもいいですよ!」

「言うわけないやろ!もうええわ」



近況。つい数日前に年明けから続いた大量の原稿仕事が全て完了して、色々重なって最も忙しい状態からはようやく解放されたとホッと一息ついたところで、、ふと気づくともうゴールデンウィーク直前ですね〜。私は引き続き新規のお客様の相談を受ける余力がありません(既存のお客様のみ可)が、会社全体としては少し余力がありそうです。

この記事の本文はフィクションです。



この世界はあなたが思うよりも108倍くらい優しさに満ちている。

無償で得られる価値のある知恵はネット上に無限に増え続けているし、暖かな日差しは無限に降り注いでくる。そこそこのお金を払えばその何倍も価値を感じられるモノやサービスは無限に増え続けている。どうして世界はこんなに優しいのだろうか?


24時間営業のマックに夜12時過ぎに来ると10代から70代くらいまで様々な老若男女が眠らない夜の時間を過ごしている。いや、あっちにはテーブルに突っ伏して居眠りしてる人がいるな。左側から聞こえるフランス語っぽい発音はヨーロッパ方面からの観光客だろう。ここのクルーの半分以上はアジア系の外国人だし、いわゆる家がないっぽい人も時々いるけど、混沌としながらも安心感のある場所だ。


私はマックのメニューにない「アフォガード」をちびちびと味わいながら、四隅にトンボの入った原稿に毎日1時間以上は向き合って赤を入れ続ける日々が続いている。


そう。熱々のホットコーヒーと冷え冷えのバニラシェイクを交互に飲むと、私の口の中では熱くて冷たくて苦くて甘い絶品アフォガード(エスプレッソを掛けたバニラアイス)の世界が合計270円で完成。そんなスペシャルドリンクに舌鼓を打った後に「スッキリわかるFP技能士」(TAC出版)シリーズ3冊の合計1000ページ以上の最新アップデート作業を1月から4月までの夜のマックで原稿に3周(原稿・初稿・再校)赤入れしている男がいたら、それはきっと私に違いない。


1年を通じて書店に並んでいるシリーズ3冊の中でも、エントリーモデルの「スッキリわかるFP技能士3級」は特に魂を注いで【初学者や挫折者への優しさ】を詰め込んでいる。正確さを犠牲にして分かりやすさを高めたり、網羅性を犠牲にして絞り込んだり、必要以上に読みやすく過剰にルビを振ったり、優等生が敬遠しそうなアホっぽい言葉を散りばめて勉強中にリラックスできるようにしたり。



この世界はあなたが思うよりも108倍くらい優しさに満ちているのだが、FP技能士3級の勉強に初めてチャレンジする人や挫折後にリベンジしたい人がいたら、初学者への優しさを108倍くらい詰め込んだ「スッキリわかるFP技能士3級」の世界を覗くようにオススメしたい。





この冬はじめて雪が降った、
2月上旬の月曜日に風邪をひいた。

すぐに一晩良く寝たら元気になったので
油断していたら木曜日から声が出にくくなり
金曜日は掠れた声で面談2件こなしたものの
土曜日のお客さんは延期してもらうしかない
完全な風邪引き状態となっていた。

それから数日は無理しないように努めたら
8割がた治った感じになったが、
そこで「咳止めの薬」を2日飲んだのが
あまり良くなかったようだ。

ふだん殆ど薬を飲まない私には
市販の風邪薬でも効き過ぎるようで
目が充血する、横になると咳が止まらない
といった副反応が出てしまった。

服用をやめたらそれはすぐに止まったが
そのダメージによって身体全体の回復が
何日か遅れてしまった感じだった。

結局、私はこの短い2月に
2週間近く風邪を引いていたようだ。


来週3月3日は東京マラソン。


私は2010年から2019年まで10年連続で

東京マラソンを完走したのだが、

その期間は1〜2月にまともに風邪を引いた

ことはなかった気がするな、、というか

体調崩したら42キロ完走できないね。


たまに年末に風邪引いたときは、

敢えて6〜10キロくらいジョギングして

いい汗かいて熱いシャワーで流してから

しっかり水分補給しながら良く寝たら

1日で完全回復!


という、

シリアスランナー以外には

決してオススメできない

セルフ荒療治をしていた記憶がある。



雪が降った日に

身体が冷え過ぎたりした後に

いろいろと無理をしていると

きちんと風邪を引いて

休養せざるを得なくなるってのは

身体が健全に機能している証拠だね。


風邪は健全なのだ。

風邪は健康なのだ。


きちんと風邪を引くってのは、

健康そのものなのだ。






令和6年が流れ始めた。

年末は結構ギリギリまで
期限のある業務がいくつも重なって
想定外に忙しくなってしまったけど、

年末4日間と年始4日間、
8日間は完全な休暇を取ったから
頭を空っぽにすることができて
この十数年で最も心安らかで
心の底に焦りの気持ちが殆どない
年末年始が過ごせた気がした。


仕事初めの1月5日に見た
年末年始に届いていたメールには
まだ殆どお返事できていない、、けど、
これから数日くらいの間には
落ち着いて返信する時間が取れそうだ。



これは、いまは亡き
大正8年生まれの私の祖父(林正)が
およそ30代の頃に詠んだ短歌だ。

元朝(がんちょう)も
働く性(さが)の身につきて
今年も塔上に初日拝する

今から70年近く前、
戦後復興期から高度成長期に入った
1950年代頃から石油会社の東燃
(現在は合併を重ねてENEOS)の
石油化学コンビナートがある和歌山沿岸で
仕事していた時期があったというから、
この水墨画の中に立ち並ぶ塔は
石油精製工場の排煙塔なのだろう。

また、和歌山の海岸沿いからは
東の方向に富士山が見えるらしいから、
この山は海の向こうに見えた富士山だろう。

「元朝」は元日の朝だから、
祖父が和歌山にいた30代の頃は
365日いつでも早朝から働く習慣が
すっかり身についてしまって、

さらに「今年も」ってことは
少なくとも2年以上は連続して
石油精製施設の塔上の初日の出
(参考:和歌山の初日の出は7時過ぎ頃)
を拝んだことになる。

もしこれで、
祖父が若くして亡くなっていたら
管理者の安全配慮義務違反による
労災認定を受けることに成功した
歴史に残る芸術的なエビデンス(笑)
として使われたかも知れないが、

実際はそれなりに出世して
最終的には取締役人事部長を務めた
ようだから、高度成長時代に良く働いた
良き組織人だったのだろうと想像した。


私が最も影響を受けたのは、
祖父が役員を退職した60歳の後くらい。

私は5歳頃から7〜8年の間
両親や弟とともに、祖父母が住む
港区白金の一軒家に住んでいたのだが、
その間に穏やかな祖父から将棋を教わり
数百局は対局の相手をして貰った。
ずっと平手で負かされ続けた。

10歳くらいの頃には
真剣に本を読んで学んだりした後に
祖父より強くなってしまったので
その後は対局(というか挑戦)を
殆どしなくなってしまったが、

そこまでに
伝わってきた無形の知性や
深く考える力のようなものは
その後の人生に深みを与えてくれた。



いつだって最重要事項はそれなんだ。

それは、焦らないこと。
それは、心を落ち着けること。
それは、物事の大局を見失わないこと。

例えば、
焦らず落ち着いていれば、
最も避けるべきことは
お金や時間を失うことではなく
命を失いそうな事態だって分かる。


国内の日常生活においては、

・上から落ちてきた物が頭に直撃する
・スピードの出たクルマに撥ねられる
・高いところから転落する

を避けるように注意して、
上方や車道や眼下を眺めていれば
命を失いかねない状態に陥る
リスクはかなり減らせるだろう。

あとは、海や山に行くとき
自転車やバイクその他に乗るとき
まだ慣れていない国に行くときは、
油断するとあっさり命を落とし得るぞ
って冷静に思えていれば大丈夫かな。

そうそう、
大地震が起きた場合には
古い建物の倒壊、火事、津波、
に巻き込まれると即死し得るから

今いる場所にそのリスクがあるか?
を認識できるだけの落ち着きは
どこにいても保っておきたいね。


・・みたいな話に比べたら、

お金の損得なんて1%にも満たない

ぜんぜん大した問題じゃないんだけど、


ちょっと損をしただけでも

命を失いかけるレベルの痛みを

心に感じちゃったりするのが

不合理な人間ってもんなんだよね。



個人の総合的な資産管理を
サポートする仕事を始めてから
まもなく25年目に突入するけど、

お金や資産管理に関しては
細かいことに囚われて大局を見失ったり
小さな得のために大きな機会損失が生じたり
小さな損を避けて精神的な損失が広がったり
といったことが多々あると感じる。


今すぐ○○しないと、あなたは損します!

・・みたいな不安を煽る情報は
いつだって世の中に溢れてるけど、
決して焦らなくていいからね。

そんなフレーズは
軽やかに無視しちまえ。
損したって死にゃあしないから、
今すぐ目を瞑って深呼吸しようぜ。

心を落ち着けることができれば、
損しても構わないのだ。
目先の得など見送って良いのだ。

冷静になることさえできれば、
戦略的に目先の損をしてみたり
計画的にリスクを取ったりもできて、
長期的には得する確率が高い
アクションを積み重ねやすくなるのだ。


というわけで、



あけましておめでとう!


「どうも〜、チャーリー・マンガーですぅ」

「ウォーレン・バフェットですー」

「コンビ結成55年目のバフェット&マンガーです〜。よろしくお願いしま〜す」

「・・っていきなりなんやねん。なんで電飾キラキラの派手な舞台にワシら2人で立たされなアカンのや?」

「それには・・深い理由があるんやで」

「まずはその理由とやらを聞かせてくれや」


「なあウォーレン、あんた最近、ジャパンの5大商社を100億ドルくらい『大人買い』しとったやろ?」

「たしかに試しに三井と三菱と住友と伊藤忠と丸紅に合計1兆円以上の資金をブチ込んだら、あっちゅう間に2兆円を超えてウハウハやわ」

「やっぱそうか。ジャパンの『ソーゴーショーシャ』は何がそんなに凄いんや?」

「日本のソーゴーショーシャは右から来たものを左に受け流すだけのムーディー勝山的な卸売業じゃなくて、世界中の重要なビジネスにドカンと投資した上で自社グループの人的資本も猛烈に投じることで泥臭く成功率と収益率を高める、一朝一夕には真似ができへんファンタスティックな投資会社なんや。その凄さに気づいたからには、このビジネス全体の1割はワシらが長期保有すべきやと思たんや」

「なるほど。しかも今年の春にあんたがニッポンに行った際は5大商社のトップと面会までしてきたんやろ?」

「せやな。全社と面会させてもろたわ。みんな礼儀正しくて慎み深いCEOやったから、気分が良くなって『もっと日本に投資するつもりだ』とか口走ってしもたわ」

「ウォーレン、そこまで本気で日本に投資し始めたんなら、もっと日本の文化を深く理解せなあかんやろ!」

「あー、それで今ワイらはこのキラキラした壇上で日本特有のコメディである『Manzai』をやらされとるいうわけやな!」

「そういうことや。アメリカにも1人でしゃべくる『スタンダップ・コメディ』てのはあるけどな、ニッポンは2人でしゃべくる『マンザイ』いう文化が異常に発達しとるんや」

「せやから、もし来年5月のバークシャー社の株主総会までワシらが2人とも生きてたら・・」

「コンビ結成56年目、93歳と100歳のバフェット&マンガーで世界最高齢のしゃべくり漫才をせなアカンちゅうことか」

「そういうことや。今日はそのお稽古や!」

「じゃあチャーリー、まずはManzaiのベイスィック・ストラクチャーを教えてくれや」

「マンザイの基本構造? 2人のテンポの良い会話で展開していくんやけど、1人がボケたらもう1人が素早くツッコむ流れが基本やな」

「なるほど、だんだんわかって来たで。それじゃチャーリー、最後が『ウォーレン・バフェットか!』のツッコミで終わる漫才っぽい会話をひとつ作って披露してくれ」

「会長はいつもムチャ振りしますな。えーと・・・よっしゃ1つ思いついた!」

「Go Ahead!」


「おじさーん、この350円の商品を2つください。あっ、ハイ1000円」

「あいよー。綺麗なおねいさんいつもありがとねー、ハイおつり300万円」

「八百屋か! ていうか、このご時世にまだバーコード決済も導入してへんのかい!」

「ごめんちゃーい。おっちゃんの頭は禿げ散らかしたバーコード状態やけど、バーコード決済のことは全然ようわからへんの」

「しゃーないなー。でもおっちゃんおもろいからまた来るわ!」

「まいどありー!」

「・・うーむ、この小売業者はDX時代に逆行した顧客との親密な交流を自社ビジネスを守る深い濠として繁盛しとるようやな。よっしゃー、ワシが会社まるごと買ったるわ。ハイ300億ドル」

「ウォーレン・バフェットか!」


「・・それ、なんかワシが悪者の金持ちみたいやな。もっと聞いた人が親しみを覚えるようなヤツを1つお願いしますわ」

「うーむ・・・もう1つ思いついた!」

「Go Ahead!」


「好きな食べものは?」
「チェリーパイ」
「欧米か!」
「好きな飲み物は?」
「チェリーコーク」
「ウォーレン・バフェットか!」


「ジャパニーズコミーディアン、タカ&トシの漫才ネタを研究してそのパロディで来るとはお主もなかなかやりおるな。確かにワシは今でも1日5缶のチェリーコークを飲み続けながら長生きしとるけど、その話はあまりにもマニアック過ぎて日本人は知らんやろ」

「それもそうやな。じゃあ敢えてフツーに会話しよか。ワイが個人投資家になったつもりでウォーレンに質問するから答えてや」

「ええで」


「ではウォーレン、投資の秘訣は?」

「そんなのカンタンやろ。『価値>価格』の差がガッツリ開いた資産、いわゆる安全余裕度が高い資産を見極めて投資するだけや」

「例えば株なら、価格は株価を見りゃ分かるけど、価値はどないして見積もりゃええねん?」

「それはイントリンズィックバリュー、本源的な価値を見積もるんや。具体的には、その会社が株主に将来もたらすキャッシュフロー全てを現実的に想定してから、それら全部の現在価値を合計すりゃええだけや」

「その計算、難しいんとちゃいますか?」

「まあ将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻すのは面倒やけど、エクセルを使えばカンタンや。それよりも、計算の前提となる今後の利益の成長率を大きく見誤ることがないように、様々な会社のビジネスモデルの本質を見極めるほうが遥かに難しいで」


「・・・いまの話、あまりにマニアック過ぎて、フツーの個人投資家は『ちょっと意味わからない』いうとるやろな。2023年末のM1グランプリの最終決戦で連続ファイナリスト『さや香』がやった『見せ算』いう算数レベルのネタでさえ滑っとるんやから」

「そない言われても困るでチャーリー。いったいワシは何を話せばええんやろか?」

「もっと分かりやすい感じの投資の秘訣を話せばええんですわ」

「じゃあ、とっておきのメッチャ単純な投資の秘訣を話そか」

「よし、それ聞かせてくれや」



「まず、ニュースは良く見てるけど少し頭が悪そうな、大衆迎合的で投資経験が少ないお喋りなオジサン・・・仮に『トム』としよう・・・をご近所で見つけるんや」

「そ、そういうトムみたいなオジサン、世界中のあらゆる国と地域に結構いそうやな」

「ほんで毎月必ず、そのトムに『いまは株を買う時期だと思いますか?』ってリスペクトを持って質問するんや」

「リスペクトを持って質問ね。それで?」

「トムが『まだ買う時期じゃない』と偉そうに講釈を垂れてる間はコツコツ買い続けて、それが『いまは買う時期だ』と強気に変わったら買うのを一時停止してコツコツ売り続ける。これを継続的に実践したらきっとメッチャ儲かるで」

「なるほど〜・・・ていうかあんた、そのトムのこと全然リスペクトしてへんやろ!」

「いやいや、極めて貴重な情報を提供してくれる人としてリスペクトしてまっせ」

「でもさっき、トムのこと『少し頭が悪そうな』いうてバカにしてたやろ」

「いやいや、知性と人間性は比例せえへんから。ウチのおかんも多くの人からリスペクトされてたしな」

「でもさっき『大衆迎合的な』とも言うてたな。トムのこと『株価が安いときは不安を煽る悪いニュース多く流して、株価が高いときは浮かれた良いニュースを多く流す』マスコミの情報に愚弄されて、常に投資判断を誤るアホな大衆の代表として見とるやろ!」

「・・やっぱバレてたか」

「今ここで世界中のトムにあやまれ!」

「トムごめん。いや、トムありがとう。いつも愚かな君たちのお陰でワイらは・・」

「もうええわ」