19匹のニャンコの原発性免疫介在性溶血性貧血 | ひーさんの書斎?

19匹のニャンコの原発性免疫介在性溶血性貧血

【Primary immune-mediated hemolytic anemia in 19 cats: diagnosis, therapy, and outcome (1998-2004).】

J Vet Intern Med. 2006 Jan-Feb;20(1):159-66.



免疫介在性溶血性貧血(IMHA)は犬よりも猫の方がその発生頻度は低いです。

クームス試験(CT)結果には疑問がありますが、この試験を詳細に調査した報告はありません。


目的:p(原発性)IMHAの19匹のニャンコを対象にし、直接CT試験を検査


CT試験は92匹のニャンコに実施。

健康(5匹)、病気だけど非貧血(9匹)、異なるタイプの貧血(55匹)の子では陰性。

CT試験は18匹の猫で陽性(うち、2匹がFeLV陽性、1匹は胆肝炎、15匹には基礎疾患なし)。

さらに、5匹の貧血の猫(1匹はリンパ腫、4匹はpIMHA)で生食洗浄後の凝集あり。

pIMHAは他の疾患を除外し、CT(15匹)または凝集(4匹)のあった子。


この19匹の猫は、0.5~9歳(中央値2歳)。雄が多かった。

PCVは6-22%(中央値12%)。11匹が再生不良性貧血。他には13匹で高Bil血症、10匹で高Glb血症、10匹で肝酵素上昇などなど。

初期治療は、10匹で輸血、11匹でクリスタロイド投与、19匹でプレドニゾロン、19匹で抗生物質、11匹でH2ブロッカー。

4匹が9、63、240、2160日で安楽死(死亡率は23.5%)。

他の報告では死亡率は31%。


結論

CTは猫のIMHAでも有用でっす。



ひーさんの感想・考え


IMHAに対する初期治療はこの5つが主。これに加えて、○○や△△を加えるというのも(昔のカレコンに記載)。

なので、本文を読んで他にどのような治療をしていたかを確認しまっす。

やはり、同じ病気でも、施設や先生が違えば、考え方や薬などもの選択やタイミングも違いますね。

ちなみに、猫の方が犬よりも貧血に強いですし、男の子よりも女の子の方が貧血に強いです。


ではでは。