平成7年の阪神大震災後、兵庫県内で貸し付けられた災害援護資金と生活福祉資金(特例枠)のうち、20年度末の時点で計約264億円が回収困難となっていることが18日、県の包括外部監査報告でわかった。県は最大37億円の負担を被る可能性があり、監査人は「県民への適切な情報開示のもと処理を進める必要がある」と指摘している。

 災害援護資金は住宅が全半壊するなどした被災者に最高350万円を貸し付ける制度。原資は国や県、政令市が負担し、貸出窓口となる市町は期限内に回収して国・県に返済する。震災では県内約5万6千世帯に約1308億円が貸し出されたが、2割近い224億円が滞納。時効(10年)が最も早いもので今年9月に迫っていることから、各市町が滞納者を相手取って返還を求める民事訴訟を起こし始めている。

 監査では、滞納のうち約8割が支払い猶予中で、残りも借受人が行方不明だったり、保証人とともに破産中などのため徴収が不可能か困難なものであることをあげて「ほとんどが不良債権化している」と分析。県費分について補助金や交付税措置がなければ、県が約27億円を負担することになる可能性を指摘した。

 また、低所得者に生活資金として10万~150万円を貸す「生活福祉資金」(震災特例)では、延べ5万9千件、計約103億円を貸し付けたが、42%の約44億円が未返済だった。

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