トム・ヤン・クン! | お役に立ちません。

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映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

トム・ヤム・クン! プレミアム・エディション/トニー・ジャー
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トム・ヤン・クン! トニー・ジャー主演

カームは、家族同然に育てていた象の親子を攫われてしまう。
タイマフィアによる犯行と突き止め、密輸出先のシドニーまで追いかける。
象を取り戻すまでの壮絶・リアル・アクション。

「僕の象はどこだ!」
ひたすらこの台詞を叫び、ばったばったと敵を倒す話。
笑っていーやら、悪いやら…
象は大切だよね。家族同然に育ってきたんだもんね。
それを不正輸出して、しかも食材だなんて許せないよね。

それはわかる。
わかるんだが、
「彼女を放せ!」とかでなく、「僕の象だどこだ!」
しかも、1匹つれてる状態でも「僕の象はどこだ!」
あんたの隣にいるよ!と、思わず突っ込んでしまった…

アクションは果てしなくすごいけど、あんま好きじゃないなー。
香港のクンフー映画は、アクション主体でも、あっかるくて笑えるの多いじゃん。
でもこれは、あくまでもシリアス、シリアスな筋立てなんだよねぇ。
アクション主体だから、話はそれほど重要じゃないとはいえ、
シリアスすぎるとなんだか楽しめないんだなぁ。
妙にシリアスすぎて、なんか心地よくアクション楽しめないんだよねぇ。
すごいやなやつとか出てくるしさ。

アクションは、足技主体ですごく綺麗。
重々しくって、どずん、どすん、と確実にダメージ与えてる感じ。
特に回し蹴りはうっとり。
ほとんど舞だよね。
古典芸能の舞と武術は近いって、よくわかるわー。
極めると美しいもん。

好きなシーンは、黒人マッチョと戦うところかな。
カポエラっていうの?よく知らないけど、ブレイクダンスみたいな、円舞と足主体のやつ。
すんごい綺麗なの!
やっぱ、リズム感が違うからかなー。
信じられないほど早くて、円舞を中心とした動きで、しなやかな蹴りなの。
水溜りの上でさ。
綺麗だったなー。
戦いが好きなわけじゃなくて、超人的な動きや、極めた美しいアクションが好きなだけだからさ。

だから逆に、マッチョマンが出てきて、
「へへへ、おまえの攻撃なんて効かないぜ。なぜなら俺は丈夫だから!」
みたいな展開は萎える。
おまえは意味無い!みたいな。

この主人公の格闘技はムエタイっていうの?わかんないけど。
足技って最強だよね…
すんごい、強いじゃん。
マスターのキックは500キロ近く行くらしいよ。
まじに人死んじゃうどころか、熊も倒せそうだよね。

ムエタイv.s.ムエタイの、タイマフィアの若手とのバトルも良かったなぁ。
中蹴り、高いとこへジャンプ蹴り、降りざま、足へ蹴り、
これが、3回の回転連続技なんだよね。
効果的かつ、見た目は殆ど舞踏。
ハッとして一番目に焼きついたシーン。

こういう、肉体アクションの見所は、その体張ったところだと思うんだよ。
基本は1対1だし、フェアでいいよね。
相手だって鍛え上げなきゃいけないわけで。

なのに、ラスト、技より力のマッチョマン複数が、ラスボス一歩手前って。
もう技でもなんでもないじゃん…
しかも、倒す方法は”筋を切る”だよ。
なんだそれ。
達人武術を見たいのに!なんか卑怯じゃん、そりゃ筋切っちゃえば動けないさ。
でも、アクション映画のバトルして間違ってるだろー

で、ラスボスは鞭使いだしさ。
ムエタイじゃなくて、体当たりで倒してるし/。
がっかりだよ。

てわけで、超人的なアクションはすごいけど、最後に行くにつれ、
全然武術出てこない、びみょーな作品でした。

なお、タイトルは中身と激しく関係ありません。
しいて言うなら、ラストバトルの舞台の名前ってくらいだ。
アジアンテイスト出す目的以外はなさそう。