新・少林寺三十六房 | お役に立ちません。

お役に立ちません。

本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

 
新・少林寺三十六房/リュー・チャーフィー
¥3,845
Amazon.co.jp
新・少林寺三十六房 リュー・チャーフィ主役じゃないけど主役級。

フォン・サイヨは、能力はあるがお調子者の向こう見ず。
圧制者に反抗し、家の危機を招いてしまう。
私刑から逃れるため、少林寺三十六房に入門させてもらうが。

少林寺三十六房の正確な続編ていうとこれ。
そして、このシリーズの最終作。
リュー・チャーフィが、サンダ和尚役で登場。
無茶はしませんが、画面を締める頼もしい存在感を示しています。

んだが、この話の主役はフォン・サイヨ(役名。俳優名はシャオ・ホゥらしい)。
にやけた顔のお調子者。
めちゃ強いが、甘やかされていて、まず人の話を聞かず、ゴーイングマイウェイ。
だが気がいいのか、仲間や先輩にも愛される。
まぁ、気がいいというか、自慢屋だけど実際強いし、あっけらかんとして悪意は無いし、
皆を積極的に盛り上げてくれるからだろうね。
トリック・スター的というか、孫悟空というか、
憎めないところがいい。

そして、サイヨのママ。
美女かつ、クンフーの天才。
愛らしい、ピンクのチャイナ服で、がっつんがっつん敵をなぎ倒すのが小気味いい。
強く、美しく、命を賭しても息子やダンナを守る、妻・ママ・女の鑑なんだけど、
そんなことはほっといて、クンフー・マスターな美女はヨシ(笑)
前2作、守られる女しか出てこなかったのに、
今作で初めて、少林寺のクンフーをマスターした女性が出てくるわけです。
見ごたえありますよ。

家族愛、友人愛が、今作の要。
トラブルメイカーの息子を守るママ、兄ちゃんたち。
自信家だけど、憎めない同輩ときゃーきゃー盛り上がる、同門の仲間。
1作目が傑作だったので、それには少し劣るけど、
これはこれでアリ。

このシリーズの見所のひとつ、無茶修行はあまり出てきません。
てか、出てくるけど、
「先輩がた、こんなので苦労してるの?俺はひとりで出来るぜ、そりゃー」
な、展開ばかり。
サイヨ最強すぎ。
でもメンタルこども過ぎ。

主役の魅力がイマイチなのが、一番の問題じゃなかろーか。
サイヨっていう役自体はまあいいとして、役者が、自分自身の魅力を存分に生かしきれなかったか、
それほどのカリスマ性がなかったんだと思う。
主役じゃない、リュー・カーフィ目立ってるしね。
目力。

でも、ラストシーン見ると、あ、面白かったなぁ、と思える。
ラストがいいんだよね。

負傷したサイヨ含め、同門の仲間で、
「やった、やった!勝った!」
と無邪気に跳ね回る。
ほんっとーに跳ね回ってるの。
雨後の蛙か!?ってくらい、跳ね回ってるんですわ、これが。
ちょ、きみら、無邪気すぎ!みたいな。

大立ち回りをしたあげくに、このあほさ。
んで、サンダ和尚がくると、速攻仮病。
この、素晴らしい体格をした、武術家たちが、この無邪気さ。
それが実は、一番の見所だったんではなかろーかと。