魔人探偵ネウロ 14巻 | お役に立ちません。

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魔人探偵脳噛ネウロ 14 (14) (ジャンプコミックス) (ジャンプコミックス)/松井 優征
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いつ絵が上手くなるのか。
絵さえ上手ければ…
そんな淡い期待も最早諦めた、14巻。
ここまで続くとは…

弥子が攫われ、Xiからの謎かけを解き、最終決戦へ。
しかし、そこにはオドロキの結末、展開が…

グロイ。
正直その一言に尽きる巻。
いままで、そういう趣味なのはそこかしこに出ていたけど、
それが前面に、不必要なレベルで描かれて、しんどいです。
「そこまでやらなくていいだろ?」という。ノコギリとか、マンションとか。
”絶対悪”を印象付ける演出なのはわかるけど、それにしてもやりすぎ感を否めない。

そして、ストーリー展開にも失速、ネタ切れを感じる。
原因は”絶対悪”の登場。
HAL編あたりから悪意がテーマになってきて、
というか、犯罪を描いていくうち、”悪意”ってなんだ、って感じてきたんでしょうね。
でも、絶対悪はなぁ…

まず、この漫画は、犯人があくまで”人間”ていう設定がキー。
いかに人間離れしていようと、”人間だから”言い張るその姿勢がなにげに重要でした。
まず、推理モノなのに、探偵が”魔人”という超絶設定からして、
下手うつとすぐ興ざめになりかねない危うい設定です。
それを上手い具合に引っ張ってきたのは演出のうまさと、
あくまで犯人を”人間”として、いかに共感できなかろうと、人間ゆえの悪意、欲望としてきたとこ。
例外の超越者をとにかくネウロひとりに絞っていたから、危ういバランスが保たれていた。

んが、ここへ来て、とうとう”人間じゃない”存在がでて来てしまった。
ネウロの超越性が薄れるわけですヨ。
そしたら、なんか興ざめなわけですよ。

絶対的ヒーローが主役、っていうのはそれだけで結構スッキリすると言うか、楽しみのあるもの。
YAWARAみたいな、絶対勝つ、ていうヒーロー性。
それが崩れてしまいました。

ヒーロー以外の超越者が出たら、パワーバランスが崩れて、なんでもあり感が強調されて
興冷めしちゃうわけです。

んでもって、人間だけど、人間以上のパワーを持つX→人間越えちゃったシックス
と、敵のインフレも起きちゃっているわけで。
(ギャグ(どSキャラや大食い)のインフレっぷりも最近目に付く…)

物語の展開ももっと丁寧に出来たと思うし。

ただし、HAL編といい、意外なラストを用意して綺麗にまとめる能力を持つ作者だから、
終着点にまだ期待はしてます。

正直興味はかなり落ちたけど、一応、この話の結末まではまだ見るつもり。