近鉄橿原線「八木西口(やぎにしぐち)」駅。


近鉄八木駅



 20年ぐらい前までは、車内の路線図や時刻表にも記載されておらず、また「大和八木」駅の南に位置しているのに、何故「西口」なのか……? 等など、とにかく謎の多い駅であった。

 調べてみると、駅名の「西口」とは、旧八木町の西の端に位置していたのが、その命名の理由らしいが、駅の誕生やその後の変遷には、かなり複雑な事情があったようで、私のような素人が説明するには多少の無理があるので敢えて避けるが、とにかく今現在でも「大和八木」駅と同一駅扱いとなっているという、全国的にも他に類を見ない珍しい駅なのだそうだ。

 その珍しい駅に初めて降りたのは、今月3日。近鉄電車の「橿原神宮初詣1dayチケット」を有効利用するため、少し足を延ばして、念願の謎の駅で降りてみたくなったのだ。

 駅の南西には、丁度私の住む富田林寺内町と同じく、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「今井町」という戦国時代からの風情ある古い町並が広がっていて、その辺りを散策してみたかった。しかし、さすがに正月の三が日は、様々ある施設やお店等も開いていないところが多く、今回は町並を眺めながらぐるっと半周ほど歩いただけになったが、また改めてゆっくり訪れてみたいと思っている。


 私にとっての謎の駅からの謎の旅は、今やっと始まったばかりなのである。