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これは、ダー（主人）との昔の話です
【時は2004年 10月】
私が３９歳 ダー２７歳の独身時代の話
（誕生日後なので12歳差）
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思いがけない優しい軽いキス・・。
そんなキスを交わしたあとに、 同じバイト先で顔を合わすのは
何だかとても照れくさかった。
いつもと同じ道を歩いているのに、
店に着くまでの道がやたらまぶしく見えたり、
（今日は同じ船じゃなければいいな・・） な～んて
何だかやたらドキドキしていたりして・・。
その日の夕方、私が店に入ると
既にダーは元気に食器を並べて仕事をしていた。
「あ・・！おはようございま～す！！」
ホント、声はいつもと同じく元気そのもの！
だけど、あまり顔を合わせてくれないし、 ちょっとだけ・・よそよそしい感じがした。
乗船員の予定表を見ると、ダーとは別の船になっていた。
（今日は別の船でよかった）＾＾ ・・と思ったのに、
あれれ！ 急遽予定変更！！
ダーが乗る船ではお客さんの要望により、どうしてもガイドが必要だとの事で、急遽ガイドの出来る私がダーのいる船に移動することになった。 普通に配膳や接客が出来る人はたくさんいるけど、ガイドが出来る人はあまりいないのだ。
食器を下げるとき等、ダーと少しでも手が触れるような場面があると、やたらドキドキしちゃうし、やっぱり意識してしまった・・。 もしかして・・これは恋？？ （もう年下はやめよう。年上のオトナの男性との出会いを探そう）と思っていたけど、やっぱり私は年下君に縁があり、好きになってしまうようだ。今まで以上にダーのことが気になっているのが自分でもよくわかる。
２３時。
お客さまにもとっても喜んでいただき、
片付けを終えて、無事に仕事が終わった。
いつも一緒に帰るメンバーと電車に乗った。
「お疲れさまでした～」
「お疲れ様でした」
「お疲れさま～！」
「またねー」
私が下車する駅に着いたので挨拶を交わしてダーとも別れた。
家に帰って お風呂に入り、 ＴＶを見ながらくつろいでいたら、携帯が鳴った。
出てみると、ダーからだった。
昨夜一緒に居酒屋で飲んだときに 携帯の電話番号を教えていたのだ。
「お疲れさま～。何してたの？」
「お疲れさま♪ちょうどドラマ見てたところよ。あれ？もう着いたの？早いね」
「うん、ちょうど今、家に着いたとこだよ」
ダーの家は私の住む街からは
乗り換えを２回して、 約１時間半かかるところにある。
（あれ？なのに、もう着いたの？）
まだみんなと別れて１時間も経っていない・・
ちょっと不思議に思っていると
ピンポーン・・
インターホンが鳴った。
「あ・・！ちょっと待ってね。今、誰か来たみたい」
覗き窓からそっと覗いてみると・・なんと、それはダーだった。
ドアを開けると
「ごめん。来ちゃった・・」と、ペロッと舌を出して
すごく嬉しそうな顔でそう言った。
「びっくりした・・ どうしたの？」
「昨日、看病してくれたお礼に・・これ」
ダーが渡してくれたのは、
とポテトチップスが入った袋だった。そして・・
「今日も終電がなくなっちゃうから・・ 泊まっていってもいい？」
駅のロッカーに預けていたという
簡単なお泊りグッズが入ったバッグを私に見せた。
ダーはみんなと一緒に電車に乗ってみんなと普通に別れたあと、わざわざＵターンをして私の住む街まで戻ってきたのだった。
「もう・・ 困った人ね」
「（笑）ごめんね。でも、もしイヤだったら帰るけど？とはいっても、もうタクる
しかないけど・・」
「・・もう・・いいよ。入って」
なんという強引な人なのだろう・・
だけど、私の目をまっすぐに見て
とっても嬉しそうに微笑んでいる
ダーのことを拒むことは出来なかった。
私は少しぐらい強引な男性の方が好きなのかもしれない。
あぁ、ダメだ！私は間違いなく心を惹かれている・・。
そんな自分に気付いてしまった。
ダーの荷物を受け取り、部屋に招き入れる・・
（つづく）
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