学校教育法の一部を改正する法律案
【実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関(「専門職大学」等)の制度化について】
施行期日は二年後の四月一日であるのでかなり先。
実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の設立に向けた学校教育法改正案を閣議決定した。2019年度に「専門職大学」や「専門職短期大学」として開設。産業構造の変化に対応しながら新たな価値を創造できる人材の育成が狙い。
実習時間を多く設け、実務家教員を積極的に任用。社会人が学びやすいよう、実務経験を卒業に必要な単位に積み上げられる仕組みも盛り込む。
大学の新しい類型が設けられるのは1964年の短期大学の創設以来となる。
文部科学省によれば、
【観光分野】:適確な接客サービスに加えて、サービスの向上や旅行プランの開発を企画し、実行できる人材
【農業分野】:質の高い農産物の生産に加えて、直売、加工品開発等も手掛け、高付加価値化、販路拡大等を先導できる人材
【情報分野】:プログラマーやデザイナーとしての実践力に加えて、他の職業分野と連携し、新たな企画構想を商品化できる人材
などを育成したいとのこと。
【法案の概要】
大学制度の中に位置付けられ、専門職業人の養成を目的とする新たな高等教育機関として、「専門職大学」及び「専門職短期大学」の制度を設ける。
1 目的等
①機関の目的
・ 深く専門の学芸を教授研究し、専門職を担うための実践的かつ応用的な能力を育成・ 展開することを目的とする。
*実習等の強化(卒業単位の概ね3~4割以上。長期の企業内実習等)
*実務家教員の積極的任用(必要専任教員数の概ね4割以上)
②学位の授与 ・ 課程修了者には、文部科学大臣が定める学位を授与する。
*「学士(専門職)」又は「短期大学士(専門職)」を授与
2 社会のニーズへの即応
①産業界等との連携
・ 専門職大学等は、文部科学大臣の定めるところにより、専門性が求められる職業に関連する事業を行う者等の協力を得て、教育課程を編成・実施し、及び教員の資質向上を図る。
→ *産業界等と連携した教育課程の開発・編成・実施のための体制整備
②認証評価における分野別評価等
・ 専門職大学等の認証評価においては、専門分野の特性に応じた評価を受ける。
→ *産業界等と連携した認証評価の体制整備 *評価に基づく厳格な公的資金の配分
3 社会人が学びやすい仕組み
①前期・後期の課程区分
・ 専門職大学(4年制)の課程は、前期(2年又は3年)及び後期(2年又は1年)に区分できる。
②修業年限の通算
・ 実務の経験を有する者が入学する場合には、文部科学大臣の定めにより、当該実務経験を通じた能力の修得を勘案して、一定期間を修業年限に通算できる。
→ * このほか、科目履修、長期履修等の柔軟な履修形態により、社会人が学びやすい環境を整備 (短期の学修成果の積み上げによる学位取得等を促進)
【施行期日】
平成31年4月1日
【法案の要綱】
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/03/10/1383174_02_1.pdf