本院は、内閣委員長秋元司君を解任する。
右決議する。
理 由
内閣委員長秋元司君は、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるIR法案(カジノ法案)の審議を強行し、わずか五時間三十三分で質疑を打ち切って強行採決を行うという、強権的な委員会運営を行った。IR法案については、ギャンブル依存症や治安の悪化など、重大な問題が指摘されており、大多数の国民が反対している。国民のこうした懸念を無視し、拙速にIR法案の成立を図ることは、国民の負託を受けた国会が自らその役割を放棄することに等しい。
よって、ここに秋元司君の内閣委員長解任を強く求める。
以上が本決議案を提出する理由である。
この解任決議案は会期末となった12月14日に民進党の緒方林太郎議員らによって提出されました。
IR法案(カジノ法案)は、議員立法によって提出されたものであり、自民党総裁であるとはいえ、内閣総理大臣にその提出責任はありません。よって法案の内容については提出者に責任を求めるものであり、その審議においては内閣委員会による一方的な議事進行に問題ありと考えます。
この法案の審議にあたっては、法務大臣、国土交通大臣、国家公安委員長、内閣官房長官の出席をさせるとの約束がなされていましたが、それは反故にされています。また、地方での公聴会もなく法案を成立させました。これは内閣委員長に対して訴追することについて当然であると考え、賛成します。
会期は三日間延長されたものの、この内閣委員長解任決議案については審議・採決にいたらず閉会しています。
しかしながら、衆議院内閣委員長の解任決議案を提出するのであれば、参議院内閣委員長の解任決議案も参議院で出すべきではないでしょうか。議事運営が与党の一方的だという民進党の言い分ですが、参議院内閣委員長は民進党参議院議員です。
参議院で止める努力もしないでなぜ衆議院の内閣委員長の解任決議を提出しているのか、その矛盾には気付いていない模様です。