192-参17 地方公営企業民営化要件緩和法案 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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地方自治法の一部を改正する法律案

 

地方公営企業を民営化しやすくする法案でありますが、地方自治法と市町村合併特例法の改正だけであり、地方公営企業法を改正しなくても大丈夫なのかが疑問です。

 

まず、地方公営企業とは、地方公共団体が経営する以下の事業です。

 

一  水道事業(簡易水道事業を除く。)

二  工業用水道事業

三  軌道事業

四  自動車運送事業

五  鉄道事業

六  電気事業

七  ガス事業

 

これらを民営化する場合、その自治体議会の三分の二以上の賛成多数が必要ですが、それを過半数に改正するものです。

 

この趣旨に賛同しますが、その議決にあたっては、住民投票によってなすのが最適であると考えます。

 

そして、この改正案では不備があると考えます。この条文にすると、民営化した場合を除いたものについては、三分の二以上の議決によるとされていますが、民営化する場合は議会の過半数を必要とすると明確にしたほうが良いと考えます。

 

さらにくわえて、この法律が制定されると外国資本に自治体が乗っ取られる可能性が高まるということです。それはネトウヨが嫌う中国にも乗っ取られることもあるし、アベノセイダーズが嫌うアメリカにも乗っ取られる可能性があります。ましてTPP発効後は容易に自治体を徐々にではありますが、他国の意思に基づいて運営することも可能です。

 

したがって、外国資本について規制する必要があろうかと思いますが、これはTPP協定違反となるでしょう。すでに愛媛県では松山市に外国企業が水道事業を行っております。TPPによって数年かけて日本の独立権というのは失われていくでしょう。

 

しかしそれでも国民は関心を持たず、政治家のほとんどはこれに気付かないため、これは着実に進行していくものと思われます。

 

以下、地方自治法を改正する部分について。

 

【現行】

第二百四十四条の二  

2  普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。

【改正案】

第二百四十四条の二  

2  普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止しようとするとき(当該公の施設であった施設が当該普通地方公共団体の行う企業の民営化等により当該普通地方公共団体以外の者によって引き続き住民の利用に供されることとなるものと議会において認めるときを除く。)、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。

 

もう一つの改正は、「市町村の合併の特例に関する法律」第48条の改正であり、合併特例区の公の施設に関する規定です。ここには「住民」という文言を「その区域内に住所を有する者」と改める案となっています。

 

私は郡山市に引っ越し来てから、学校給食の問題についてよく文句を言ってきました。東京区部の学校や千葉県東金市の学校では給食はもうすでに民間に委託されており、民間の経済常識が通用しています。すなわち食べた分だけ払うという当たり前のことです。

 

自分が子供の時は東京でも確かに学校給食は給食のおぱちゃんによる公務員によって成り立っており、彼女らは年間通じて休みが多く、しかも勤務時間も他の教職員と比べてはるかに短いにも関わらず年収が600~1000万円以上あり、また共産党の労働組合にも守られたりしてその規制を壊せませんでしたが、私が20代の時に東京では各区議会で民間委託への改革が起こり、それが首都圏の各地方へも波及していきました。

 

しかし、郡山市はそういうかつての東京区部の自治体の制度がいまだにあり、夏休みには給食を提供していないのにその分、つまり夏休みの日数分の請求も来ます。

さらに加えて東京にいたときよりもかなり多くの日数に給食なし弁当ありの日が多く指定されます。それでもその日の給食費をとるという形式をとっています。

 

そこで東京のような改革を訴えるべきかと思っていましたが、TPPによってこれは変わります。まずこの協定では市町村など自治体が公共事業を入札させようとする場合、全て英語で書かねばならないこととなっています。郡山市役所ならばまだ大卒インテリの英語ができる人がいるかもしれませんが、これは大玉村だろうと、東京都の青ヶ島村だろうとも適用されます。まず公共事業をすべて英訳しなければならない人材に不足するのと同時に、アメリカ企業にも入札資格があるということです。

 

TPP域内の労働者はビザなしで移動できるようになります。現在は投資目的でないとできませんが、最終的には移動できるようにするとのでありこの協定は発効後に次々に変更されていく予定となっています。海産物でいえば日本の排他的経済水域は加盟各国すべて自由に漁獲が可能です。

 

これはなにを意味しているかというと、これまではその自治体内に存在する企業・工場・事業者などが入札に優先されたきたものを一切排除し、遠くの外国であろうと、安ければ落札できます。そしてその安さというのは、これまでの国内の価値基準の安さと違いますから途上国の労働者を使うグローバル企業などは簡単に安価な労働力で提供できるため、簡単に地元企業の仕事を奪えます。したがって地元の零細企業は次々に倒産していくでしょう。

 

そしてまた、いったん民営化した事業は公営に戻せないというラチェット条項というものがTPP協定には含まれています。これについて何人の人が知っていましようか。

 

こうしたTPPについて、商工会議所などはいったい本当にちゃんと認識しているのかということです。商工会議所は自民党に全国比例区候補者をいつも擁立しており今回も当選しています。彼ら業界団体は、このような状況が差し迫っているにも関わらず、本年の参議院選挙では、TPPを推進する自民党を支援してきたわけです。

 

そして自民党はこの参議院選挙で、民進党があまりにもバカすぎて消極的な勝利を得ていることを自覚しながらも、「TPPは国民によって承認された」と勝手な認識を持っているのです。また維新の会においてはこのTPPを承認することが日本の開国であり改革であり、豊かになるとさえ思っています。

 

この国を救う政党は今のところ国会には全くありません。今後は、これらの政党に期待することなく、新たな道が開かれるでしょう。