192-条01 パリ協定 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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悪さしながら男なら 粋で優しい馬鹿でいろ

地球温暖化対策を進める国際的な枠組み「パリ協定」が発効する予定になっている中、政府は、協定の締結の承認を求める議案を11日、国会に提出しました。

 

衆議院でのTPP協定も早期に承認させたいことから、パリ協定については参議院で先議にするとのことです。

 

協定には、10日までにアメリカや中国、インドなど主な排出国を含む75か国が締結しており、来月4日に発効する予定。

 

日本の国会での手続きは主な排出国に比べて遅れていることから、来月7日からモロッコのマラケシュで始まる国連の会議、COP22に合わせて開かれるパリ協定の第1回締約国会合に、日本が締約国として参加するのは難しいとのことで、政府は承認を急いでいる模様です。

 

民進党の大串政務調査会長は記者会見で、「私たちは、地球温暖化対策は、しっかり進めていくべきだというスタンスで臨んでいたので、政府の動きは、むしろ遅いくらいだ。各国の動きを読み違えたのは明らかで、いかに安倍政権が地球温暖化対策に対して不熱心なのかということの証左だ。協力する部分は協力していきたいが、政府のスタンスは厳しく問うていきたい」と述べました。

 

共産党の小池書記局長は記者会見で、「安倍政権が、あまりに後ろ向きであるという姿勢がはっきり表れたもので、はっきり言って大失態だ。慌てて、国会の責任であるかと言わんばかりに『すぐに審議しろ』というのは、身勝手すぎる。世界第5位の温室効果ガス排出国でありながら、この問題に責任を果たしてこなかった安倍政権の責任を明確にする必要があり、日本の役割と責任を徹底的に国会で議論することが求められている」と述べました。

 

ところで、審議を急げと言っている政府与党について国会運営において、おかしなことがあります。

 

バリ協定については丸川珠代環境大臣時代のものであり、すぐに国会に出すことは可能でした。

 

また、今回の補正予算案の審議についても、衆議院で審議しているときには参議院は休み、参議院で審議しているときには衆議院で休む。そしてさらに、地方の議会では、五つの常任委員会が同時に審議することなどは常にありますが、国会の場合では、一度に審議することがあまりありません。

 

宇宙2法案について内閣委員会で、熊本地震・東日本大震災のための法改正と地方消費税引き上げ延期に伴う審議を総務委員会で、石油天然ガス機構改正について国土交通委員会で、消費税引き上げ延期を財務金融委員会で、などいくらでも可能なはずです。

 

そしてこの条約についても参議院外務委員会で行うとともに、TPPを急ぐならわざわざ特別委員会を設置しているのだから、同時に外務委員会でパリ協定審議を行い、外務大臣・副大臣、あるいはTPP担当大臣と環境大臣に分かれて答弁すればよいのではないでしょうか。

 

なんのために国会議員があれだけいるのか、なのためにわざわざ二院制を敷いているのか、全く意味がありません。

 

パリ協定自体は、発効要件(どのような条件を満たせば、国際条約として効力を持つようになるか)(21条。55か国及び世界の排出量の55%を超える国の批准)の規定もありますので、国際条約で、法的拘束力があります。しかし、京都議定書とは異なり、各国の排出削減目標には法的拘束力はありません。

 

パリ協定の概要(仮訳)

 

【協定の目的等】(第 2 条及び第 3 条)

主に以下の内容を規定。

 

・この協定は、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること、適応能力を向上させること、資金の流れを低排出で気候に強靱な発展に向けた道筋に適合させること等によって、気候変動の脅威への世界的な対応を強化することを目的とする。

 

・この協定は、衡平及び各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力の原則を反映するよう実施する。

 

・締約国は、気候変動への世界的な対応への「自国が決定する貢献」(以下「貢献」という。)に関し、この協定の目的達成のため、関連条文に定める野心的な取組を実施し、提出する。締約国の取組は、この協定を実効的に実施するために開発途上締約国を支援する必要性を認識しつつ、長期的に前進を示す。

 

 

【緩和(排出削減のための取組)】(第 4 条)

主に以下の内容を規定。

・締約国は、目的に掲げる長期目標を達成するよう、開発途上締約国の排出量が最大(量)に達する時期がより長期化することを認識しつつ、世界の温室効果ガスの排出量が最大(量)に達する時期をできる限り早くするものとし、衡平に基づき、持続可能な開発と貧困を撲滅する努力との関連において、今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成するために、最新の科学に従って早期の削減を行うことを目的とする。

 

・各締約国は、累次の「貢献」(削減目標・行動)を作成、提出、維持する。また、「貢献」の目的を達成するための国内措置をとる。

 

・累次の「貢献」は、各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力を反映し、従前の「貢献」を超えた前進を示し、及び可能な限り最も高い野心を反映する。

 

・先進締約国は、全経済にわたる排出の絶対量の削減目標をとることによって、引き続き先頭に立つべき。開発途上締約国は、緩和努力を高めることを継続すべきであり、各国の異なる事情に照らしつつ、全経済にわたる排出の削減又は抑制目標に移行することを奨励される。

 

・締約国は、「貢献」を提出する際に、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)決定等に従って明確性、透明性、理解に必要な情報を提供する。

 

・各締約国は、COP21決定等に従って、「貢献」を5年ごとに提出する。

(注:なお、COP21 決定において、2025 年目標の国は 2020 年までに、その後は 5 年毎に新たな「貢献」を提出し、2030 年目標の国は 2020 年までに、その後は 5 年毎にその「貢献」を提出又は更新することを要請。)

 

・パリ協定締約国会議(以下「締約国会議」という。)は、第一回会合において、「貢献」の共通の期間を検討する。

 

・締約国が提出した「貢献」は、公的な登録簿に記録される。

 

・締約国は、「貢献」(による排出・吸収量)を計算する。また、計算においては、環境の保全、透明性、正確性、完全性、比較可能性及び整合性を促進し、並びに二重計上の回避を確保する。

 

・締約国は、各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有しているが差異のある責任及び各国の能力を考慮し、第 2 条(協定の目的)に留意し、長期の温室効果ガス低排出発展戦略を作成、提出するよう努めるべき。

 

 

【吸収源(森林等)】(第 5 条)

主に以下の内容を規定。

 

・締約国は、温室効果ガスの吸収源及び貯蔵庫の保全及び適当な場合には強化のための措置をとるべき。

 

・締約国は、開発途上締約国における森林減少及び森林劣化等による排出量を減少させる取組のため、気候変動枠組条約(以下「条約」という。)に基づく関連する指針及び決定に規定する既存の枠組みを実施及び支援するための措置をとることが奨励される。

 

 

【市場メカニズム等】(第 6 条)

主に以下の内容を規定。

・締約国は、国際的に移転される緩和の成果を活用する場合には、持続可能な開発を促進し、環境の保全と透明性を確保する。また、締約国会議が採択する指針に従い、強固な計算(特に二重計上の回避)を適用する。

 

・国際的に移転される緩和の成果の活用は、自主的かつ参加締約国の承認による。

 

・緩和への貢献及び持続可能な開発に対する支援のメカニズムを設立する。

 

・当該メカニズムからの排出削減量は、他の締約国が「貢献」の達成を証明するために活用した場合には、受入国の「貢献」の達成の証明に活用してはならない。

 

・持続可能な開発のための非市場の取組の枠組みを規定する。

 

 

【適応(気候変動の悪影響への対処)】(第 7 条)

主に以下の内容を規定。

・締約国は、気候変動に対し、適応能力を拡充し、強靱性を強化し、脆弱性を減少させる世界全体の目標を設定する。

 

・締約国は、より高い水準の緩和が追加的な適応努力の必要性を減少し得ること、及び追加的な適応の必要性は追加的な適応費用を伴い得ることを認識する。

 

・締約国は、適応努力に関する支援及び国際協力の重要性並びに開発途上国(特に気候変動の悪影響を著しく受けやすい開発途上国)の必要性を考慮する重要性を認識する。

 

・締約国は、情報共有、制度的な措置の強化、科学上の知識の強化を含む、適応に関する行動を推進する協力を強化すべき。

 

・各締約国は、適当な場合には、適応計画立案過程及び行動の実施(関連計画、政策又は貢献の立案若しくは強化を含む。)に取り組む。

 

・各締約国は、開発締約国に追加的な負担を生じさせることなく、適当な場合には、優先事項、実施及び支援の必要性、計画及び行動を含み得る適応報告書を提出し、定期的に更新する。

 

・本条の実施のための継続的で強化された支援が開発途上締約国に提供される。

 

・世界全体の実施状況の確認(グローバルストックテイク)においては、特に、開発途上締約国の適応努力の認識、適応報告書を考慮した適応行動の実施の強化、適応と適応のための支援の妥当性と効果の検討、適応の世界全体の目標の達成にあたっての全体的な進捗の検討を行う。

 

 

【損失と損害(ロス・アンド・ダメージ)】(第 8 条)

以下の内容を規定。

・締約国は、気候変動の悪影響(極端な気象現象と緩やかに進行する現象を含む。)に関連した損失及び損害を回避、最小限化、対処することの重要性を認識する。

 

・締約国は、適当な場合には、協力的かつ促進的に理解、行動、支援(ワルシャワ国際メカニズムを通じたものを含む。)を強化すべき。

 

・理解、行動、支援を強化するための協力及び促進の分野は、早期警戒体制、緊急事態のための準備、緩やかに進行する現象、回復不可能で恒常的な損失と損害を含み得る現象、包括的な危険の評価及び管理、リスク保険、経済外の損失、並びに地域社会、生計及び生態系の強靱性を含み得る。

 

・ワルシャワ国際メカニズムは、協定内外の既存の組織や専門家グループと協力する。

 

 

【資金(気候変動対策のための資金)】(第 9 条)

主に以下の内容を規定。

・先進締約国は、条約に基づく既存の義務の継続として、緩和と適応に関連して、開発途上締約国を支援する資金を提供する。

 

・他の締約国は、自主的な資金の提供又はその支援の継続を奨励される。

 

・世界的な努力の一環として、先進締約国は、公的資金の重要な役割に留意しつつ、広範な資金源、手段、経路からの、国の戦略の支援を含めた様々な活動を通じ、開発途上締約国の必要性及び優先事項を考慮した、気候資金の動員を引き続き率先すべき。気候資金の動員は、従前の努力を超えた前進を示すべき。

(注:なお、COP21 決定において、2025 年に先立って、1000 億ドルを下限として、新たな定量的な全体の目標を設定することを決定。)

 

・先進締約国は、適当な場合には、開発途上締約国に提供される公的資金の予想水準を含め、

定量的に及び定性的に示す情報を2年ごとに提出する。資金を提供する締約国は、自主的に当該情報を2年ごとに提出することが奨励される。

 

 

【技術開発及び移転】(第 10 条)

主に以下の内容を規定。

・締約国は、技術開発及び移転を完全に実現することの重要性に関する長期的視点を共有する。

 

・技術開発と移転に関する強化された行動を促進する、技術メカニズムの業務のための指針を与える技術的枠組みを設ける。

 

・技術革新を促進することは、気候変動への長期的な世界全体の効果的な対応及び経済成長、持続可能な開発の促進のために不可欠である。

 

・技術開発及び移転の協調行動の強化等のための支援が開発途上締約国に提供される。

 

 

【能力開発等】(第 11 条及び第 12 条)

主に以下の内容を規定。

・能力開発は、効果的な気候変動のための行動をとるために、開発途上締約国の能力を強化すべき。

 

・能力開発は、各国の必要性に基づき、またその必要性に対応し、国が主体に行うものであるべき。能力開発は、得られた教訓(条約に基づく能力開発の活動からの教訓を含む。)を指針とすべき。

 

・締約国は、開発途上締約国の能力の強化に協力すべき。先進締約国は、開発途上締約国の能力開発の取組の支援を拡充すべき。

 

・開発途上締約国の能力を高める取組を行う締約国は、その取組を定期的に提出する。開発途上締約国は能力開発の取組の進捗を定期的に提出すべき。

 

・能力開発の活動は適当な制度的措置を通じて高められる。

 

・締約国は、適当な場合には、気候変動に係る教育、訓練、啓発、公衆の参加及び情報へのアクセスのための措置をとることにつき協力する。

 

 

【行動と支援の透明性】(第 13 条)

主に以下の内容を規定。

・相互の信頼を構築し実効的な実施を促進するため、締約国の異なる能力を考慮し全体の経験に基づく柔軟性が組み込まれた、行動及び支援の強化された透明性の枠組みを設ける。

・能力に照らし柔軟性を必要とする開発途上締約国には、透明性の枠組みの柔軟な運用を認める。

・各締約国は、排出・吸収目録、緩和に関する「貢献」の実施及び達成に向けた前進を捕捉するために必要な情報を定期的に提供する。

 

・各締約国は、適当な場合には、気候変動の影響及び適応に関する情報を提供すべき。

 

・先進締約国は、開発途上締約国に提供された資金、技術移転及び能力開発の支援に関する情報を提供する。また、支援を提供する他の締約国は、当該情報を提供すべき。

 

・開発途上締約国は、必要とされた及び受領した資金、技術移転及び能力開発の支援に関する情報を提供すべき。

・提出された情報は、専門家による検討(レビュー)を受ける。開発途上締約国であってその能力に照らして支援が必要な国においては、専門家による検討には、能力開発の必要性の特定の支援が含まれる。各締約国は、第 9 条(資金)に基づく努力に関する進捗及び「貢献」の実施と達成にについて、促進的かつ多国間の検討に参加する。

 

・締約国会議は、条約に基づく透明性の措置の経験に基づき、本条の規定をさらに定め、共通の方法、手続及び指針を第一回会合で採択する。

 

・本条の実施のための支援、透明性に関連する能力開発のための支援が開発途上締約国に提

供される。

 

 

【世界全体の実施状況の確認(グローバルストックテイク)】(第 14 条)

主に以下の内容を規定。

・締約国会議において、この協定の目的及び長期目標の達成に向けた全体的な進捗を評価するため、協定の実施を定期的に確認する。これは衡平と最新の科学に照らし、包括的かつ促進的な方法により、緩和、適応、実施手段及び支援について検討する。

 

・締約国会議は、締約国会議が別段の決定を行う場合を除くほか、最初の世界全体の実施状況の確認を 2023 年に、その後は5年ごとに、これを行う。

 

・世界全体の実施状況の確認の結果は、締約国が、この協定の関連する規定に従って自国が決定する方法により、行動及び支援を更新し、拡充する際の情報となる。

 

 

【実施及び遵守の促進】(第 15 条)

主に以下の内容を規定。

・この協定の規定の実施及び遵守促進のためのメカニズムを設ける。このメカニズムは、透明で、対決的でない、懲罰的でない、促進的な機能を有する専門家による委員会により構成される。同委員会は各締約国の能力及び事情に特別の注意を払う。

 

 

【発効】(第 21 条)

主に以下の内容を規定。

・この協定は、世界総排出量の 55%以上の排出量を占める 55 カ国以上の締約国がこの協定を締結した日の後 30 日目の日に効力を生じる。

 

 

以下はパリ協定を急ぐべしという記事。

 

地球温暖化対策には、そもそも根強い懐疑論があるが、それにかかずらっていては対策が間に合わなくなる。今回、国際社会は、強い対策をすぐに始める必要があると判断して地球温暖化の防止策に合意したのだ。

つまり、「パリ協定」は世界のすべての国・地域が疑問を抱えながらも行動を始めなければならないという考えの下に同志として参加する国際政治運動なのだ。この認識を正しく持たない国は運動に参加しないだけでなく、国際社会から外れていくだろう。

http://toyokeizai.net/articles/-/97370

 

って、もし二酸化炭素が地球上から減っていたとしたらどうするの。