社会保障と税の一体改革関係改正法の改正案 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案

(第192臨時国会 提出予定法案)

 

8月24日の閣議決定で、「世界経済の不透明感が増す中、新たな危機に陥ることを回避するため」として消費税増税の延期が発表されました。これに伴う法改正案が来週の臨時国会に提出されます。

 

まず消費税については、

○ 消費税率(国・地方)の10%への引上げ時期の変更等

消費税率の10%への引上げの施行日を平成31年10月1日に変更。

請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日を平成31年4月1日に変更。

 

住宅等の建物については工事が長期にわたります。消費税法上、請負工事によって工事を完了させ、その譲渡の時期は、原則として相手方に引き渡した日もしくは役務の全部を完了した日とされています。引渡し日が施行日以降になった場合には新税率が適用されます。したがって、半年前までに請負工事を頼めば税率は軽くて済むので、みなそうしています。

 

○ 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置

・消費税の軽減税率制度の導入時期を平成31年10月1日に変更。

・税額計算の特例の適用期間の変更。

- 売上税額の計算の特例(中小事業者向け)の適用期間を平成31年10月1日から平成35年9月30日までに変更。

- 仕入税額の計算の特例(中小事業者向け)の適用期間を平成31年10月1日から平成32年9月30日までに変更。

- 中小事業者以外の事業者に対する売上税額又は仕入税額の計算の特例については、措置しない。

・適格請求書等保存方式の導入時期を平成35年10月1日に変更。

・消費税の軽減税率制度の導入に当たり安定的な恒久財源を確保するため歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずる時期を、平成30年度末までに変更。

・消費税転嫁対策特別措置法の適用期限を平成33年3月31日まで延長。

 

軽減税率については大いに議論されました。軽減税率のものは8%に据え置き、対象品目は、酒類・外食を除く飲食料品、週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)となっておりますが、その飲食料品においてもさまざまな議論があり、選別が難しくあります。おもちゃ付きのお菓子はどうだとか、テイクアウトと言いながらそこで食べたらどうなるんだとか、どうでもいい議論になっていました。

 

一応、ここで列挙しておきます。

●軽減税率(「外食」に当たらない)

牛丼屋・ハンバーガー店のテイクアウト

そば屋の出前

ピザ屋の宅配

屋台での軽食(テーブル、椅子等の飲食設備がない場合)

寿司屋の「お土産」

コンビニの弁当・惣菜(イートイン・コーナーのある場合であっても、持帰りのため の容器に入れられるなど持帰りとして販売される場合は 「軽減税率」を適用)

(注)店内飲食の場合にも、持ち帰りのための容器や袋に入れるような 場合には、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認する などして、軽減税率の適用対象となるかを判定。

有料老人ホームでの飲食料品の提供や学校給食等

 

●標準税率(「外食」に当たる)

1.外食

牛丼屋・ハンバーガー店での「店内飲食」

そば屋の「店内飲食」

ピザ屋の「店内飲食」

フードコートでの飲食

寿司屋での「店内飲食」

コンビニのイートインコーナーでの飲食を前提に提供される飲食料品

(例: トレイに載せて座席まで運ばれる、返却の必要がある 食器に盛られた食品 : 顧客への意思確認により、イートインコーナーで飲食させるものとして提供された食品)

2.ケータリング・出張料理等

 

この軽減税率についても延期する法案ですが、二年後の実施までになんとかこれを導入させず、給付付き税額控除にしようというのが民進党の狙いです。給付付き税額控除は、マイナンバーによる所得捕捉を前提として、必要な人に必要なだけの額の所得補償を行なうものです。

 

●売上税額の計算特例とは、売上げを税率ごとに区分することが困難な事業者は、次の方法により軽減税率の対象売上げ及び売上税額を計算することができるものです。

 

① 仕入れを税率ごとに管理できる卸売業・小売業を営む事業者

卸売業・小売業に係る売上げに小売等軽減仕入割合※を乗じた金額を軽減税率対象品目の売上げとし、売上税額を計算。

※小売等軽減仕入割合=

卸売業・小売業に係る軽減税率対象品目の仕入額 ÷ 卸売業・小売業に係る仕入総額

 

② ①以外の事業者

売上げに軽減売上割合※を乗じた金額を軽減税率対象品目の売上げとし、売上税額を計算

※軽減売上割合=

通常の連続する10営業日の軽減税率対象品目の売上額 ÷ 通常の連続する10営業日の売上総額

 

③ ①・②の計算が困難な事業者(主に軽減税率対象品目を販売する事業者が対象)

①・②の計算において使用する割合に代えて 50%を使用して、売上税額を計算

 

以上の内容についても二年延期。

 

●仕入れ額の計算特例も、中小事業者以外の事業者に対する売上税額又は仕入税額の計算の特例も計げ税率導入によるややこしさから生まれた産物です。こうしたものは事業者の仕事を増やすだけなので反対します。

 

●適格請求書等保存方式の導入というのは、インボイス方式のことです。平成33年からインボイス方式を導入する予定でしたが、増税が延期されたのでその二年後である平成35年の導入に変更するものです。 「インボイス」は、

▽事業者の登録番号

▽品目ごとに適用される税率

▽税率別の消費税額の合計

などを記載することとし、事業者に発行を義務づけ、不正な発行には罰則を適用するとしています。目的は、事業者が納税する税額を正確に把握することです。軽減税率で一部の品目の税率を低くしたとしても、インボイスがあれば、税務当局は、各事業者が納税すべき消費税の額を正確に把握し、徴収することが可能になります。

 

●「消費税の軽減税率制度の導入に当たり安定的な恒久財源を確保するため歳入及び歳出における法制上の措置等」というのは、軽減税率の導入によって当初の目的である増税・増収が達成されないので、それまでに財政を豊かにしておきましょうという本末転倒の措置です。

 

●消費税転嫁対策特別措置法とは、「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」であり、次のようなものが禁止されています。

① 減額

本体価格に消費税分を上乗せした額を対価とする旨契約していたが,消費税分の全部又は一部を事後的に対価から減じること

② 買いたたき

原材料費の低減等の状況変化がない中で,消費税率引上げ前の税込価格に消費税率引上げ分を上乗せした額よりも低い対価を定めること

③ 商品購入,役務利用又は利益提供の要請

消費税率引上げ分を上乗せすることを受け入れる代わりに,取引先にディナーショーのチケットを購入させること

④ 本体価格での交渉の拒否 本体価格(消費税抜価格)で交渉したいという申出を拒否すること

⑤ 報復行為

転嫁拒否をされた事業者が,①~④の行為が行われていることを公正取引委員会などに知らせたことを理由に,取引の数量を減らしたり,取引を停止したりするなど,不利益な取扱いをすること

 

消費税転嫁対策特別措置法 概要

http://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/index.files/tate.pdf

 

この法律についても、適用期限を平成33年3月31日まで延長する案です。

 

○ 車体課税の見直しの実施時期の変更

自動車取得税の廃止時期を平成31年10月1日に変更。

環境性能割の導入時期を平成31年10月1日に変更。

 

消費増税延期に伴い、上記の税制改正も延期されます。自動車取得税は廃止され、環境性能の良い車についての税制優遇がなされる予定です。

新税「環境性能割」は、燃費性能の良い車は税負担が軽くなり、燃費性能の悪い車は税負担が重くなるという性質を持つ税金です。現行の自動車取得税(普通車:3%、軽自動車:2%)も、エコカー減税によって燃費性能の良い車ほど優遇されているので全体的には似たような制度です。いずれにせよ、全体では減税になっていても、軽自動車税は増税となっています。アメリカにとってみれば軽自動車の軽くて性能が良く燃費がいいのは邪魔な存在であるので軽自動車はこれから少なくなっていくということも考えられます。

 

○ 住宅取得等に係る措置の適用期限の延長

住宅ローン減税等の適用期限を平成33年12月31日まで延長

住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

 

住宅ローンの残高に応じて最大年50万円分の所得税が減税されるこの「住宅ローン減税」は現在、期限が31年6月までとなっていますが、再増税以降まで延長される改正案です。

 

○ 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長等

住宅の取得対価等に含まれる消費税の税率が10%である場合の非課税枠の適用開始時期を平成31年4月1日に変更。

上記以外の非課税枠の適用期限を平成33年12月31日まで延長。

※ あわせて、双方の非課税枠を段階的に縮小させる時期も変更。

 

平成 27 年1月1日から平成 31 年6月 30 日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、減税されます。これも平成31年4月1日に変更する改正案です。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/pdf/jutaku27-310630.pdf

 

地方法人課税

○ 地方法人課税の偏在是正措置の実施時期の変更

法人住民税(都道府県民税・市町村民税)法人税割の税率7.0%(現行:12.9%)への引下げ実施時期を平成31年10月1日以後に開始する事業年度からに変更。

地方法人税の税率10.3%(現行:4.4%)への引上げ実施時期を平成31年10月1日以後に開始する事業年度からに変更。

地方法人特別税の廃止及び法人事業税の復元の時期を平成31年10月1日以後に開始する事業年度からに変更。

地方法人特別譲与税は、平成33年2月譲与分をもって廃止。

 

●地方税の都道府県別の人口1人当たり税収額の偏在(最大/最小)は、地方税合計で2.5倍、地方法人二税で6.3倍となっています。

 

このため、与党税制改正大綱では、消費税率10%段階における偏在是正として、「地方法人特別税・譲与税を廃止するとともに現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずる」として、

 

、「地方法人特別税・譲与税を廃止するとともに現行制度の意義や効果を踏まえて他の偏在是正措置を講ずる」とされているための改正案です。

 

以上の法改正案につき、消費税の廃止、全国的な地価税5%の導入を求めます。

 

 ※法律案については後日掲載予定

(関係資料)