吉祥寺第一ホテルの思い出 | 平曲研究所のブログ

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平家琵琶(平曲)に関するブログです。
2014年以前の記事は、ぷららブローチのブログに加筆修正したものです。

#KDH大作戦
#吉祥寺第一ホテル

今月末で閉館の吉祥寺第一ホテルで、
先日、鉄板焼きランチの食べ納めをしてまいりました。
ポンヌフ時代からお世話になりました。ご馳走さまでした。



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34年余り前、都心にあるような高級ホテルが吉祥寺にできた。1階には宝石店、ローラアシュレイ、シグナ(ニキティキ)。2階に上がると大きな吹き抜け、正面のガラスの向こうにはエレベーターが見えて、左右の壁にはお花を飾った素敵な出窓が並んでいた。

父の会社の周年行事、母方の親戚会、兄の結婚式などのイベントでお世話になった。私の「平家琵琶を聴く会」は何度も開催したし、講談社の本の出版記念パーティーも、結納も、吉祥寺第一ホテルだった。地域の活動の総会や賀詞交歓会やランチ会議も、ここをよく使った。

鉄板焼きのお店は、以前はポンヌフというフランス料理店だった。そっか、新橋だからポン(橋)ヌフ(新)なのか(気づくの遅い)。
ポンヌフで、テーブルマナー講座を開いていただいたことがある。当時の支配人さんから、吉祥寺の民の特徴を伺ったのがとても印象的だった。

その支配人さんは新橋から吉祥寺に異動された頃、お客様たち(複数)から「こんなんじゃダメよ!」「こうしなさい!」というお叱りやダメ出しをたくさん受けたそう。新橋だったら、そう仰るお客様は二度とお見えにならないことも多く、吉祥寺にきて早々、お客様を失ってしまったと落胆した。

ところが吉祥寺のお客様たち(複数)は、またすぐに訪れてダメ出しを繰り返し、お客様のご提案通りに改善すると、「ホラ、私が言った通りでしょう♪」と満足されてハードリピーターになるのだそう。
こうして高級ホテルなのに吉祥寺に馴染んで、庶民でも入りやすい親しみやすい存在となっていった。

平家琵琶(平曲)の自主的な演奏活動を始めたとき、庶民でも入りやすく高級ホテルの空間とサービスが得られる吉祥寺第一ホテルを拠点にした。
普段より上質な空間に、テーブルや舞台がセッティングされ、飲み物のサービスがあり、演奏前後に館内でゆっくり過ごせる。ありがたい会場だった。

マイク、金屏風、緋毛氈、スクリーン、人数に応じたテーブルと椅子、受付台。そういうものが私の好み通りに私がやりやすいようにセッティングされていて、ご参会の皆さんがいらしたら飲み物を良いタイミングで出してくださって、そういったお値段込みでも利用しやすかった。ありがとうございました。

阪急阪神ホテルズの傘下になってお値段が少々高くなり、また私も当初の講義形式の演奏会から茶室のような小さな空間での演奏会にシフトチェンジして、ここ数年は演奏会での利用はしていなかった。でも地域活動では時々訪れていたので、いろいろと名残惜しい。