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夫婦間における秘密ごと・・
「行ってきます」と言い、後ろも振り返らずに玄関を出て行く夫。まだ子供達は寝ている時間だ。
いつもと同じように夫を見送った妻は、神妙な面持ちで自分の部屋に戻った。そして携帯電話を手にした・・。
愛人女性メール 「今日は何時に会える？いつもの場所で待ってるね」
夫メール 「分かった。少し遅くなるかもしれないけど、必ず連絡入れるから」
愛人女性メール 「今日は、私の家に来る？それともいつものとこいく？」
夫メール 「もうすぐで君に会えると思うとうれしいよ・・家でいいかな？」
そう、昨晩のうちに夫の携帯電話データを、別の携帯に移していたのだ。
主人は浮気している・・ 妻の直感は当たっていた。
仕事にしか興味のなかった夫が、浮気をしていると妻が感じ取ったのは、帰宅時間の遅さだった。
いつもなら残業があっても深夜までには帰宅していた。でもここのところ立て続けに深夜を大きく
まわってから帰宅していた夫に、不信感を抱いていたのだ。そして、携帯メールを抜き取った・・。
携帯に残っているメールを見る限り、夫の浮気はここ２ヶ月くらいで始まったようだ。相手の女性の
素性は明らかにはならなかった。会社関係ではなさそうだ。ホステス？昔の恋人？判断はつかなかった。
妻は子供達を起こし、食事を食べさせ、学校に送った。
車での帰り道、一本の電話が鳴った・・。
男 「子供達は送ったかい？どうしても君に会いたい・・」
妻 「送ったわ。今その帰り道」
男 「今から行ってもいいかな・・？」
妻 「分かった。待ってる」
そう、妻も不倫していた・・。
夫が仕事に出ている間、不倫相手の男性と密会しているのだ。
男は夫婦が住む自宅に来た。そしていつもと同じように妻と肉体関係を持った。
男 「ご主人にはばれてないかい？」
妻 「え～。あの人は、最近私のことに興味ないから・・
実は今日主人が浮気してる証拠のメールを掴んだの・・
他に、女がいるみたい」
男 「あんな誠実な人も、浮気するんだね・・」
妻 「そんなことより、あなたのことがすき・・。一緒にいたいわ・・」
男 「ありがとう。でも、君が結婚しいる限り、僕らは自由にはなれないんだし・・」
妻 「今日、主人の浮気が発覚してから、離婚の覚悟はできたわ・・」
男 「そう言ってくれるのはうれしいけど・・。そう焦らずに・・。君らしくもない」
妻 「そうね・・。でも離婚して、あなたと一緒になりたい・・子供達も連れて・・」
男 「分かった。僕は僕で、いろいろと考えてみるよ。身辺整理もしておきたいし・・」
妻は夫と離婚したいと思うようになっていた。不倫相手の男と一緒になりたいからだ。
その上、主人の浮気までもが発覚し、離婚に対する踏ん切りがついたようだ。
しかし実は、これは巧妙に仕組まれた工作経過の一部だった。
依頼人は主人のことを愛し続けている元愛人（女性）だ。
その女性からの依頼内容は、「夫婦を離婚させたい」であった。
離婚させてフリーになったご主人と一緒になりたいのである。
夫婦を離婚させるために、主人には愛人女性役の工作員を、
奥さんには不倫相手役の男性工作員を接触させていたのである。
要するに、ご主人も奥さんも、工作員のことを好きになり、不倫しているつもりになっているのである。
恋愛トラップを通じて作った“罠”だったのだ。
数ヵ月後、この夫婦は、何も知ることなく離婚することになった・・。