生活路線を維持することとは | 第4セクターの乗りバス・乗船日記

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大型時刻表に掲載されている、全ての地上・海上を走る乗り物の完乗を目指している第4セクターの記録です。

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っと、昨日からツイッター上で議論になっています、路線バス、それも生活路線と呼ばれる地場の路線バスを維持するためにはどうしたらよいか?、ということを、第4セクターの考えをツラツラ書いていきたいと思います。


で、先ず書かなくてはいけないことは、路線会社が運行する高速バスです。

現状高速バス事業は、バス業界唯一と言っていい、収益がでる事業のはずです。

で、この高速バスの利益を一般路線バスに投入して、全体をわずかな黒字で会社を維持する・・・

これっておかしいと思いませんか?

バス会社は民間企業です。

民間企業であるバス会社に対して、公共交通を預かる責任として、赤字でもなんでも路線を維持しなくてはいけないなんて、誰がいえるんでしょうか?

極端な話、巨大な遊園地を経営している会社だから、数千台のバスを持っている会社だから、バス会社は倒産しないだろう、自分の地域の路線は維持してくれるだろう、だって他で儲かっているんだから・・・

こんな甘えが地域住民、もっと言ってしまえば自治体に蔓延しているのではないでしょうか?

自分はここではっきり書きますが、高速バスの利益を地場路線に投入することは断固反対です。

バス会社だって、新車を買ったり、その他安全面などへの投資もありますし、そういった未来への投資に利益を投入するべきです。

で、ここで路線バス会社を追い込んだのは、都市間ツアーバスの興隆により、路線高速バスの利益が侵食されたからだといった意見が必ず出ます。

が、本当に都市間ツアーバスが、路線高速バスの利益を侵食しているんでしょうか?

第4セクターは一部ではそういった例が見られる(顕著な例は、東京~会津若松など)ことは否定はしませんが、実際都市間ツアーの一番の侵食を受けているのは、東京~名古屋・京阪神といった、元々流動が多いところのはずです。

むしろこの巨大な流動に対して、都市間ツアー含めて、バスという選択肢のシェアが高まったのではないかと、自分は考えています。

むしろ大都市からの地方路線に関しては、地元事業者の地の利を生かして、むしろ乗客を集めているのではないかと考えられる節もありますからね・・・


で、話は本題に入りまして、いかにして生活路線を守るのか・・・、といった話になります。

先ずは路線バスを大きく2つに分けて見ます。

1として、ある程度の集積規模をもった、中核都市や県都での話。

こういったところは、潜在需要があるはずですから、先ずは路線図ドットコムさんや、愉快三丁目さんが作成している、バスマップというものが非常に有効ですね。

如何に行政と連動して、バスの利便性を潜在的な利用者に訴えることが出来るのか・・・

が、前回の裏会に来ていた、愉快三丁目さんが、

「行政は予算の期限が決まっているんだよね」と仰っていました。

うーん、最近ジョルダン等の乗り換え案内サイトで、挙って路線バスの時刻の掲載を始めています。

が、時刻の掲載だけで、視覚的にどの路線に乗車したらよいのか、この施設に行く路線はどこなのか?、といったことが、分からないんですよね。

551さんの受け売りになってしまいますが、こういったものは一度商業ベースに乗せて、全国的な雛形を作って、後はバス会社なり有志が改定を加えて行き、見やすい使いやすいものにリファインしていくといった方法が取れないものかと思っているんですが・・・

少なくとも、潜在需要があるところでは、それなりのことをすれば良いわけですが、問題は次。


2として、僻地や過疎地の路線バスをどうやって維持するのか・・・

これはホント難しい問題で、先ずは本当に路線バスが必要なのか?、といった所から議論しなくてはいけません。

路線バスも来ないような僻地と思われたくない、路線バスが無くなると地価が下がる・・・、まあ利用はしないけど、あっても迷惑ではないからあった方がいいよね・・・。

この程度の意識しかない所は、即刻路線を廃止すべきです。

問題は、数が少なくとも、利用者がいる路線なんですよね。

が、そういった路線でも、例えば一日3本の路線バス・ほぼ同じ経路にコミバス3本、スクールバス・病院の無料送迎バス・・・。

なんで路線バスなりコミバスに一本化できないんでしょう?、補助金の出所が違うから?、学校統合のときにスクールバスを走らせるのを約束したから?、全く無駄な話で、先ずはこういったところから、統合を図りコストを下げる努力が必要なはずです。

特殊な事例ですが、長野県川上村では、自家用車保有数が1家に4台という状態ながらも、スクールバスとの統合など積極策をとり、村営バスは黒字基調で推移しています。

またこういった僻地の町・村営バスは、地域の若い人の就職先になるといった面も無視できません。

奈良県十津川村の村営バスを受託する奈良交通、受託条件に十津川村住人を雇用するといった条件が入っています。

ただ乗車していないからと、闇雲にバス路線を廃止していくのは、地域の雇用を奪うといったことに他なりません。

まあ、ダラダラ書いてきましたが、以前紹介した熊本の九州産交が企画した「日帰りバス旅」、紹介した記事はこちら

このような取り組みで、ローカル路線を活性化している例もあります。

地域のバス交通を守るという観点からも、また観光などからも、いろいろバス会社もアイデアを出していくべきですし、また行政と連携して、地域へ人を呼び込むことをしなくてはいけませんね。


最後に、バス路線は、地域の財産のはずです。

この財産を生かすも殺すも、地域の住民だと第4セクターは考えています。

またこの財産を、ただ蔵の奥で何もしないで放置しているのは非常にもったいない。

蔵から出して磨いてみたら、意外な輝きを放ち、地域を明るくする光になるかもしれません。

磨くのは、バス会社であり地域住民のはずです。

我々バスファンも、少しでもバスの魅力を発信して、一般の方々にバスの魅力、バス旅の魅力を伝えられるように努力したいですね