アメリカ留学の価値
日本人学生のアメリカ留学は激減しています。過去4万人はいた留学生は今は2万人しかいないそうです。更にその多くが交換留学などのもので学位留学する人は更に減っているとのことです。一方中国からの留学生はものすごい勢いで増えています。日本人の中国や他の外国への留学は増えているので、この減少の背後にあるのは、過去の無駄な語学留学の反省、そして日本人の欧米からアジアの国などへの関心の変化などが挙げられると思います。

ただ、アメリカの大学留学には依然として大きな価値があると思います。
アメリカの大学は、世界のトップ100の大学中最も多く29の大学が選ばれており(日本からは東大、京大、阪大、東工大、東北大、名大の6校のみ)、資本投下、そして規模も大きく、世界中からトップの大学生が集まる環境で勉強ができます。http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2013#sorting=rank+region=+country=+faculty=+stars=false+search=

更に、大学院教育となると更にアメリカの強さが出てきます。アメリカは国家の研究機関という位置づけで大学院教育に以前から力を入れており、その分野になると圧倒的に他国に勝っています。例えば昨今、人気があるMBAプログラム(経営学修士)ですが、世界のトップ20のMBAプログラムの内過半数がアメリカの大学になっています。万人が大学に行き、大学教育が一般化する中で、国家の威信をかけての研究は大学院にシフトしてきています。ちなみに日本の大学でトップ100に入っているMBAプログラムは一つもなく、日本の大学院教育における遅れを感じます。
http://rankings.ft.com/businessschoolrankings/global-mba-ranking-2013

各分野によって留学の価値は違うとは思いますが、以下の3点が共通する留学のメリットだと思います。

第一に、世界中から優秀な学生が集まる環境です。トップクラスのアメリカの大学は世界中から人が集まる、アカデミックのメジャーリーグです。そんな中、知恵が鍛えられ、自分が成長します。レベルが低い大学であれば確かに無駄かもしれませんが、アメリカの雑誌などでトップ50にランクされるような大学であれば、そこに集まる教授、学生などはかなりレベルが高く、良い刺激があります。そこでできる友人や、アカデミックな環境は、自分自身の将来の成長に大きな影響があり、ビジネスの人間関係とは違い、純粋な「友人」としての関係は生涯続く貴重なネットワークになります。

第二に、アメリカの大学ではバーバルコミュニケーションが鍛えられます。これはリーダーにとってCognitive Skillというコミュニケーションによる影響力育成に貢献します。アメリカでは議論をし、意見をぶつからせ、そこで物事を決めていくという習慣があります。それはビジネスの世界でも同じで、日本ではシステマティックな仕事の流れや、文書ベースの権限に基づいた意思決定がされていくのに対し、アメリカはコミュニケーションによるコンセンサスに基づいて物事が動きます。この点は日本人があまり得意ではないエリアです。日本人留学生が最も苦労するのがこういった議論です。ビジネススクールのケース分析、会社の中での議論など、日本人はどこに行っても苦労しています。「議論が早くてついていけない」「聞いていることはわかるが意見を言えない」こういうことを日本人はよく言います。これは英語力ではなく、議論力であり、それはアメリカでも大学生になると鍛えられるのです。その体験は非常に価値があります。

最後にあるのが、アメリカの大学の環境です。歴史と伝統があるだけでなく、莫大な投資を体感できます。それは教授陣が受ける収入が高いお陰で各産業のトップクラスの指導者があつまります。ノーベル賞などを受賞しているような著名な教授陣も少なくありません。大学の設備も他には比較にならないほど豪華なものです。ジムやプール、ドミトリーに食堂、ライブラリーに大学生協など学生生活は最高の環境が整えてあります。 NCAAのスポーツや大学のシアターなどエンターテイメントも充実しています。私はそのような環境があったからこそ、そこに対する献身があり、飛躍的に自分を成長させることができたのだと思います。

「学歴社会」と国際的なリーダーシップ
「学歴社会」は世界的なレベルになっています。就職、そして金持ちの社交場でも大学に関しては話題になります。大学教育は世界の親の関心事になっています。そんな中、トップクラスの大学を出ていることはトップクラスの企業、そして社会的なリーダーになる為のチケットにもなってきており、研究、政治、ビジネスなどの世界のメジャーリーグに居る人の多くが世界のトップの大学を出ています。例えば私がいたアメリカの経営コンサルティングの会社ではパートナークラスの殆どが上記のリストにあるトップ20大学のMBAを有していました。実際の仕事の世界は「実力」ではありますが、チャンスを得るためのチケットとしての「学歴」は重要です。採用する側からすると「学歴」は「実力」があるということのサインとなっているので、全く無視することはできません。私が関連があった会社では大学名を隠して採用をしていましたが、結果的には高学歴の人が採用されていました。つまり、高学歴の人のほうが実力がある可能性が高いということが採用側からは言えるのです。これは日本だけでなく、海外でも同様です。起業する側は関係がありますが、成功している企業家の中には高学歴の人も多く(マイクロソフトのBill Gates, Facebookの Mark Zuckerbergなど共にハーバード)学歴が実力の一部というのは国際的に定着している概念です。私の場合は日本での学歴はメジャーではないのですが(埼玉大学)、アメリカではジョージタウン大学、UCLAというメジャーな大学に行ったので、アメリカでキャリアが築けたのだと思います。国際的にリーダーシップを示すとしたら、学歴はそれを可能にするチケットなので、CVSの学生にとってもキャリアプランを考える上で重要なことです。

アメリカ留学のダウンサイド
アメリカ留学の問題はそのコストです。授業料は世界でもトップクラスで高く、平均すると2万ドルを超えます。生活費なども入れると3万ドルは下らないでしょう。これは日本の大学の授業料と比較しても倍近くなるのではないでしょうか?大学院も高く、MBAに関して言えばUCLAでも4万ドル近くに達し、私が行っていた頃は1万ドル程度だったのがほぼ4倍になっています。生活費も入れると1000万円を超える投資になります。これらの金額のROIは金額レベルでは正当化しにくくなってきています。
私の場合は、ジョージタウン大学留学も、UCLAのMBAもフルスカラシップ(奨学金)をもらったので、一切授業料は払いませんでした。その奨学金を得るチャンスが重要であり、CVSでも力を入れている領域です。お金の問題さえなければ、アメリカ留学の体験は非常に大きな価値があります。

アメリカ大学留学のオプションと戦略
日本人が戦略的にアメリカ留学を考えた場合、以下の選択肢があります。そしてそれぞれの選択肢に関してCVSでは奨学金などを出しています。

1) 語学留学:以前から言っていますが、これは全く意味がありません。アメリカの大学の名前でやっていても通常の学生とは「別枠」なので上記のアメリカ大学のメリットは受けれません。更に最近はフィリピンなどに語学留学をする人も増えていますが、前述した通り、日本人が学ぶべきものは「英会話」ではなく、「英語にまつわるコミュニケーション能力」です。つまり、英語以上に、何をどう構成して話をするのかということが重要なので、日常会話を練習するのにわざわざ海外にいくのもどうかと思います。留学に必要な水準の最低限の英語は日本でマスターすべきものです。

CVSではこれに対しては4月からオンラインでの語学教育をスタートします。私自身が日本で独学で英語をマスターしたので、CVSの学生にも日本にいながら英語力をマスターしてもらうプログラムを拡張します。一般の人も参加できます。

2) アメリカ大学学部正規留学:アメリカの大学に1年生から留学するというオプション、或いは編入するというオプションがあります。以前、ボストンキャリアフォーラムで、日本の高校を卒業し、普通にMITなどの留学している日本人がいるのには驚きました。このプランには、アメリカ大学が提供する教育をフルに得れるというメリットがありますが、逆にお金がかかること、同時に日本の大学を経験していないという日本人としての体験での不足感があります。そのままアメリカ人社会に同化し、アメリカ人のような人生を歩むのであれば問題がありませんが、日本のことを考えるとそこまでメリットはないと思います。ボストンキャリアフォーラムで日本人が普通に就職する会社に入社するようであれば、そのROI(投資効果)も肯定しにくいものがあります。

CVSではこの留学は上記の理由からサポートはしていません。編入のみ、UCLA、USC、CALTECHに直接編入できる力があれば一部奨学金を出します。今年試験的にスタートする高校生プログラムでは将来アメリカ正規留学の奨学金を出すことも考えています。


3) アメリカ大学交換留学、1年間留学:私が大学に行っていた頃に比べ、今では交換留学制度が整備されており、多くの日本人大学生が交換留学制度を活用しています。これは日本の大学の授業料(低い)を払いながら、アメリカの大学に留学できるというかなりメリットがあるものです。但し、最近では授業料の差額を払うなどケチなことを言っている日本の大学もあります。更に正規留学となるとTOEFLではそれなりのスコアが必要になり、大学側の選考もあり、簡単に誰もが活用できるものではありません。留学する先も必ずしもベストな大学(トップ100)で無いことも多いので、自由度は減ります。私の場合は、編入でジョージタウン大学を受験し、卒業するには数年間いなければならないので、資金的な理由で途中から1年ということで特別なプログラムに移動してもらいました。そして慶応や上智などの交換留学生と同じ取り扱いで留学をしたわけです。この留学は「体験」としての価値が高く、1年間と短いので、「完成度」からいうとそこまで大きな実績にはならないのですが、そこれ受ける影響は多大です。私はジョージタウンの体験がなければ、UCLAのビジネススクールに行くこともなかったでしょう。

CVSでサポートしているのが、短期でUCLAのEXTENSIONのクラスを取ることです。それは現地アメリカ人社会人、学生と一緒に学べるということで語学留学ではない価値があります。特にフィルムスクールは良いクラスも多く、ビジネスにしてもアメリカのビジネスマンとネットワークを広げる機会にもなるのでとても良い体験ができます。3ヶ月のものから1年のものまであります。CVSではこの留学には年間6名、授業料を払う奨学金があります。但し、定員割れでアメリカは5名、メキシコは1名ありますが、双方とも欠員が出ています。なので、4月から留学したい人がいれば、4月~来年分(2015年7月迄)の奨学金を受けれます。

4) アメリカ大学院留学:日本の大学を出て、アメリカの大学院に行く。前述の通り、日本の学部はそこまで悪くはありませんが、大学院になるとレベルが低いという現状があります。なので、キャリアとしても投資効果としても学部は日本、大学院はアメリカというのがベストなシナリオでしょう。MBAや会計学修士など1年のコースもあります。1年で学位が取れるので時間的に悪いROIではありません。理科系、技術系にいたっては、アメリカが国として力を入れているので、そのまま就職し、グリーンカードをもらえることも少なくありません。文化系の場合は就職となると会計学が最も就職、グリーンカードに対し可能性が高いものになります。アメリカのトップ企業で働く経験はキャリアでは大きなプラスになります。私の知り合いでもアメリカで働いてから日本に戻り20代で1000万円以上の年収をもらった人も少なくありません。中には日本人なのに、日本にアメリカ企業の駐在員として莫大な手当てをもらって行った人もいます。

CVSではUCLA, USC, CALTECHなどの大学院留学に奨学金を出しています。年に最大2万ドルまでもらえます。これはCVS創立時に私や私の知人が寄付をしてスタートしたのですが、まだもらった人がいないので、投資で更に大きく成長しています。CVS卒業生は是非ともこのプランなどを活用し、アメリカの大学院留学を実現してください。

私のアメリカ留学の思い出

ジョージタウン大学
私は最初の留学でワシントンDCにあるジョージタウン大学に留学しました。当時は交換留学などもなく、ロータリー財団の奨学金を手にした私は、必死で編入試験を受けました。政治に興味をもっていたので、外交学を専攻しました。福島の片田舎で育った私にとっては考えられないほどの背伸びでした。最初のクラスなどは教授が何を言っているかわからず、活発に議論を交わす学生たちの中で自分は何をして良いのかわからない状態でした。中間試験ではFを取ってしまい、奨学金打ち切りになってしまうリスクもあり、非常に大きな壁にぶち当たったりかなりあせりました。でもクラスメートや友人などが助けてくれ、そのプロセスを通じ、非常に大きく成長しました。今でも落ち込んでいる私をポトマック川に連れていって励ましてくれた友人や、徹夜でペーパーのレビューをしてくれた仲間を覚えています。1年の留学でしたが、自分が非常に大きく成長したことが実感できた1年でした。ちょうど創立200周年の年でロナルドレーガン大統領が来る等、著名な政治家にも数多く会えることができ、素晴らしい体験となりました。ものすごく綺麗な大学で、ワシントンDCはアメリカの政治の中心、NHKでのインターンなどで生きた政治を実感でき、自分が将来何をやりたいかをはっきりと自覚できた貴重な時間でした。大統領候補から手紙も来て、感動したことを覚えています。ワシントンDCでの体験は特別です。皆さんにもお勧めです。
これがジョージタウン大学のビデオです。


UCLA Anderson Graduate School of Management
ジョージタウン大学のMBAを目指していたのですが、トップ10にランクされているビジネススクールに行くといいというアドバイスを受けたので、当時トップ20にランクされているビジネススクールの中から授業料の安い、UCLA、バージニア(UVA)、UNCチャペルヒル、そしてテキサス大を受験しました。実を言うとバージニアが一番のお気に入りでした。幸いテキサスを除く全ての大学院から合格をもらいました。でもUCLAは奨学金をオファーしてくれたので、無料で行けることになったのでそこにしました。MBAの受験で驚いたのが、MBAは大学の成績などより、キャリアの実績、特にボランティア活動や社会活動などでの実績を高く評価している点でした。私が多くの大学に合格できたのは試験や学歴ではなく、特に社会などにおける活動の実績でした。そして入学してその意義がわかりました。MBAで求めているのはビジネスのテクニカルなことではなく、リーダーとして社会を変革する力でした。特にUCLAは起業家育成(Entrepreneurship)が盛んで、世界各地から集まった優秀なビジネスマン達が社会をどう変革するかということに積極的に関与しているのが魅力的でした。就職先も世界中からトップの企業がものすごい給料でのリクルーティングがあり、自分が今まで生きていたビジネスの世界とはまったく異なる次元の世界に入ることができるという特権が与えられたような気がしました。学業では前半は苦労しましたが、最後にはエリアアワード(会計)をもらってオナーで卒業できました。2年間のMBAの間はかなり厳しくきつい世界でしたが、それは私がコンサルティング会社での厳しく結果を求める世界に対応できる力をつけてくれたと思います。これがビデオです。

Fuller Theological Seminary 
これは私が今でも在籍する大学院です。キリスト教神学と心理学しかない大学院大学です。初めて自分で授業料を払って行っています。神学は日本ではあまり知られていない学問ですが、近代大学の基礎となった学問で、最も古くから存在する大学での研究分野です。私のように過去ビジネスマンだった人も珍しくなく、医者や弁護士、NASAの研究員だったような人が第二の人生の研究をしに着ています。キリスト教福音派の神学を確立させるために創立された大学院ですが、今では他の宗教との対話などかなり幅広い神学思想を持っています。特定の神学にはこだわらず、色々な思想を学べることが魅力です。大学は意外に厳しく、人生で初めてFを取ったのものこの大学でした。クラスにほとんどすべて出席し、試験も全て受け、ペーパーも全て納期どおりに出したのに、厳しい評価を受けました。卒業生は牧師になるので、間違った教えをしてしまってはいけないので、学問的に高いスタンダードを維持するようにしているようです。思想、哲学、宗教というのは人間の魂に近いコアの部分になるので、アメリカ人の心を知り、影響を与えるという観点でも良い学びができています。私はMaster in Divinity(神学修士)のコースにいます。最短で3年、通常は3~6年かけて取るようです。私は今年で5年目になります。神学は深いのでゆっくり学ぶことにしました。このブログを読んでいる人には興味がある人はいないと思いますが、キリスト教(プロテスタント)神学を学ぶのであれば、やはり神学が進んでいる国で学習するのが良いと思います。一昔前であればドイツだったのですが、今はアメリカがベストでしょう。毎週1度チャペルアワーがあります。これは学長が話しているものです。誰でも聞けるので、興味がある人がいたら一緒につれて行きますよ!キリスト教は世界の人口の3分の1(22億人)が信じる教えであり、アメリカ人の約75%がクリスチャン(カトリックは約25%)で、その国のシステムや、歴史、伝統、そして思想にはキリスト教の影響が莫大です。私はキリスト抜きに国際的リーダーシップは語れないと思います。


この話が理解できますか?サマリーを書いてくれた人(最初の人)にはアワードを出します!パサデナのキャンパスの反対側にフレンチの料理学校があり、そこでおいしいコース料理があるのでそれをプレゼントします!

CVSでの大学訪問

CVSでは事前期間にUSCに行きます!UCLAとUSCのNCAAの公式戦を見るので、試合前に大学の中をツアーしてみてください。コア期間にはSMART8と言われるトップ8の学生をUCLAのMBAコースのツアーに連れていきます!さて、UCLA-USCの試合なのですが、試合前にUSCのチアリーダーと会えるかも知れません!UCLAの名前をスローガン(Be A Leader!)も電光掲示板に出るそうです!USCからグッズももらえるみたいですが…皆さん、応援はUCLAをお願いします!UCLAのチアもお願いします!


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