2012年01月12日
DISNEYのブランド戦略
テーマ:ビジネスと産業
ロスアンゼルスはアメリカのエンターテイメント産業の中心、いや、世界のエンターテイメント産業の中心と言っても過言ではありません。私が長い間働いたコンサル会社でもエンターテイメント・プラクティスというエンターテイメント産業に特化したコンサルチームもありました。実を言うと私は会社をやめる最後の1年はこのグループに片足をつっこんでいました(ゲーム産業を担当していたので)。UCLAのビジネススクールでも、アートマネジメントの中にエンターテイメント産業に特化したものがあったのを覚えています。ディズニー、ユニバーサル、ソニーピクチャー、それに様々な音楽会社などLAにはエンターテイメントの会社が山ほどあります。私の住むパサデナはこういったエンターテイメントの企業の本社が多くあるバーバンクの近くなので、高速134でハリウッドに向かう際にワーナーブラザース、DISNEYなどが見えます。
CVS生はそのエンターテイメント産業の中心のハリウッドの真ん中で過ごすのでエンターテイメント産業にどっぷりつかれるでしょう。宿泊場所のすぐ正面にはキャピトルレコーズがあり、皆でミュージカルを見に行くパンテージスシアターや、手形足型で有名なチャイニーズシアターなどもすぐ近くです。15期にはミッションエンターテイメントというEducational Movieを作るミッションがあり、優勝チームはハリウッドの特撮で有名な会社Rhythm and Hues を訪問し、実際のアニメーターや技術者などの社員の方々や、創業者の社長さんなどから個人的に色々と話ができる貴重な機会をもらいました。エンターテイメントはLAだからというより産業的に将来があると思っています。物質的があふれている消費社会において、既存ニーズマッチ型の産業は供給過剰になりますが、エンターテイメントは常に人々の興味の中で新たなニーズを創出していくので、将来的にも伸びていくと思うからです。物づくりの中でも商品開発のプロセスでエンターテイメント性の部分が戦略的に重要な部分になってくることも予想されます。CVS生は今から映画などを見たり、エンターテイメント産業の歴史などを調べたり、同時にビデオ編修や撮影技術などの簡単な技術を身につけてLAに来る準備をしてもらえればと思います。
日本のエンターテイメントポテンシャル
日本はアニメやポップカルチャーの観点でかなりポテンシャルはあります。世界的に日本のアニメやキャラクター、漫画やゲームは有名です。ただ国際競争力の点からすると、まだまだ、金儲けやビジネス展開の点でポテンシャルを十分生かせていない気がします。なので将来の日本を支える日本人の若者には、エンターテイメントビジネスに積極的に挑んで、新たな日本の国際ビジネス発展に貢献してもらいたいと感じています。そういった意味でCVS16期生から将来のエンターテイメントビジネスのパイオニアが出てくれれば幸いです。
ライフサイクルとビジネス戦略

金儲けのプロセスからアメリカのエンターテイメント産業を学ぶことは重要です。一般的にアメリカの企業が優れていると思える点はライフサイクルのマネジメントです。皆さんご存知の通り商品にはライフサイクルがあります。人生同様に生まれ、成長し、停滞し、最後には死にます。ビジネスの場合はこの命が短ければその分リターンが少なく、国からもらう年金のように長生きすればするほど多くのリターンをもらえます。つまり、長生きをするほうが良いのです。このライフサイクルの図では面積の部分がそれに相当します。特に商品の後半はGrowth Share Matrix ではCash Cow(日本語では金のなる木)と言われ、会社に多くの利益を生みます。それは相対的なコストが低くなるから利益率が高くなるので(開発やマーケコストがあまりいらないので)会社にとっては貴重です。CVS生はアメリカに来たら是非ともスーパーに行って、日本と比較をしてもらいたいです(ミツワのミッションもあるので、スーパーの国際比較は皆さん必修です)。アメリカのスーパーに行くと、オレオクッキー、プリングルス、ハーシー、コカコーラ、A1ソース、などなじみの商品がシェルフの多くのスペースを牛耳っています。そしてそれらは会社にとってはキャッシュカウであり、利益のほとんどを稼いでいます。一般的に言われるのは日本のリテールは回転が速く、コンビニなどは商品の変化についていくのが大変だと言われます。日本人は食に関してみると飽きやすくはやり廃りが激しく、新商品開発に追われ、メーカーは十分既存商品のライフサイクルマネジメントに時間をかけることができないのかもしれません。会社の利益を優先するなら、新商品開発以上に既存商品の価値を長くするほうが効果的な投資になります。特に成熟した市場の場合は企業の安定の為にライフサイクルマネジメントは欠かせない領域です。(市場全体が成長期にある場合は、変動が激しいので、新商品開発が戦略的な重要性になってきます)
ミッキーマウスは世界一ビジネスで儲けているブランド
DISNEYは恐らく世界ナンバーワンの純粋なエンターテイメント産業だと言えます。テレビ、映画、テーマパーク、おもちゃなど完全にIntegrateした構造を持ち、それだけでなくグローバルに積極的に展開し、広い市場の枠を持っています。私がビジネススクールに行っていた頃の90年代前半にDISNEYは積極的にグローバル展開をしていたようです。私がビジネススクールの時によく言われていたのは、UCLAは地元産業のDISNEYと親しく関係もあったので、「就職先がなければお願いすればDISNEYに入れてくれる」とさえ言われていました。私も面接を受けて、私は昔DISNEYLANDでシンデレラ城ミステリーツアーという日本にしかないアトラクションのキャストをしていたので、その話で持ちきりでした。でも仕事内容がライセンシング関係で面白そうもないのでやめました。ミッキーマウスを無許可でつかっているのを見つけてお金を取るというものですが、そこまでミッキーをお金のだしに使ってもいいのでしょうか?ミッキーマウスは恐らくビジネス的にもっともライフサイクルマネジメントで成功しているキャラクターだと思います。でも、世界中のミッキーマウスからお金を集める仕事というのはどうか…というのもDISNEYの財務諸表を見ればわかりますが、ミッキーマウスは役員でもないし、給料を一銭ももらっていません(ジョークですが…)。ミッキーマウスは1928年に生まれています。ニューヨークで上映された「蒸気船ウイリー」がそのデビューだといわれていますが。そうすると既に80年以上も稼ぎ続けています。そろそろ償却は終えて、低価格で世の中にオファーしてもよいかと思いますが…ただ、そんなブランドを持つDISNEYだからせめてジョークでミッキーマウスの価値計算なんかをしたら面白いと思います(通算と将来のキャッシュフローを想定した現在価値のようなもの)、そして恐らくその利益貢献度は多大だと思うので、給与ではないですが、奨学金のようなものがあったら面白いと思います。いずれにせよ、エンターテイメントでは映画などに代表されるように、開発に一番コストがかかるので、開発したものからいかに継続的にお金儲けをするのか、そのライフサイクルのマネジメントが戦略的に最も重要だといえます。その観点で特にDISNEYのライフサイクルは学ぶものが多いです。DISNEYランドでもわかるように、乗り物など人々が飽きやすいといわれるものを効果的に長期的に活用していて、人気を保っています。
DISNEYのブランドマネジメント
エンターテイメントの世界は、いかに優れて物を開発するかというより、いかに「成功させるか」という部分に重きがあります。私は自動車産業からエンターテイメント産業のコンサルに移ってひとつ大きな文化の違いに驚いたのですが、エンターテイメントの世界は初期投資が莫大で、いかに10の商品から1つの大成功を生むかというばくちに近い要素があります。音楽でも映画でもヒットが出れば儲かります(ちなみに、ユニバーサルピクチャーはソニーが買収してからアカデミー賞をひとつも取ってませんが、日本企業は効果的にエンターテイメント産業をマネジできるのか興味あります)。そのエンターテイメント産業の中でもDISNEYは巨大企業であり総合的にエンターテイメントをうまくマネジしている会社だと思います。
DISNEYはテレビ、音楽、アニメや映画、テーマパーク、クルーズとリゾート、リテール、などエンターテイメント産業を川上(開発)から川下(Distribution)まで押さえている、Vertically Integrated(垂直統合型)の企業です。通常映画などの産業は、ひとつヒットが生まれたとしてもそれらを長期的に維持したり、レバレッジするのは困難です。でもDISNEYはそれらをうまくやっています。例えば、クリスマス商品で人気があるものに、DISNEYのプリンセスフィギュアの人形があります。実を言うと私もターゲットで並んでこれを娘のクリスマスプレゼントを買いました。私の娘が最近一番気に入っているのがBeauty & the BeastのBellです。この映画The Beauty & The Beastがリリースされたのは確か1991年で当時も大ヒットでした。私も見て、感動してビデオを買ったのを覚えています(そのビデオは今では娘の宝物のひとつです)。この映画もそうですが、DISNEYは原作や昔からのおとぎ話を、「DISNEY化」し、自分のものにします。プーさんはさすがに訴訟にまで発展しましたが、DISNEY化のパワーは凄いものです。そしてそのキャラクターが出来上がると、継続的に金儲けができます。この映画の続編のDVDは何度も出されているし、音楽はヒットし、作品はミュージカル化もされました(CVSの14期にはパンテージスシアターでこれを見ました)。DISNEYランドでもBELLのイベントがあったり、アトラクションもありました(今はプリンセスと会う場所になっていますが)。音楽は継続的にテーマパークなどでも使われています。フィギュアはいまだに売れ続けています。こういった長期的に波及させることができるのは垂直統合をさせることだけでなく、ヒットがあったら、そのヒットを効果的に長続きさせ、人々の中に芽生えたロイヤリティーとも言える「あの映画はいい映画だった」という要素を波及させているのです。DVDの販売にしても通常はリリースの後しばらくすると人気がなくなり、DISCOUNTされるのが当たり前なのに、値下げをせずに、むしろプレミア的に売り続けています。初期投資の大きなエンターテイメント産業においてこういったヒットを長続きさせ継続的に金儲けをするというのは「勝ち組」のやり方であり、DISNEYのコアコンピテンシーであるとも言えます。特に子供のときからテレビなどでも洗脳をさせ、DISNEYを好きにさせるモデルはあまりにも露骨過ぎて嫌う親も多いのですが、ビジネス的にはかなりうまくやっていると言えます。
CVSでは料理の鉄人などにもDISNEYで働く人や、その他エンターテイメント産業の人が見に来てくれます。CVS生にとってはエンターテイメント産業の実演と披露の場になるので、そういった機会をうまく利用し、その後インターンなどをしたりしてエンターテイメント産業についてもっと学んでもらいたいと思います。
「夢を売る」エンターテイメント産業の成功する洗脳モデル
おとぎ話をDISNEY化をする中で、DISNEYは「夢がかなう」といった要素が入ります。実を言うとグリム童話など結構童話には残酷なものがあります。でもDISNEY化するとそれが単純化され、夢見る純粋な主人公が逆境を越えて夢を実現するというある種のワンパターンがあります。以前、DISNEYが現代の女の子像を築いているという話を書きましたが、自由に自分らしい生き方をしながら、プリンスのハートを射止めるというワンパターンが共通しています。ただ、夢を持たせるというのはマズローの上層階層のニーズであり、特に現代社会はマズローの状況階層のニーズが重要になってきています。その中で子供に対する投資はどの親も夢中になっている領域なので、「子供に夢をもたせる」というニーズを満たすことは大きなビジネスになっています。
CVSの応募ミッションの中に10年後の最高の状態というエッセイがあります。これは自分の夢について語ってもらうのですが、応募者は、自分の将来予知能力とか、具体的な将来の姿が論理的に成り立つかといったことを気にして書いているようですが、実をいうとこのミッションの課題目的はそこではありません。むしろ「夢を語れるか」という部分にあります。これはCVSの中でいうとV=VISION能力を試すものです。リーダーにとってVISIONというのは自分だけが見えていては意味がありません。それを聞いた人が、夢に同調し、魅力的に感じ、それを自分の夢にできるかという部分が重要なのです。CVSではコア期間の最後にDISNEYランドに特別にリーダーシッププログラムで行きます。今期もたぶんそれでDISNEYランドに行きます。そこでDISNEYランドの中で夢を実現するということを学びます。これはWALT DISNEY自身がテーマパークを夢に描き、ビジネス的な観点で多くの人に反対されたのに、それを現実化して、ビジネスとして成功させたという背景があります。そういった背景からもDISNEYの中では「夢」がコアコンセプトに入っています。多くの映画ではそういった「夢」が出てきます。つまり「夢の商人」です。「夢」が重要なのはそこに希望があり、そして希望があるから前向きになるので、そのイメージが購買プロセスにも波及するのです。「夢の商人」とまではいいませんが、リーダーにとっては「夢を語る」ということは重要なスキルなので、学習する価値があります。
今日の音楽と映画
DISNEYの映画TANGLEにI’ve Got a Dreamという「夢」の歌があります。DISNEYがいかに女性を効果的に使ってビジネス開発をしたのかということは以前書きましたが、DISNEYは女の子に対する「夢作り」では圧倒的な強さを持っています。CVSの参加者にはDISNEYファンが毎回いますが、特に女の子に多いですね。DISNEYの女性キャラクターは「夢をおいかけている」という点で共通していますが、それぞれ違ったタイプが出てくるのでおもしろいです。TANGLEを見た人はいますか?なかなか魅力的に描かれていました。この「夢」に関する歌はとてもおもしろかったです。気に入ってます。
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今日の本
DISNEYランドに行くと真ん中にミッキーと一緒にいるWALT DISNEYの肖像があります。WALT DISNEYは世界で最も成功しているエンターテイメント企業の創業者であり、そこには「夢」があります。彼について勉強をするとCVS生はDISNEYランドのリーダーシッププログラムに参加したり、こちらでエンターテイメント産業について学習したりするときも役に立つので皆さん読んでおいてください。ところで私は以前DISNEYランドで働いていたのですが、DISNEYのファンです。好きな人がいたら一緒に語り合いたいです。昨日、DISNEYランドで働いていた際に、エレクトリカルパレードで最後尾を歩いたときの夢を見ました。あの時の感動は忘れられません。あのPARTICIPATIONにおける感動、これがCVSプログラムの中で一番力をいれている点です。
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CVS生はそのエンターテイメント産業の中心のハリウッドの真ん中で過ごすのでエンターテイメント産業にどっぷりつかれるでしょう。宿泊場所のすぐ正面にはキャピトルレコーズがあり、皆でミュージカルを見に行くパンテージスシアターや、手形足型で有名なチャイニーズシアターなどもすぐ近くです。15期にはミッションエンターテイメントというEducational Movieを作るミッションがあり、優勝チームはハリウッドの特撮で有名な会社Rhythm and Hues を訪問し、実際のアニメーターや技術者などの社員の方々や、創業者の社長さんなどから個人的に色々と話ができる貴重な機会をもらいました。エンターテイメントはLAだからというより産業的に将来があると思っています。物質的があふれている消費社会において、既存ニーズマッチ型の産業は供給過剰になりますが、エンターテイメントは常に人々の興味の中で新たなニーズを創出していくので、将来的にも伸びていくと思うからです。物づくりの中でも商品開発のプロセスでエンターテイメント性の部分が戦略的に重要な部分になってくることも予想されます。CVS生は今から映画などを見たり、エンターテイメント産業の歴史などを調べたり、同時にビデオ編修や撮影技術などの簡単な技術を身につけてLAに来る準備をしてもらえればと思います。
日本のエンターテイメントポテンシャル
日本はアニメやポップカルチャーの観点でかなりポテンシャルはあります。世界的に日本のアニメやキャラクター、漫画やゲームは有名です。ただ国際競争力の点からすると、まだまだ、金儲けやビジネス展開の点でポテンシャルを十分生かせていない気がします。なので将来の日本を支える日本人の若者には、エンターテイメントビジネスに積極的に挑んで、新たな日本の国際ビジネス発展に貢献してもらいたいと感じています。そういった意味でCVS16期生から将来のエンターテイメントビジネスのパイオニアが出てくれれば幸いです。
ライフサイクルとビジネス戦略

金儲けのプロセスからアメリカのエンターテイメント産業を学ぶことは重要です。一般的にアメリカの企業が優れていると思える点はライフサイクルのマネジメントです。皆さんご存知の通り商品にはライフサイクルがあります。人生同様に生まれ、成長し、停滞し、最後には死にます。ビジネスの場合はこの命が短ければその分リターンが少なく、国からもらう年金のように長生きすればするほど多くのリターンをもらえます。つまり、長生きをするほうが良いのです。このライフサイクルの図では面積の部分がそれに相当します。特に商品の後半はGrowth Share Matrix ではCash Cow(日本語では金のなる木)と言われ、会社に多くの利益を生みます。それは相対的なコストが低くなるから利益率が高くなるので(開発やマーケコストがあまりいらないので)会社にとっては貴重です。CVS生はアメリカに来たら是非ともスーパーに行って、日本と比較をしてもらいたいです(ミツワのミッションもあるので、スーパーの国際比較は皆さん必修です)。アメリカのスーパーに行くと、オレオクッキー、プリングルス、ハーシー、コカコーラ、A1ソース、などなじみの商品がシェルフの多くのスペースを牛耳っています。そしてそれらは会社にとってはキャッシュカウであり、利益のほとんどを稼いでいます。一般的に言われるのは日本のリテールは回転が速く、コンビニなどは商品の変化についていくのが大変だと言われます。日本人は食に関してみると飽きやすくはやり廃りが激しく、新商品開発に追われ、メーカーは十分既存商品のライフサイクルマネジメントに時間をかけることができないのかもしれません。会社の利益を優先するなら、新商品開発以上に既存商品の価値を長くするほうが効果的な投資になります。特に成熟した市場の場合は企業の安定の為にライフサイクルマネジメントは欠かせない領域です。(市場全体が成長期にある場合は、変動が激しいので、新商品開発が戦略的な重要性になってきます)
ミッキーマウスは世界一ビジネスで儲けているブランド
DISNEYは恐らく世界ナンバーワンの純粋なエンターテイメント産業だと言えます。テレビ、映画、テーマパーク、おもちゃなど完全にIntegrateした構造を持ち、それだけでなくグローバルに積極的に展開し、広い市場の枠を持っています。私がビジネススクールに行っていた頃の90年代前半にDISNEYは積極的にグローバル展開をしていたようです。私がビジネススクールの時によく言われていたのは、UCLAは地元産業のDISNEYと親しく関係もあったので、「就職先がなければお願いすればDISNEYに入れてくれる」とさえ言われていました。私も面接を受けて、私は昔DISNEYLANDでシンデレラ城ミステリーツアーという日本にしかないアトラクションのキャストをしていたので、その話で持ちきりでした。でも仕事内容がライセンシング関係で面白そうもないのでやめました。ミッキーマウスを無許可でつかっているのを見つけてお金を取るというものですが、そこまでミッキーをお金のだしに使ってもいいのでしょうか?ミッキーマウスは恐らくビジネス的にもっともライフサイクルマネジメントで成功しているキャラクターだと思います。でも、世界中のミッキーマウスからお金を集める仕事というのはどうか…というのもDISNEYの財務諸表を見ればわかりますが、ミッキーマウスは役員でもないし、給料を一銭ももらっていません(ジョークですが…)。ミッキーマウスは1928年に生まれています。ニューヨークで上映された「蒸気船ウイリー」がそのデビューだといわれていますが。そうすると既に80年以上も稼ぎ続けています。そろそろ償却は終えて、低価格で世の中にオファーしてもよいかと思いますが…ただ、そんなブランドを持つDISNEYだからせめてジョークでミッキーマウスの価値計算なんかをしたら面白いと思います(通算と将来のキャッシュフローを想定した現在価値のようなもの)、そして恐らくその利益貢献度は多大だと思うので、給与ではないですが、奨学金のようなものがあったら面白いと思います。いずれにせよ、エンターテイメントでは映画などに代表されるように、開発に一番コストがかかるので、開発したものからいかに継続的にお金儲けをするのか、そのライフサイクルのマネジメントが戦略的に最も重要だといえます。その観点で特にDISNEYのライフサイクルは学ぶものが多いです。DISNEYランドでもわかるように、乗り物など人々が飽きやすいといわれるものを効果的に長期的に活用していて、人気を保っています。
DISNEYのブランドマネジメント
エンターテイメントの世界は、いかに優れて物を開発するかというより、いかに「成功させるか」という部分に重きがあります。私は自動車産業からエンターテイメント産業のコンサルに移ってひとつ大きな文化の違いに驚いたのですが、エンターテイメントの世界は初期投資が莫大で、いかに10の商品から1つの大成功を生むかというばくちに近い要素があります。音楽でも映画でもヒットが出れば儲かります(ちなみに、ユニバーサルピクチャーはソニーが買収してからアカデミー賞をひとつも取ってませんが、日本企業は効果的にエンターテイメント産業をマネジできるのか興味あります)。そのエンターテイメント産業の中でもDISNEYは巨大企業であり総合的にエンターテイメントをうまくマネジしている会社だと思います。
DISNEYはテレビ、音楽、アニメや映画、テーマパーク、クルーズとリゾート、リテール、などエンターテイメント産業を川上(開発)から川下(Distribution)まで押さえている、Vertically Integrated(垂直統合型)の企業です。通常映画などの産業は、ひとつヒットが生まれたとしてもそれらを長期的に維持したり、レバレッジするのは困難です。でもDISNEYはそれらをうまくやっています。例えば、クリスマス商品で人気があるものに、DISNEYのプリンセスフィギュアの人形があります。実を言うと私もターゲットで並んでこれを娘のクリスマスプレゼントを買いました。私の娘が最近一番気に入っているのがBeauty & the BeastのBellです。この映画The Beauty & The Beastがリリースされたのは確か1991年で当時も大ヒットでした。私も見て、感動してビデオを買ったのを覚えています(そのビデオは今では娘の宝物のひとつです)。この映画もそうですが、DISNEYは原作や昔からのおとぎ話を、「DISNEY化」し、自分のものにします。プーさんはさすがに訴訟にまで発展しましたが、DISNEY化のパワーは凄いものです。そしてそのキャラクターが出来上がると、継続的に金儲けができます。この映画の続編のDVDは何度も出されているし、音楽はヒットし、作品はミュージカル化もされました(CVSの14期にはパンテージスシアターでこれを見ました)。DISNEYランドでもBELLのイベントがあったり、アトラクションもありました(今はプリンセスと会う場所になっていますが)。音楽は継続的にテーマパークなどでも使われています。フィギュアはいまだに売れ続けています。こういった長期的に波及させることができるのは垂直統合をさせることだけでなく、ヒットがあったら、そのヒットを効果的に長続きさせ、人々の中に芽生えたロイヤリティーとも言える「あの映画はいい映画だった」という要素を波及させているのです。DVDの販売にしても通常はリリースの後しばらくすると人気がなくなり、DISCOUNTされるのが当たり前なのに、値下げをせずに、むしろプレミア的に売り続けています。初期投資の大きなエンターテイメント産業においてこういったヒットを長続きさせ継続的に金儲けをするというのは「勝ち組」のやり方であり、DISNEYのコアコンピテンシーであるとも言えます。特に子供のときからテレビなどでも洗脳をさせ、DISNEYを好きにさせるモデルはあまりにも露骨過ぎて嫌う親も多いのですが、ビジネス的にはかなりうまくやっていると言えます。
CVSでは料理の鉄人などにもDISNEYで働く人や、その他エンターテイメント産業の人が見に来てくれます。CVS生にとってはエンターテイメント産業の実演と披露の場になるので、そういった機会をうまく利用し、その後インターンなどをしたりしてエンターテイメント産業についてもっと学んでもらいたいと思います。
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おとぎ話をDISNEY化をする中で、DISNEYは「夢がかなう」といった要素が入ります。実を言うとグリム童話など結構童話には残酷なものがあります。でもDISNEY化するとそれが単純化され、夢見る純粋な主人公が逆境を越えて夢を実現するというある種のワンパターンがあります。以前、DISNEYが現代の女の子像を築いているという話を書きましたが、自由に自分らしい生き方をしながら、プリンスのハートを射止めるというワンパターンが共通しています。ただ、夢を持たせるというのはマズローの上層階層のニーズであり、特に現代社会はマズローの状況階層のニーズが重要になってきています。その中で子供に対する投資はどの親も夢中になっている領域なので、「子供に夢をもたせる」というニーズを満たすことは大きなビジネスになっています。
CVSの応募ミッションの中に10年後の最高の状態というエッセイがあります。これは自分の夢について語ってもらうのですが、応募者は、自分の将来予知能力とか、具体的な将来の姿が論理的に成り立つかといったことを気にして書いているようですが、実をいうとこのミッションの課題目的はそこではありません。むしろ「夢を語れるか」という部分にあります。これはCVSの中でいうとV=VISION能力を試すものです。リーダーにとってVISIONというのは自分だけが見えていては意味がありません。それを聞いた人が、夢に同調し、魅力的に感じ、それを自分の夢にできるかという部分が重要なのです。CVSではコア期間の最後にDISNEYランドに特別にリーダーシッププログラムで行きます。今期もたぶんそれでDISNEYランドに行きます。そこでDISNEYランドの中で夢を実現するということを学びます。これはWALT DISNEY自身がテーマパークを夢に描き、ビジネス的な観点で多くの人に反対されたのに、それを現実化して、ビジネスとして成功させたという背景があります。そういった背景からもDISNEYの中では「夢」がコアコンセプトに入っています。多くの映画ではそういった「夢」が出てきます。つまり「夢の商人」です。「夢」が重要なのはそこに希望があり、そして希望があるから前向きになるので、そのイメージが購買プロセスにも波及するのです。「夢の商人」とまではいいませんが、リーダーにとっては「夢を語る」ということは重要なスキルなので、学習する価値があります。
今日の音楽と映画
DISNEYの映画TANGLEにI’ve Got a Dreamという「夢」の歌があります。DISNEYがいかに女性を効果的に使ってビジネス開発をしたのかということは以前書きましたが、DISNEYは女の子に対する「夢作り」では圧倒的な強さを持っています。CVSの参加者にはDISNEYファンが毎回いますが、特に女の子に多いですね。DISNEYの女性キャラクターは「夢をおいかけている」という点で共通していますが、それぞれ違ったタイプが出てくるのでおもしろいです。TANGLEを見た人はいますか?なかなか魅力的に描かれていました。この「夢」に関する歌はとてもおもしろかったです。気に入ってます。
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