アメリカにいると驚くのが、あちこちに英語の語学学校(English as a Second Language - ESL)があることです。大学付属のものから、怪しい個人経営のものまで。大学系のものだけでも3500程度あるので、プライベートなものも入れたら5000以上あるのではないでしょうか?英語は公用語なので世界中の人々のものすごい教育ニーズがあります。日本語も世界の公用語だったら、日本語を教えるだけで金儲けができたでしょう。今まで英語学校の一番のお客さんは日本人でした。それが、最近ではユーロ高でヨーロッパ人や中国人などが増えています。ただ、中国人、ヨーロッパ人、は通常の学位留学にも多くいます(特にマスターやPHD)が、日本人はほとんどが語学留学です。最近では日本の大学や生協経由でこういった語学留学の斡旋までやっているようです。恐らくそれはただ便宜上(あるいはコミッションをもらっているので商売上)やっているので、公式にこういった語学留学を薦めるほど日本の大学は落ちぶれているとは思いません。英語の語学留学はばかばかしいのでやめたほうが良いと思います。

以前ブログにも書きましたが、確かに英語ができないことは恥ずかしいことです。英語は世界中の人が勉強しており、世界の公用語です。でもその分日本にいながらにして英語が勉強できる機会は山ほどあります。わざわざ高いお金をかけて英語の語学留学に参加する必要はないのです。中国語、スペイン語、フランス語、ロシア語などなら許せますが…

私は、福島の田舎の学校出身で中学校1年のときは英語の先生がいない学校でした。でも、英語の歌と映画でヒアリングを、英語の雑誌で単語とReading、そして海外からの研修生や宣教師相手に英会話を練習しました。大学1年でTOEFLを受けたときには既に550を超えていて、2年では600近くまでいっていました。英語は日本で勉強できます。要は心がけと努力しだいです。ここで語学留学をすべきでない理由を5つあげます。

履歴書上プラスにならない:私が就職の選考をしていたときに、履歴書にあるESL留学の部分はプラスではなく、マイナスになっていました。特に大学レベルでの留学では(高校とか中学なら許せますが…)中国語とか、タイ語とか、ロシア語ではないのです。英語を留学しないとマスターできないのは未熟な人、自分に甘い人にしか見えませんでした。優秀な人はそんな留学はしなくても、英語は自分でマスターし、アメリカのトップクラスの大学で学位を取っていました。もしすでに語学留学をしてしまった人は、そんなことは履歴書には記載しないほうがいいでしょう。マイナスになります。

本当の留学ではない(払うお金と使う時間に相当する成長がない):アメリカの大学は確かにレベルも高く、世界中から優秀な学生が集まります。そこで学位をとることはかなり価値あることです。でもESLは別物です。高い授業料を払って、きれいな大学のキャンパスを使ったとしても、それは本当の留学とはいえません。お金と時間をかけるのなら本物を取りにいったほうがいいです。

緊張の無さと悪い影響のリスク:誰でも入れるESLは、学位留学の緊張感もなく、のんびりしています。その結果として悪い影響もあります。日本人同士で仲良くなり一緒にマリファナをやったり、違法労働をしたり、遊びほうけて怠ける悪い癖がついたり。どうせ留学をするなら、厳しい競争の緊張した環境でないと学習効果が薄れます。

お金の無駄使い(もっと安くESLレベルの学習はできる:英語に関してはかなり環境もよくなり日本で勉強できます。まずは自分が通う大学の英語のクラスをしっかりとよい成績を取得することです。それ以外の学習は別途記載します。日本にいながらにしてしっかり勉強できない人はアメリカに来てもろくに勉強しないので、親はそんな駄目な子供をアメリカに送り込まないほうがいいでしょう。愛している子を狼に渡すようなものです。麻薬中毒になったり、違法労働で捕まったり、お金目当てに殺されたり、安易な留学ほどリスクは高いものです。

ESLは外国人ばかり:せっかくアメリカ人に囲まれNativeレベルの英語をマスターしようと思っても、ESLに留学する人は外国人ばかりです。英語ができない人に囲まれていたら、自分が成長する度合いも決まってしまいます。英語を話さない外国人と友達になる機会にはなりますが、そんな機会は日本であるでしょう?

実を言うと私はESL への留学をしたことがあります。だから経験がなくて勝手に書いているわけではありません。ジョージタウンに留学をした際にロータリー財団が準備してくれました。当時のロータリー奨学金はかなり充実していて、渡航費授業料生活費全額、本代、英語学校の授業料と滞在費まで出してくれました。とても感謝しています。その際にワシントンDCのデュポンサークルの近くにある有名な英語学校に1ヶ月ほど行ったのですが、ヨーロッパ人などの友人をつくるのには良い環境でしたが、やはりジョージタウン大学でアメリカ人と一緒にクラスをとって競い合うのとは格段の差がありました。本当の留学には厳しさがあるので、20代の貴重な時間的投資の観点からもESLより、通常の留学の方が遥かに自分の為になります。水準が高く、厳しさがあるが故に達成する水準も高度になると思います。私は英語に関してはジョージタウン大学留学の1年で大学の先生にもNative思われる水準に達することができたので(それ以降進歩していない気もするのですが…)、皆さんも可能だと思います。私のアドバイスに従う人を私は応援します。私のからのアドバイスは以下の通り。

英語力アップの手順

1)TOEFLの勉強:これは以前何度か書いたのであまりしつこくは書きませんが、まずは徹底的にTOEFLの試験勉強をすることをお勧めします。TOEFLは非常に良くできた英語の力を試す試験で世界中の人が受けています。自分の英語の水準をみるのにはこの試験がベストです。日本ではTOEICという日本企業がETSに作らせた「商売の匂いがする」試験に皆、必死になっていますが、TOEFLの勉強をしていればTOEICの試験もクリアできます。私が大学卒業後就職した会社でTOEICの試験を受けさせられました。全く勉強をしませんでしたが、トップクラスで同期では1番でした。私は親から、家は豊かではないので、海外留学はその資格がなければするべきではないといわれていたので、それがとても良かったと思います。奨学金も留学の為の英語のスコアも自分の力でクリアしました。そして自分の力で何かを成し遂げるようにするというのが一番の教育だと思います。CVSの参加者は、TOEFLとGMATの試験があり、上位の人だけがUCLAのMBA(経営大学院)のツアーと現役のMBA学生との食事会に参加できます。なので合格をしたら、TOEFLの勉強をしておくことをお勧めします。あれこれ手を出さずに一つのテキストを毎日5分ぐらいこつこつやっておくといいでしょう。それと試験の値段が昔よりだいぶ高くなったと聞いているので(試験は儲かる商売)、1年に一度ぐらいにして無駄にお金を使うのはやめましょう。問題集についてくる試験問題の自己採点で自分のスコアはだいたいわかります。満点を取れる水準になるまで試験をうけなければ無駄なコストにもならないでしょう。

2)文化的な勉強:言語は文化であり、文化を体験することが言語の活用方法を体にしみ込ませます。英会話力に関しては大学の授業だけでは十分でないと思う人は、私はアメリカ人のコミュニティーに慣れる意味で英語の教会の礼拝に行くのが良いと思います。無駄にお金もかからないし、人々はWELCOMEしてくれるし、キリスト教に関する勉強もできます。教会は歴史的にアメリカでコミュニティーの中心となる存在で、そこに行くと家族と家族の交わりがあります。私も日本の教会で知り合った人にアメリカでの仕事や教会を紹介してもらったり、貴重なアメリカ人の友人もでき、初めてアメリカに行った際には、知り合いになったアメリカ人の家庭を泊まり歩かせてもらいました。今でも、そんな友人たちとは連絡を取り合っています。最近では日本の英語教会はアメリカ人だけでなく、色々な国籍の人たちが集まっていると聞いています。色々な人と知り合い、意見交換をし、ネットワーキングするのにとても良い場所なので、英語だけでなく異文化体験、人の出会いの場としても貴重なので私はお勧めします。アメリカなど欧米文化を理解する上で貴重な異文化体験にもなります。CVSの合格者はこれから毎週行ってみてはどうでしょうか?少なくともクリスマスなどに皆で礼拝やコンサートに行ったら楽しいと思います。ファンドレイジングに協力してくれる人もいるかもしれないし…私は学生時代、飯田橋にあるSaint Paul International Lutheran Church http://www2.gol.com/users/alleluia/ と、代官山にあるTokyo Baptist Church  http://www.tokyobaptist.org/top/ に行っていました。それ以外にも教会のEnglish Congregation と調べればいくつもあると思います。ただ、カルトや、過激な教会などに行かないように教会については良く調べてから行ったほうがいいです。伝統的で静かな礼拝形態が好きな人はPresbyterian, Baptist, Methodist, Lutheranコンテンポラリーかつ福音的/感情的な高揚が好きな人は、Evangelical Free, Calvary, Holiness, Pentecostal/Assemblies of God などを入れて英語の礼拝を調べてみるといいでしょう。ウェブサイトにBaptist, Tokyo, English Service などと入力すると出てきます。

海外に行くとしたら…
でもせっかくの円高だし、海外に行くのはチャンス、でも留学するほど英語ができない…そんな人はどうしたら良いのでしょうか?

1) CVSに参加する:「CVSは日本人ばかりなので英語は上手にならない」と聞いている人がいるかもしれませんが、2ヶ月のプログラムにしたら、ESLで英語だけを勉強するよりは遥かに効果的な語学学習ができます。

a. 英会話:CVSではBuddy Program(教会で現地のホストファミリーをアサインします)、それにスタッフの1~2名はアメリカ人で公用語は英語になります。なので、必然的に英語を話さなければなりません。

b. 英語でのプレゼン:CVSでは毎週のように英語でのプレゼンの機会が与えられます。料理の鉄人などでは、お金をアメリカ人から貰うので、それなりの水準の英語ができなければまずい雰囲気があります。メキシコでのビジコンではモンテレイ工科大学の学生とチームを組み、英語でのビジネスプレゼンをします。それ以外にも投資、コンサルなどのミッションでの英語のプレゼンなどかなり高度なものをするので、ESLで教える水準より遥かに基準が高い英語プレゼンをします。

c. アメリカ人のExecutiveとのビジネストーク:CVSではアメリカの大手日系スーパーの社長(アメリカ人)にコンサルティングのミッションを通じて英語で質問をし、プレゼンをし、議論をしなければなりません。これはかなりの水準で社会人の英語トレーニングでもここまでのものはないと思います。

d. 英語での交渉:ミッションでネゴコンがあるだけでなく、メキシコでのビジコンでのメキシコ人学生との交渉、ビーチバレー、ヤードセール、それ以外にも全てのプログラムをアメリカ人との対話があり進めるので、現場で交渉力が鍛えられます。この現場で英語を話さなければならない状況は、大学のクラスのような甘いものではありません。

e. 英語でのレポート、読み書き:CVSで活用する資料には英語のものも多く、英語で報告資料などをまとめさせます。(アメリカのコンサル会社で活用するフォーマットで)
過去CVSに参加して飛躍的に英語が上手になった人もいました。後で聞いたのですが、彼は京都大学に主席合格した学生とのことでした。基本的にはどんな場にいっても自分の心がけ次第です。CVSはその場を提供するだけであり、英語がうまくなる人も、うまくならない人もいます。それはESLへの短期留学も同じでしょう。ただ、CVSの場合は、水準としてはかなり高度なものをやっています。

2) 海外ボランティアの参加:私は大学1年の夏休みにハワイのモロカイ島のKalaupapaにあるらい病(ハンセン病)患者の施設でボランティアをしました。この施設はカトリックの神父でライ病患者の世話をしたら自分も感染し、死んでしまったデミアン神父で有名なところです。アメリカ人と一緒にボランティアをすると英語がかなり鍛えられます。こういったプログラムは教会経由で見つけることができます。教会関連のプログラムはしっかりとした安全なものが多いのでお勧めです。CVSでも前回、ホープチャペルに行った人はダウンタウンでのスキッドロー(貧困地帯)での1日ボランティアに参加している人もいました。

3) 海外インターン:私は以前青年海外協力隊で中東に行っていた人で、そこで英語をマスターした人と会ったことがあります。海外で働くことは英語力だけでなく生活力も鍛えます。仕事などを通じて英語を使えば効果的に英語力を伸ばすことができるでしょう。

CVSでは、VDRCCの宿泊施設がオープンするので、そこに宿泊しながら、インターンやボランティアをするプログラムを開催したいと思います。インターンはCVSの提携先企業、ボランティアは提携先の教会と調整します。ただ単に宿泊をしながら、キリスト教や英語の勉強をしてもいいです。学生、若者だけでなく、シニアの方もWelcomeしたいのでご興味がある皆様がいらしたら、私に連絡をください。CVSの開催のない期間で4~6月、10~1月の中で最大30日程度になると思います。是非とも参加してLAでの生活を体験してください。現段階でこちらは選考はありませんので早い順です。私からの個人的なカウンセリングもつきます。

ちなみに最近ではウェブを通じて安く英語を学習するツールもあるようです。もし知っている人がいたら、コメントで共有してあげてください。
最後に2タイプの教会の違いを映像でみてもらいましょう。
これはBelAirPresbyterian(長老派)教会の礼拝です。学生のときに何度か礼拝に出ていたのですが、ロナルド・レーガン元大統領もメンバーでした。CVSの参加者は何人かBuddy Programでハリウッド・プレスビテリアン教会に行きますが、ベル・エアーと同じ宗派なので雰囲気は似ていると思います。(ちなみにこれは私が撮影したのではありませんyoutubeで見つけました)。これで伝統的な礼拝の雰囲気がわかります。




これはLAの黒人地区にある有名な教会です。昔、しばらくこの教会に行っていました。宗派はChurch of God で、俳優のデンゼル・ワシントンを始め著名な黒人の人が何人も行っている教会です。これで黒人教会の雰囲気がわかります。CVSではまたゴスペル歌手Ray Sidneyによるゴスペルレッスンがあると思うので楽しみにしていてください。



TOEFLのテキストは、試験を提供している会社ETSが発行しているものがBESTです。それ以外はあまり効果がないと思うので、この一冊を徹底的にやってみるのがいいと思います。

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