危機管理・事業継続ガイド - ZEIMU KEIRI KYOKAI CO.,LTD（iTunes）
危機対応はシンプルに、コンパクトに、資料やデータが損失しても現場で考えて対応できるものにする必要があることを忘れないでいて欲しいのです。（57，58頁）
本書は、東日本大震災の発生により、改めて注目されているBCP（事業継続計画）の概要、重要なポイントがわかりやすく解説されていて、参考になりました。BCPについて、知識がない方でも、平易な言葉で解説されているため、すらすらと読むことができるかと思います。
危機管理について、膨大なマニュアルを作成し、いい気になっているだけでは、有事の際、そのマニュアルが損失、紛失した場合、何も行動することができない、ということにもなりかねず、著者も言うように、できるだけシンプルに、コンパクトに、行動を明確化し、そのマニュアルをいかに会社全体で共有しているか、ということが重要でしょう。
東日本大震災でも、地震後の津波の発生を予測し、高台にいかに早く避難するかが重要であったように、有事の際は、1分1秒の判断の遅れで結果が大幅に異なる、ということが十分あり得るため、BCP、危機管理については、何ら策定していない企業であるのであれば、大まかな指針でも構わないので、早急に検討すべきであることは間違いないといえるでしょう。