神の与えてくださった試練 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

私は下山することにしました。改めて登山路を見下すと長い道のりだと実感できました。
立山はガレ場といって登山路に大小さまざまな岩が転がっています。そこで登山や下山の際には落石に気を付けなくてはなりません。
ガレ場を下るには両手だけでなく両足をフルに使う必要があります。私は、両手と右膝関節が内出血の為にみるみるうちに腫れてくるのを感じました。
ロキソニンは2錠飲んでも全く効き目がありませんでした。私は下山の途中で何度も諦めて救助隊の援助をお願いしようかと思いました。
しかし、前日のトレッキングで救助隊の方のご苦労を見てしまった私にはそれはできませんでした。急に増え始めた登山者に道を譲りながらゆっくりゆっくりと下山した私はいろいろなことを考えました。
 まず、あのまま前に進んでいたならば滑落死していただろう。患部は骨折がなさそうなこと、重いカメラを持ってこなかったこと、例年行く手を阻む雪渓が今年はなかったことなど、自分はついている人間だと考えることにしました。
 本来ならば往復4時間のコースを倍の時間をかけて出発点の登山口に帰って来た私を待っていたのは、(私ではない)事故された方を待つ山岳警備隊の車と救急車でした。私はこんな苦痛を味わうのであれば二度と山には登りたくないと生まれて初めて思いました。

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。