震災の年の2月6日、神戸では義援金の配分申請が始まり、各区役所には朝早くから被災者の長い列ができた。
この日までに全国から寄せられた義援金は約450億円。
兵庫県や神戸市、日本赤十字社、マスコミなどで構成する「兵庫県南部地震義援金募集委員会」のすべて集められ、いかに公平に分配するかが検討された。(林英夫著『安心報道』p.113~116)
「阪神淡路」の際は、実に1800億円ちかい義援金が集まりましたが、1次配分は2月に入ってから。
それも死者・行方不明者見舞金に一律10万円、全半壊世帯に一律10万円、ほんとうに困っているひとに手厚く分配されませんでした。
「公平」が、不公平になる典型です。
一家4人の全壊家庭で避難所で厳しい生活をしていても「10万円」、住んでいるアパートが全壊して実家に帰った大学生にも「10万円」でした。
「義援金で酒飲むの、悪いなぁ」と、ある酒場で大学生同士が話をしているのを耳にしてムッとしたことがあります。
それから2次配分は、ようやく5月。
「今ごろもらっても有り難味がない」とう声もありました。
しかも「住宅修繕」「賃貸住宅入居」に一律30万円、900億円が配分されましたが、これが大きな見込み違いで、震災から「一年半」も経って、400億円も余っていました。
そこで林は「まだ残っている義援金」という特集を組み、義援金の配分に問題提起を行いました。
こういうひどい事情を知ったうえで「募金」してください!
赤い羽根募金でも、どれくらいのカネが何に使われているかほとんどチェックされていませんよね。
税金の使い道と同じです。
赤十字に持っていくと、一部が「人件費」になることも知っておいてください。
「募金」を集める人はカネの行方をしっかりチェックして、情報公開する責任があります!
いま必要なのは、被災者に一定額のキャッシュを渡すこと、救援ボランティアの後方支援に資金提供することです。
仮設住宅建設・解体は一戸あたり約500万円かかります。
仮設に入らない人に、住宅確保を条件にキャッシュで500万円渡す制度も必要。