【微酔なる君との戯れを】~番外編~(後編)


沖田さん目線で描いた番外編(^ω^)相変わらずの拙い文ですが涙


※この番外編は、一幕と二幕、番外編(前編)をお読みになってからご覧ください涙


【~番外編~前編】

【一幕、二幕はこちらから♪】

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【微酔なる君との戯れを】~番外編~(後編)




「やっと見つかりましたね」

「…ああ」


監察方の山崎さんより勤王志士らの潜伏先が判明したとの報告を受け、捕り物の準備に取り掛かっていた。


脚絆を巻き付け、最後に籠手(こて)を括り付けながら土方さんを見上げる。


「……行くぞ」


土方さんは、厳かな口調で言い放つと速足で歩き出し、私達は颯爽と歩くその背中を無言で追いかけた。



それぞれが同じ志の下。


己を信じて邁進し、与えられた仕事を全うするのみ。



そして、誠の旗に込められた想いはたった一つ。


“真実の武士”であり続けること。


ただ、それだけだった。


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やがて、潜伏地である古寺に辿り着いた私達は息を殺しながら辺りを窺い、土方さんの指示を待つ。


「新選組、御用改めである。手向い致すと容赦なく斬り捨てる!」


その一声で、それぞれが刀を抜き払って敵地へと乗り込んでゆき、向かって来る浪士らと斬り結んだ。


「新選組だ!大人しく縛(ばく)につけ!」


原田さんが大声で叫びながら槍を振り回し、次々と浪士達を斬り払っていく。


(私も負けませんよ…)



時には刀で、槍で――


劣性状態の隊士に応戦する。


毎日の修業が剣の腕を上げ、揺るぎ無い信条が大きな自信となり己の精神を鍛え上げる。


我ら剣客集団でさえも、常に死と隣り合わせではあるが……いずれ訪れるかもしれない死でさえ恐れることは無い。


皆と共に戦えるのであれば――。



――そんな戦いの最中(さなか)。


私と原田さんは、外へと逃げ出す浪士らを追いかけながら一振り、二振りして追い詰め、瞬時に斬り捨てる。


「さすが総司だな。僅か二刀で斬り捨てるとは…」

「原田さんの槍捌きもお見事でしたよ」


言いながら、数人の浪士が縛についたことを確認しつつ、息絶えて倒れ込んでいる浪士らを見下ろした。


(一寸先は闇、だな……)



「どうやら、潜伏していたのは土佐っぽのようです」

「……そうか」



少し離れた場所で見守っていた土方さんと、斉藤くんの姿を見やり、今回の任務が終わったことを知る。


今回も、死者が出なかったことに感謝しながら土方さんの元へと笑顔で歩み寄ると、厳かな表情を浮かべたままの土方さんと目が合った。


「俺はこのまま御所へ向かう」

「御所へ…」


土方さんは、一足先に御所へと向かった近藤先生と共に、今後の戦況を話し合うことになっているらしい。


(きっと、あの方の一件も関わっているのだろうな…)


私は一つ頷き土方さんに背を向けると、原田さんと共に数名の隊士らを引き攣れその場を後にしたのだった。


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「さすがに腹減ったな」

「確かに。朝餉抜きでしたからね」


屯所の門を目前に、原田さんと私はお互いを見やりながら苦笑し合い速足で玄関へと急いだ。


次いで、部屋で着替えを済ませ、漂ってくる良い匂いに誘われるようにいつもの部屋へと向かう。


「ただ今戻りました」

「お帰りなさい!」


(この声は……)


その優しい声に迎えられながら、彼女の元へと駆け寄った。


「今日はどうなさったのですか?!」

「お休みを頂くことが出来たので、この間のお礼に何か手伝えないかと思って…」


恥ずかしそうに俯く彼女に一言挨拶をして、あの夜の出来事を思い返すように話すと、彼女の瞳が潤み始める。


「私……何か変なこと言ったりしていませんでしたか?」

「……言っていたような」

「えっ!本当ですか?!」


口元で両手を合わせるようにして眉を顰める彼女を見つめながら、「嘘です」と、呟くと、今度はきょとんとしながら私を見上げた。


「すみません、貴女のくるくる変わる顔が面白くて。つい…」

「お、沖田さぁぁん…」


(……本当に可愛い人だなぁ…)


その泣き笑いのような顔も、愛しく見えて…。


「そのどの表情も可愛かった…」


そんな私の囁きに、彼女は頬を押さえ込みながら俯く。その仕草に見惚れていると、視界の隅にあの茶碗が映りこみ、私達の前に置かれて行くのを見届けた。


「あのお茶碗は……」

「……見つかってしまいましたね」


(もう、誤魔化せないな…)


「じつは、陶芸家の先生が、どうせなら夫婦茶碗を作ったらどうだと仰られて…」

「夫婦茶碗を…」


私は意を決して店主とのやり取りを簡潔に話すと、更に顔を真っ赤にする彼女を横目に自分の御膳の前に腰掛けた。


(…いつか、告げることが出来るだろうか。私の支えになって欲しいと…)


耳をつんざく様に鳴り響く心臓の音がうるさくて、全身の力が抜けていくのが分かる。


彼女の事を気にしつつも一斉に挨拶を終えると、それぞれが飯に手を付け始め。同じく一口含んだ瞬間、空腹だったことに気づいて急いで飯をかき込んでいった。


「すまないな、嬢ちゃん!」

「いえ、どんどんおかわりしてくださいね!」


他の隊士らに忙しなく応対する彼女と目が合い、


「沖田さんも…おかわりしますか?」

「では、お願いします」

「……はい」


照れながらも空になった茶碗を手渡すと、彼女は微笑みながら御飯をよそってくれる。


ずっと、一緒に居られたら……。


そう思わずにはいられなかった。


「お待たせしました…」

「ありがとうございます…」



――とても幸せです。


受け取った茶碗と、彼女の笑顔を交互に見やりながら心の中で呟いた。



やはり敵わない……。


全ての禍根(かこん)を癒してくれるこの笑顔には…。



そして、いつの日か…。


彼女だけを守っていけたら。


すぐ傍にある可憐な笑顔に癒されながら、いつまでも思い描いていた。



――彼女との幸せすぎる日々を。




【終わり】




~あとがき~


お粗末様でした汗


沖田さん目線だと、特に切なくなってしまいがちなのは何故だろう??ガクリ(黒背景用)番外編だから、少し黒めの沖田さんも描いてしまいましたが汗


あと、「十六夜の月」なんぞは、超切なくなってしまっていますし。沖田さんって悲恋ってイメージが強くて涙


今回、この物語を書くにあたって、主人公目線か旦那様目線か…何気に最初、迷っていたので、こうして沖田さん目線でもちびっとですが描けて良かったです(-∀-)イヒッ


捕り物のシーンは、「新選組血風録」のあの曲が脳内に流れていたことは言うまでもありまへん(笑)あと、ちなみに、文中の「あの方」とは、徳川慶喜様のことでした汗


本家イベは、二幕ガチャで慶喜さんが来てくれはりましたハート良かったよぉぉ。これで三幕読める!!でも、高杉さんだけ来てくれないのよぉぉ涙


・°・(ノД`)・°・


今回は、全員読みたいのにぃ涙被りもすごくてサーーッッ・・・


龍馬さん4、翔太くん4、土方さん2……。私、龍馬さんと翔太きゅん大好きだけど…ちくと呆れたぜよ・・・。


高杉さぁぁぁぁん泣来てくれぇぇ。久々に課金してしもた私ですガクリ