先週の週末に名古屋から来たお友だちをおもてなしするにあたって、締めくくりに選んだのが東京・新宿の河田町にある小笠原伯爵邸です。夕食前に到着し、お庭を拝見し、邸内をご案内いただくことも出来ました。

都営地下鉄大江戸線の若松河田駅を出るとすぐ、映画のロケ地のような建物が佇んでいます。これまたテンションが上がります。

小笠原伯爵邸は昭和2年(1927年)、小笠原家30代当主・小笠原長幹(ながよし)伯爵の本邸として完成しました。代々小倉藩を治める大名の家柄だった小笠原家が所有した敷地は、現在ある約1,000坪の20倍もあったそうです。

それでは玄関へ。重厚で趣があります。ここは伯爵と伯爵夫人を迎えるためのもの、お付きは別の入り口から入るのです。まるでダウントン・アビーのよう。

エントランスの上にある鉄製の明かり取りはカナリヤのような小鳥のモチーフです。

玄関の天井にある天空に舞う鳩を遠近法で描いたステンドグラスは、当時の写真をもとにして復元したものです。

玄関正面に飾られたお花にもおもてなしの心が籠もっています。クロークへ荷物をお預けしてお庭を見せていただきましょう。

真っ先に目に入るシガールームの外壁には、落ち着いた色調の色タイルでできた可愛らしいモチーフが、スペイン・アンダルシアを彷彿とする雰囲気に仕上げられています。

もっと入るとガーデンにもイベント用のお席が。

ガーデン内には日本とスペインの国交200周年の記念として3年前の2013年に贈られたというオリーブの木がありました。樹齢500年だそうで、こんなに幹の太いのにはビックリしました。

それでは中へ。この瀟洒な建物は地下1階と1階・2階があります。順を追ってご丁寧にご説明いただきながらまずは1階、先ほどのシガールーム。ここだけはイスラム風のデザインです。

シガールームの天井です。シャンデリアも1つを除いて邸内のものは全て記録に忠実に復元されたもの。

ほかの部屋のシャンデリアはガラスの切れ込みから漏れる光が幻想的です。順番にお見せいただいた応接間や正餐室などどれも重みのあるインテリアで素晴らしいものばかりでしした。

ステンドグラスもステキ。

2階からさらに屋上へ。


屋上から見たガーデン。ディナーの良い香りがしてきました。さあ、そろそろ降りましょう。
1階のレストランへご案内いただきました。テーブルはとなりとの距離が十分あるのでプライバシーが保たれます。また給仕くださる方の多さにも目を見張るものがありました。手の込んだスペイン料理の数々から少しご供覧いたします。どれもワインによく合います。

アオリイカのタリアタッレは上品なスペインの味。

美しい金目鯛のアサード。

イベリコ・プレサの備長炭焼き。

2皿出されたデザートのうちの一つです。小さい焼き菓子もいただきました。
こうして夜も更け、友人ご夫婦にもご満足いただくことができました。小笠原伯爵邸、また特別のおもてなしにぜひ利用したいと思います。