先週、出張で梅雨入り直前の京都を訪れました。前もって予約していた2店、日曜日のディナーで伺ったフレンチの『ランベリー京都(L'EMBELLIR 京都)』さんと、翌日のランチをいただいた京懐石の『しゅん逢 紗々木』さんのご報告です。東京・表参道にあるランベリーの本店は2006年開業で2008年からずっとミシュラン1つ星の実力派で、その京都店が今年4月末にオープンしました。しゅん逢 紗々木さんの方は昨年8月にオープンしたばかりですが今年のミシュランで既に1つ星を獲得していています。どちらも期待通りのステキなお店でした。
【その1】ランベリー京都(L'EMBELLIR 京都)
・所在地:京都市東山区祇園八坂神社鳥居内
・アクセス:京阪電鉄「祇園四条駅」徒歩約10分
・TEL:075-551-7386
・営業時間:11:30~14:00(LO)、17:30~20:00(LO)

今年のゴールデンウィーク前に開店したばかりのこのお店は、ちょっぴりわかりづらいところにあります。場所は「八坂神社の鳥居内」、広い境内を一回りしましたがフレンチらしい入り口が見つかりません。それもそのはず、歴史ある昔ながらの格調高い料理茶屋『中村楼』の入り口は写真を撮る観光客で賑わっており、お店はその門をくぐった奥にあるからでした。

そんな門の入り口でお待ちくださったスタッフに従い中村楼の中の細い廊下を抜けて、明るいアイボリーのソファを施された正方形の明るい空間に通されました。大阪のフレンチから来られたという背の高いソムリエさんは終始礼儀正しく、そして楽しいお喋りを交わして下さいました。
エグゼクティブ・シェフの岸本直人さんは、私たちが伺う少し前に東京に戻られたそうで、お目にかかれず残念でした。

ディナーのコースは13,000円、アミューズはお庭みたいな京都らしいスタイルです。土にみえるのはパン粉をイカスミでローストしたものですので食べられるそうです、もちろん食べませんでしたが(笑)。

そして天竜川産の鮎のフリットはきれいなお花とハーブに載って登場です。添えられたソースもさわやかでした。

農園野菜のテリーヌ。

テリーヌにはいばりこぶたが苦手なパプリカが入っていましたので、代わりにスイートコーンのジェラート風、黒トリュフ添えが出されました。甘くて美味しい!

シズレしたホワイトアスパラ、イサキのポワレのあと、メインのお肉料理は北海道、茶路めん羊牧場の武藤さんが育てたという仔羊炭火焼きでした。釧路の白糠(しらぬか)町、茶路(ちゃろ)という地名にある牧場ですって。興味津々です。

ドイツの「黒い森」を模したアメリカンチェリーのデザートでサッパリと。ほかにクグロフやチーズも楽しませていただきました。
こうしたカラフルでリズミカルなお料理にシャンパン、ワイン、それからスタッフとの楽しい会話を合わせてとても濃厚で充実したディナータイムを堪能させていただき、ゴキゲンさんで蹴上のウェスティン都ホテル京都まで歩いて帰りました。
【その2】しゅん逢 紗々木
・所在地:京都市下京区寺町通仏光寺上ル中之町582
・アクセス:京阪電鉄「祇園四条駅」徒歩約7分
・TEL:075-354-7177
・営業時間:12:00~14:30、18:00~21:30

この日も梅雨入り前で正午の気温は30℃を超えていました。汗をかきかき辿り着いた河原町の電気街に小さいお店がありました。30歳代の若い大将と可愛い奥様が切り盛りするお店でカウンターは8席、靴を脱いで上がります。ランチの予約客は私たちを含めて3組6名でした。

大将は『桜田』で修行し、肉割烹の『いっしん』で1年学ばれたそうでお肉料理がお上手、最初の器はみすじ肉と穴子、水なすにジュレをかけた爽やかな一品です。

鯛としんじょうのお汁はさっぱりと。

ゴージャスな八寸!思わず感嘆の声を発してしまいました。アオリイカのお刺身にローストビーフ、焼き魚とお野菜でオーケストラのようです。

お魚料理のあとにもう一度お肉料理、これは柔らかい牛の頬肉に白味噌仕立てのソース、まるでフランス料理です。

きれいな白魚のご飯は針生姜でさっぱりと。最後は抹茶のムースに珈琲がつきました。これで5,000円はお値打ちではないでしょうか。
月曜日、休みをとって一日長く京都に滞在した甲斐がありました。両店ともこれからますます楽しみなのですが、今度訪れるときはどちらも予約が取れないのでは、と本気で心配になってしまいます。
しゅん逢 紗々木 (懐石・会席料理 / 河原町駅、祇園四条駅、清水五条駅)
昼総合点★★★★☆ 4.0