お待たせしてすみません、やっと本のご紹介下書きができたので、記事をUPしておきます。
この記事の最後に、認知行動療法的な家庭での取り組み、自分一人での取り組みをするときに役立つだろう本のリストをしています。参考にしてみてください。

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私たちの親族が、発達障害のどんな特性のある子であっても「何とかなる、きっと良い方向に成長していける」と思えるようになっているのは、主治医の影響もあるかと思います。その主治医がいつも診察の時に手元に置いていた本を、親族達が取り寄せて読み進めたのが、私たちの先代の人間があれこれと試行錯誤しながら模索していた道を形として定義できるようになってきたきっかけかもしれません。

子供には、発達に応じて教えられることがある。

発育の遅い子には、遅いなりに「その時にできそうなこと」を見つけて関わってあげる。

何にも教えられそうにないときには、興味を引きそうな「仕組み」をプランして、それをトライしてみる。

無理強いをせず、発育ステージにあわせて、一つ一つ、発達の多面的な部分、部分を、本当に一つ一つ、取り組んでみれば・・・子供は成長を見せていく。


そんな実感を得られるようになったのですよね。

しゃべらないとか、興味を示さないとか、そんな当たり前の発達障害の特性を「何でもないこと」として受け入れることができるのは、その先に「ステージがまだ、来ていないからね」と具体的に今を、その先を、考えていける手立てがあったからです。


その本が、最近また新しく出版されたようです。ボロボロになるほど使われている本は、今までは

『認知発達治療の実践マニュアル―自閉症のStage別発達課題―自閉症治療の到達点2』

(認知発達学習の課題(135課題)と、その指導の進め方、指導に使う教材を、図と写真をふんだんに使い、わかりやすく紹介 引用:サクセス・ベルHP)

『StageIVの心の世界を追って―認知発達治療とその実践マニュアル―自閉症治療の到達点3』

(高機能ASDを視野に入れ「StageIVの発達課題」(42課題)を紹介 引用:サクセス・ベルHP)

の2冊でした。マニュアルとあるように、「どんな遊び(工夫)をしたら、この子の~な部分は伸びるかな」とか、今できることを、さらに次のステージにステップアップするには、どんな関わりがあるかな、と知恵をもらいたい時に使う本です。

今では本を読まなくても、似たような発想で親族の子たちに合うようなオリジナルの療育的な関わりをしていますが、何も手立てがないときにはとても知恵の泉となった本たちでした。

ある意味辞書のような存在なので、読書して読むという感じの本ではありません。困ったときに、「どうしても~が足かせとなっている」と考えたら、その原因をさぐるため、どの体の機能の、どの部分が劣っているからなのか、どういう関わりがいいのか、というようなアイデアや答えを見つけることのできる知恵袋的な存在です。本当に、「特性と療育、子どもの発達」についての辞書のような使い方をします。

その本の、さらに臨床、研究を積まれて出版された新版の本がこちらで、親族で今回し読みしている最中です。

『自閉症治療の到達点』

以下、サクセス・ベルの紹介文を引用します。

「太田ステージ」に基づく「認知発達治療」、そして、その理論による実践を集大成した第1版。それから23年が経ち、太田ステージを基盤にした考え方は教育や福祉などの分野に広がり、重症心身障害児(者)施設でも活用されるなど、様々な実践が行われている。第2版は、この進展を踏まえ、ASD研究と臨床の蓄積の現状をまとめ、さらに薬物療法、分子遺伝学研究、脳画像研究の最新の知見も紹介し、治療と研究の方向性を示すなど、大きな改訂を行った。

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次に、子供のために使えるのですが、実は親である自分自身にも大いに役立つという認知行動療法的な本をご紹介します。

先の記事でも書いたように、親は子供に何かを教える前に、子供に何かを期待する前に、まず自分のことを安定させていないと親も子も混乱に陥ってしまいます。自分が右往左往し、感情的になれば、何十歳も年下で生まれて数年しか経たない幼子には、その波に翻弄されるしかありません。そこから何かを学ぶのは、技能がなく、未熟な子にはまず無理です。

親も心の安定を心底欲していて、子育てによる自分の混乱、それによる子の錯乱は誰しも本意ではありません。

カウンセリングが役に立ちそうになく、精神科や心療内科では投薬だけが繰り返されていく、でも自分に安心できるような変化は感じられない・・・

発達障害の特性を親が持っている場合、それは特性に対応できる方法でなければ、良い変化も自分の把握もできないと私たちは考えています。そして、自分一人で自分を知るということが特性上かなり難しい、そしてカウンセリングという第三者を頼っても肝心な核心には届かない・・・

そんな中で、多くの特性持ちの親族が自分をコントロールできるようになった、自分の不安定を安定に変えていく方法が見つかった、等々と経験しているのが、認知行動療法的な取り組みです。

認知行動療法を取り入れている病院は少なく、ですので自分たちでやるしかないことも多いです。その際に使うのが、ワークブックや専門家の、具体的な臨床実例をもとにした考査がされている本です。

先にご紹介した太田ステージは、私たち(親)自身の発育がどんなものであったのかを振り返る本にもなりました。

定型との違いを、はっきりと「身体的な発育の違い」として把握することもできました。

そして「子ができないこと」には、かならず原因があるのだということを知りました。

その次に、認知行動療法的なワークブックや本を利用して、自分の行動の一つ一つを「感情でとらえる」のではなく「行動という現実の中の実際にやったこと」で見ていくことで、自分を知り、自分がこの先、期待するような結果がほしければどういう行動がその結果につながりやすいか、など、成功の法則を見つける手立てとなりました。

発達障害の人間は「思考に溺れやすい」
と思います。

そして、思考に溺れている間は、現実世界、社会からはズレ続けることが多いです自分という現実を知ることで、やっと定型の現実ともつながることができます。


発達障害の人間も、自分がした行動が良い結果となれば、嬉しくなり、ちょっと自分に期待することもでき、ちょっと自分に「少し変わったかな」というフレッシュさを感じることができます。

その嬉しい、少しの変化を感じさせていく実感の中で、行動を変えていく自分が育つのが認知行動療法の仕組みなのかな、と思います。

身近に認知行動療法に特化した発達障害の専門のクリニックや病院があれば、一度扉をたたいてトライされてもいいかなと思いますし、そのような機関が見つからなければ、まずはワークブックなどを試すのがいいかなと思います。

思考に溺れそうな時のストッパーとでも思って、自分に合いそうな本を一つ、身近に置いておくだけで心のあり方が違います。子育てをするときの「自分の視界の開け方」が違います。そうした刺激が欲しい方にもおすすめできるかな、と思います。

以下は今までご紹介してきた本と、新しく発売されて今親族が読みふけっている本などのご紹介リストです。参考にしてみてください。(注:親族のお薦めだからといって各読者個人に合うとは限らないので、いつものように、参考になるかもしれない一例と考えてみてください)

記事:
新学期を迎えるにあたり、子どもたちが心の準備にワークブックを読みふけっています。


・「だいじょうぶ自分でできる心配の追いはらい方ワークブック」

・「だいじょうぶ自分でできる後ろ向きな考えの飛びこえ方ワークブック」

・「だいじょうぶ自分でできる怒りの消火法ワークブック」



記事:迷う、決められない、不安や怒りを調整できない発達障害の子におすすめのツール(本)。大人にも。

・「子どもと若者のための認知行動療法ワークブック 」

・「不安もパニックも,さようなら デーヴィッド D バーンズ」


<こちらから本のリストになります>

太田ステージによる自閉症療育の宝石箱...

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価格:3,024円(税込、送料込)






StageIVの心の世界を追って‐認知発達治...

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発達障害の子供を抱えて一人で悩む暗闇の中でも、希望の光となることを祈っています。





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