大学生の就職のお手伝いをしている中で「ことばの教育の重要性をひしひしと感じるこのごろ。

エントリーシートや面接において、「起承転結」で簡潔に説明する、ということがとても難しい。

学生さんの指導の中でも、そこに多くの時間を費やすことが多い。


起承転結を使って自己PR文を考えるということは、

「自分の考えを順序だてて表現する」

ことができるようになることで、まずは自分についてであったり、志望動機であったりといったことをきちんと順序だてて表現するということからできないと先には進めない。


また同時に求められる力が

「物事を筋道立てて考えたり表現したりする」力なのだが

よく「エピソードを教えて」というと一生懸命自分に起きたことを説明するのだが、枝道にそれまくって結局なんの話だっけ?となる人がいる。

まあ、そういう場合は根気よく、全部の話を聞いてあげて、

「今の話で一番大事だったところはどこだったと思う?」と交通整理をしてあげる。

たとえば何かの映画やきのう見たドラマ、どんな本だった?などという説明をさせるのも、一つこうした力を養うことができる。これは訓練が必要だ。


次にたとえば、○○についてどう思いますか、とか、最近興味があった世の中の出来事はなんですか、という問がよく見られるが

「根拠に基づいて自分の考えを話す」

ことが必要となる。

まずは事実があって、それを自分なりに解釈して、根拠に基づいて(それは事実の詳細であったりデータであったり)自分の考え=結論を言う。

ある中高一貫校のカリキュラムの中に、「天下統一MVPを決めるとしたら織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の誰を選ぶか、について立場を決め、資料から情報収集し議論する」という授業があるようだが(広島中学校・高等学校 、)こうした授業がもっともっと中学や高校で増えてほしいものだ。

私は、心理学科だったので、大学時代にこの力を鍛えてもらったな、と思う。ただ、ミステリー小説も好きなので、わりと「事実から推論して犯人はおまえだ!」みたいなのが好きな人は、こうした力を持っているように思うのだが。


そしてさらには、グループディスカッションなどだが、

「反対意見を主張する力」

これは本当に難しいと思う。さっきの、天下統一MVPについて発表した後には、チーム対抗で議論をするんだろうな。中学生や高校生あたりだと、楽しいことが必要だ。

社会人になっても、こうしたことは難しいし、さらに日本の文化として、「人の意見に反対すること」=「けんか」であったり、相手に失礼みたいな文化があるからややこしい。「議論」は本来は建設的なもののはずなのにね。


今後、キャリアの授業のお手伝いをする上では、こうした力を養う内容を加えていきたいなあ、と思う。


先日も、ある大学で模擬面接と面接についての講演を行ったが、もちろんマナー的なところも大事だが、この「起承転結で自分を表現する」ということを隠れテーマにして話をした。

模擬面接を200人近い学生さんの前でやってくれた学生さん4人は、緊張も高いようだったが、事前の打ち合わせでこのあたりを重点的に強化した結果、ものすごい良い模擬面接になり、少し、レベルが高かったので、打ち合わせにはなかったが本番で「今の方の意見についてどう思いますか」と話をふってみたが、そつなく答えてくれていた。

この4人は、これ以上の緊張感の高い面接はないだろうから、きっと大丈夫!と太鼓判だ。


さて、そんなこともあって、子どもにはあえていろいろと話をさせる。

「きのうの有閑倶楽部はどんなだったの?」

と1年生の娘に聞くと、一生懸命自分が見たドラマがどんな内容だったか話してくれるのだが、まあ、とにかく長い。それでも根気よく聞いてあげる。これって、やはり訓練だと思うから。

この間も、スペシャルドラマを見終わったあとに

「小栗旬は、コナン君なの?」と聞くと、

「だから、コナン君がね、実は薬で小さくされていたんだけど、本当は高校生で、ケーキ食べたらなんだか元の高校生に戻って、それが小栗旬だったんだけど、それが、悪い奴に追われているから姿を見られたら困るんだよー」

まあまあ、一年生にしたらオッケーじゃないのかな。

前にも書いたがパイオレーツオブカリビアンの映画を見たときに

「どんな映画だったかわかった?」と聞いたときに

「タコとジャックが闘って、ジャックが勝った」

と答えた娘は、なかなか才能があると思う。


読書が苦手な長男は、この冬休みは読書が課題。今ドリトル先生航海記を読んでいるので、

「ドリトル先生って、なんの先生?」

とか

「航海ってあるけど、誰とどこに行くの?」

などと聞いてみる。

「なんか、ガリレオみたいに科学の先生らしいよ」

なんて言って福山の真似して顔に手をあてて

「実に興味深い」なんてやってたけど・・・。

大丈夫か、長男・・・。


そして何よりも、こうしたことに大事なのは日記を書く習慣ではないかと思います。

この年末年始に何人かの学生さんに宿題だしました。

起承転結!がんばれ!