イベントレポート内外情勢調査会 JA全中の目指すもの - 全国農業協同組合中央会会長 奥野長衛氏 | ES地域プロデューサー奮闘記 ホーピー君の「よそ者、ばか者、若者」まちづくりブログ

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内外情勢調査会の講演に行く。
奥野会長から、協同組合とは何かを伺う。
協同組合のことを今の学校教育では教えなくなったという。
しかし、日本の協同組合は、日本の和食と同じく、ユネスコ無形文化遺産に登録されるほどの素晴らしい資産であるという。

そして、協同組合の思想は、ロッジテール(イギリス)、ライファイゼン(ドイツ)、そして日本の二宮尊徳とその思想は広まったが、3人は、時を同じくして出てきたという。
二宮尊徳の頃といえば、安政の時期というわけである。

私は、ロッジテールもライファイゼンもどちらも名前だけは聴いたことがあったが、ロッジテールは生協の創始者でもある。
ライファイゼンは、ONE FOR ALL ALL FOR ONE.
の思想を唱えた人である。

そして、奥野会長は、農協改革について根本的な認識不足があるという。
株式会社と組合の違いである。

組合=共産主義というわけではない。

資本主義の発展とともに弱者救済の為に自分たちの生活防衛のためにできたわけである。
歴史的にも、資本主義の弱点を補ってきたのだと。

資本主義があるから協働組合があるのだと。

逆に、全農は大きいから改革してください。しなければ、第2全農をつくるぞ!
というのは、それこそ共産体制か、統制経済ではないかと。

協同組合は自主自律をモットーとしている。
自分たちで社会に役立つ組織へと変わっていくという。自己改革をしていくという。

農協は、村落共同体として生まれてきた。
しかし、いまは、農業人口は200万人を割り込んでいる。
新規就農が2万人を超えたというが、根本的な解決には至っていない。

奥野会長は、農業の構造そのものを根本的に変えいこうと考えている。

農業構造改革だ。農協改革ではない。

しかし、農業の構造改革がなかなか進まない問題は、日本の歴史的背景にあるという。
日本は、大和朝廷時代から土地は国家のものそのあとは、地主のものというように、耕している農民たちが、自分の名前で自分の土地をGHQによる農地解放という歴史的転換まで、自分の土地を持ったことがないという背景がある。

農家の方々は、自分が土地を耕すことが出来なくなっても、農家の方にとっては、土地というのは、何物にも代えることが出来ない、歴史的な所有物である。

土地の集積が進まないのはそこにあるという。

そのあと、JAの子会社で若い農家さんを育てているという話が出たが、奥野会長の協同組合の思想には共感する。

いま、学校は、人権の権利のことばかりを教えている。
しかし、権利の前に義務があるのではないか?
学校はそのことをおろそかにしているのではないかと。

人という文字は支えあってできている。
人と人が助け合って生きている。

二宮尊徳の像は、今、学校の校庭から消えてしまったという、奥野会長の話は印象深いいまの日本の現状を表している。