休日 | すぱイしー ているず

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支倉凍砂の日常と、とりとめもない思考を書き記すブログ。

本当は休日というほど休日じゃないんですけど、とりあえず原稿の谷間だったので昨日辺りから明日くらいまで休日。


で、あー温泉いきたいなあとか相変わらず思ってて色々ネットめぐってたら、昨晩の午後九時半に突然携帯電話が鳴り響き、見てみると先輩の作家さんから。

先輩作家さんといえば大豪院邪鬼に匹敵するような存在です。

脱げといわれれば脱がなければならず、踊れと言われれば踊らなければなりません。

こんな時間になんだろう……原稿のアイデアが出ないからお前ちょっとラキスタのOP歌ってみろ、とか言われるのかな……とがくがくぶるぶるしながら電話を取ったら、


「明日十一時半に上野に」


と言われる。



逆らうことは許されません。

私は一も二もなくうなずいて、本日上野に行ってまいりました。


平日の昼間から。


二十過ぎの野郎三人が。


上野駅の。


公園口に。


集まった。


天気は快晴。


季節は初夏。


溢れる修学旅行生。


そんな中。


我々が向かったのは。


上野動物園。


数々の動物が都内で見られる数少ない場所。


明らかにサラリーマンでもない学生でもない不審な男たちの挑戦が今。


始まった――。






















ちょっと!!!

中島みゆきの『希望の星』まだです??????????????


まわり幼稚園児とか修学旅行生とかばっかだったよ!!!

同年代の20代中盤とか、サル山の年配のサルしかいなかったよ!!!


最初は象とかでっけーとかバクとかはじめてみましたわあーとかカピバラとか達観した目で飯食ってんなーとか、ふれあい広場とかいうところで鶏追い掛け回したり山羊触ったりしてましたけど、そこは引きこもり三人組。

すぐに疲れて休憩しようということになったんですけど、池に面した休憩所が遠足の幼稚園児ばっかりだよ!

ちょっと! アニマル共が柵の外に溢れてるよ! 飼育係! 飼育係ー!!

と、叫ぶ声もむなしく、どちらかというと我々のほうが明らかに場違い。

下手に近づくと、引率の先生方からすごい不審な目を向けられそうな気がしたので、なるべく彼らから離れたところに腰を下ろして休憩しました。


で、動物園に来てたのに気がつけばぐだぐだ喋っていて結局二時間くらいそこにいたかもしれません。

幼女に足蹴にされる作品を書いていますが実はドSです、とかそんな告白とか聞かされました。

早く飼育係の人が檻の中に入れちゃえばいいと思います。


それからようやく見物を再開して、キリンとか見てちょっと感動する。実はキリンの耳は頭についてる二本の角だと思ってました。普通に耳が存在するんですね。キリンのいる場所のすぐ後ろに高層マンションがあって、すごい違和感。


「ごらん。コンクリートジャングルにいるサバンナの動物だぜ」


と言いかけましたがさすがに言ったら切腹ものだと思ったので黙っていましたが、我ながらうまいこと思いついたと思っていたのでここに書いてしまいます。(切腹


で、それから小型哺乳類がいるという屋内型飼育施設に入って、山猫かなんかがいる前を通った辺りから胸が急に痛くなる。

狼耳の少女が出てくるような小説を書いているから、まさか恋かしら、と思ったのもつかの間、洒落にならないくらい苦しくなってきて、喘息の発作だと気がつきました。

夜行性の動物のいる場所はすっ飛ばして外に。

屋内型なので空気の循環が悪く、こもったペットショップの匂いみたいなのがしていたあたりでやばいなあとは思っていたのですが。

鞄の中には幸いにも気管支拡張剤が入っていたのでいざとなればこれ使えばいいやと思っていたので、気は楽だったのもまた幸い。

それが良かったのか、少しして収まりました。


そんなトラブルを経て、今度は爬虫類とかいるところに。

ここも屋内型施設だったんですが、爬虫類ならアレルギーないから大丈夫だろうと思っていたのに、我々が入ろうとしたらちょうどアニマル共もぞろぞろと入るところでした!!!

しかも、


おい! こいつら男女で手を繋いでるぞジョニー! おいおいマジかよマイケル!


みたいな感じで、わたしなんか入り口のところで女の子をエスコートする男の子に手で押しのけられましたよ。(実話

若干いらいらしながらも、魚類とか爬虫類とか見てすごい癒されました。

カメレオンがとてもよかったです。オオサンショウウオも、不思議な生き物だよなーとか思いながら見て楽しんできました。

なお、同行していた作家さんの一人は、幼稚園児から間違えて手を握られたそうで、「突然柔らかい手が自分の手の中に滑り込んできてびっくりしました」とか、「驚いて振り向いたら目があいました」とか、文章で書くとまるでラブコメの冒頭部分みたいなことをおっしゃっていましたが、「こんなところで無駄にフラグ立てている場合じゃないよなあ」とかすごい重い言葉もおっしゃっていました。

恋に年齢は関係ないと思いますよ。

残された我々は夕日に向かって敬礼するほかなかったです。


そんなわけで動物園を一通り見終わって上野駅に戻り、それから焼肉屋に行って焼肉食べて(午後の四時から!)、秋葉原に行って漫画買ったりしました。

喫茶店で切ない話しとかして、三人で互いの著作にサインを書きあったりして慰めあい、某作家さんは大阪に帰るために早めに切り上げました。

家にいたらどうせぐだぐだして無駄に過ごしていただけですから、すごい充実した一日に。

欲をいえば上野の山にある美術館とかも見たかったなあとか。

これは今度行こうかな。


で、なんで一緒に行った作家さんの名前ださないのー、というのは、こんな日記に名前出したら私が消されてしまうからですよ!!

でもせっかくだから日記に書きたいしという折衷案です。


そんな初夏の一日でした。