私が、このブログも含め、さまざまなところで申し述べている公立保育所の民間委託につきまして、今回の決算特別委員会で出てきた数字などをお知らせしながら説明をさせていただきます。すべて、18年度の決算数字を基本に書かせていただきます。
まず、保育所の決算です。保育所とは児童福祉法に定められている施設で、入所に関しては市が一元的に取り扱っております。公立、私立の関係なく、市の保育課に入所の申し込みに行きます。そこで要保育児童と認定されれば入所ができるのです。
では、どれくらいの児童が入所しているのかを書いておきましょう。
平成18年4月1日現在の在園数です。
0歳児 公立 183人 私立 129人
1歳児 公立 515人 私立 336人
2歳児 公立 654人 私立 413人
3歳児 公立 770人 私立 632人
4歳児 公立 776人 私立 669人
5歳児 公立 804人 私立 694人、
全年齢 公立合計 3,702人 私立合計2,873人
総合計 6,575人
これが年度末になると増えているわけです。
では、この公私の両方合わせた公費の投入額を見てみましょう。
年間延べ入所児童数 8万4,167人
保育所管理運営費総額 88億2,231万8,513円
児童一人当たり月額 10万4,819円
児童一人当たり年額 125万7,828円
となります。これが児童福祉の費用の大きな部分を占める保育所費なのです。この児童一人当たり年額125万円の公費を使っているという事実をどうお考えになるかということがあります。
そして、公立と私立とでは皆様方からお預かりしている税金の使われる金額がまた違います。まったく同じ条件で入所するのに、公立と私立では公費の投入のされ方が違うのです。
公立 児童一人当たり月額 11万8,767円
児童一人当たり年額 142万5,204円
私立 児童一人当たり月額 8万6,858円
児童一人当たり年額 104万2,296円
賢明な方ならおわかりだと思いますが、年額で児童一人当たり40万円違うのです。この40万円かける公立の児童数で、本来委託をして公立としての公費投入を行わない状態を想定すると、節約できる金額が大雑把ですがでてきます。
今度は、年齢別の数字を書いてみましょう。
公立 0歳児児童一人当たり年額 303万5,820円
1、2歳児児童一人当たり年額 206万6,928円
3歳児児童一人当たり年額 97万6,908円
4歳以上児児童一人当たり年額 85万5,792円
私立 0歳児児童一人当たり年額 228万9,888円
1、2歳児児童一人当たり年額 146万3,340円
3歳児児童一人当たり年額 82万2,864円
4歳以上児児童一人当たり年額 73万6,908円
これが船橋市の保育の実態です。公立保育所は、その人件費に大きな負担があるようです。
ではその人件費を削減するにはどうしたらよいかというと、臨時職員の雇用や非常勤職員の雇用など、対症療法的なことはできますが、根本的な対策はできないのです。それでも、保護者を煽って、労働組合員のために頑張る政党があるのです。困ったものです。児童福祉の本来の姿を「公立でなければ」「船橋ならではの手厚い保育士配置」「船橋独自の栄養士配置」「船橋独自の看護師配置」とかいうのは目に見えています。ナンセンス。
保育士の配置は、法律に則っていればよいのです。栄養士、看護師は工夫をして、保育所近隣のお医者様の協力を仰ぐことと、栄誉管理は市での集中管理でもよいのです。労働組合員の確保イコール活動費の確保イコール組合のための政治活動をする政党の議員さんのための選挙の集票マシーンの構築なのです。本来はその一点だけ。もっと他に考えなければいけない児童福祉施策はたくさんあるのに、労働組合員の権益が先。児童の福祉はあと。困ったものです。
公立保育所が担うべき部分は少しだけあるのです。私立の幼稚園、保育所では受け入れが難しい児童がいますから、そういう児童は、公立で受け入れる必要があります。あとは、すべて私立で経営すべきです。
それも、施設をきちんと充実させて、運営しやすい環境を整えて、幼稚園を経営する学校法人や宗教法人などの経営者、保育所を経営する社会福祉法人や宗教法人などの経営者に任せればよいのです。
じゃあ、公立保育所の職員はどうするんだということになります。一つの方法は、退職不補充といって、定年退職を迎えた人の補充を行わない。これがソフトランディングケースです。長い年月のかかることです。小学校給食の民間委託はこういう形で導入しました。あとは、希望により配置換えでしょうかね。あるいは、他の児童福祉施策において活躍してもらうようにすべきでしょうね。この処遇の問題は明確に申し上げられないのですが、まあ、いろいろ方法はあるでしょう。
長くなりましたので、この辺にしますが、公立も私立も法に定められた保育をすればよいのですから。