蘇州軌道交通の旅(14) | 蘇州日記

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2015年4月から蘇州に単身赴任しています。蘇州での生活をブログに書いてる人が大勢いて、赴任前にとても参考になったので、真似することにしました。

今日は蘇州軌道交通1号線の東から13個目の駅「楽橋」(ルーチャオ)の紹介です。







この駅はこれまででもっとも賑わっている駅のひとつだと思います。

ですので、エスカレーターが上り下り共に完備されています(普通の駅は上りだけ)。





また、切符売り場には通常の販売機とは別に、臨時で人が売るブースも用意されています。混雑時には活躍するのでしょう。





ホームと改札口を結ぶスペースは、しばしば特定の企業が期間限定で全ての広告スペースを独占して大々的なキャンペーンを行う為に使われます。

先日はVIVOの新しい携帯電話の宣伝が独占していました。





現在使うことのできる出口は1番、5番、6番、7番の4つ。

黒いシールが貼っている箇所は8番出口で、最近まで使えていたのですが、現在は工事で使用停止中です。




この図だと、まだ出口のない南方と西方に駅の領域が伸びています。

これは地下商店街を作る予定を示しています。




この駅には今年中に地下鉄4号線が開通する予定です。

そうなったらますます賑わうんでしょうね。




上の「1号線はこっちですよ」という看板の、「1」と「号線」の間が妙に空いているのがわかりますか?

ここには後から「4」という文字が入るわけです。





じつは、既に地下鉄の車両の中には4号線が既に存在するかのような表示板が設置されているものもあります。

気が早いなぁ。





さて、これまで蘇州古城を東から西へと横切って来たのですが、この楽橋でその真ん中まで来ました。

ここまでは地下鉄は干将東路の下を走っていましたが、ここで道路の名前が干将西路に変わります。









東西に走る干将東路・干将西路とここで南北に交わっているのが人民路です。

人民路という名前の道は中国の至るところにあるようです。

多分、その町の中心的な通りに付けられる名前なのだと思います。




蘇州の人民路は今は地下鉄4号線の建設の為、至るところで工事をしています。

その為、『人民路』という定型の看板を発見することはできませんでした。





干将東路・干将西路と人民路とは、蘇州では珍しい立体交差で交わっています。

人民路がまっすぐ走っていて、干将東路・干将西路がその下を潜る形です。

干将東路・干将西路が下を通っている人民路の陸橋が「楽橋」です。

下の写真は楽橋から干将西路を見下ろしたところです。





楽橋は特に有名な橋ではないので、現時点ではこの駅には「人民路」という名前を付けた方がずっと素直だと思うのですが、人民路の下を地下鉄4号線が通る計画になっている関係上、「人民路」という駅名では4号線の駅が全て当てはまってしまい、わけがわからないくなるので楽橋と名付けたのだろうと思います。



さて、前回も少し触れましたが、楽橋のそばには観前街という蘇州で一番賑わっている商店街があります。





観前街の一番西が楽橋駅のそばで、一番東が前回の臨頓路のそばなので、観前街の中のどこに行くかによってどちらの駅を使うかが決まります。

とは言え、観前街は全長1kmもないので、楽橋駅で降りて観前街の一番東まで歩くというようなことをしても差し支えありません。



道教のお寺のことを道観と呼ぶそうです。

ここには玄妙観という道観があり、玄妙観の前だから観前街という名前になり、商店街として発展しました。





これは観前街の案内板です。





東西に走っている太い道(実際に太いわけではなく、あくまで地図上の話)が観前街ですが、周りにたくさんの路地があります。

商店は観前街という道路だけにあるわけではなく、周りの路地にも広がっており、この一帯を総称して「観前街」と呼ばれているようです。

尚、観前街という道路は歩行者専用道路ですが、周りの道路は全部が歩行者専用というわけではないので、自動車・電動自転車に気を付けましょう。



道教寺院を中心に発展した商店街というところから、僕は名古屋の大須観音周辺のような老舗を中心とした商店街を想像していたのですが、現代の観前街は古い中国と新しい中国がゴチャゴチャに入り混じった商店街で、商店街としてのコンセプトが全く感じられません(笑)。

渋谷のセンター街と原宿の竹下通りと巣鴨の地蔵通りと上野のアメ横が合体したようなところと称すればいいのかな?



このような中華風の建物があるかと思えば・・・・




その隣にはこのような近代的な建物があるという感じです。





ここは蘇州料理の老舗として有名な松鶴楼。

松鶴楼は蘇州のいろんなところに店舗がありますが、ここが本店です。





蘇州の代表的料理の松鼠桂魚は、この店が生み出したのだそうです。





あ、上の松鼠桂魚の写真は松鶴楼の他の店舗で撮影したもので、本店のじゃありません。

本店には入ったことないのです(笑)。



そんな老舗がある一方で、マクドナルドとKFCのツーショットなんかも見られます。





日系チェーン店もちゃんとありますよ。







デパートもいくつかあります。









飲食店・衣料品店・宝飾品店などが中心の観前街ですが、今もっともホットなのはやはりスマホ屋さんだと思います。

Appleストアの真ん前にHuaweiショップがあり、火花を散らしています。







観前街の話をしているとキリがないので、次に移ります。

楽橋駅を出てすぐのところに怡园(イーユアン)という園林があります。





ここは世界遺産ではないのでそんなに観光客がたくさん来る場所ではないのですが、地元の人は逆にそこがいいということで、この園林を勧める人もいます。




人民路を北に2kmくらい行ったところに見えるのが北寺塔です。





この塔は報恩寺という寺院の敷地内にあります。

報恩寺は元々は通玄寺という名前だったのですが、通玄寺は三国時代(紀元184年~280年)に孫権が建立したのだそうです。

で、この寺院は蘇州でもっとも古い寺とのことなのですが、ということは「蘇州は春秋時代の呉の都だ」とかいばってるけど、春秋時代(紀元前770年~紀元前403年)の寺院はひとつも残ってないのですね。

と思って調べてみたら、春秋時代にはまだ仏教は中国に伝わっていなかったのだそうです。

勉強になりました。



残念ながら地下鉄工事の影響で北寺塔には今は行けないのだそうです。

僕の任期中に行けたらいいな。


第13回・臨頓路へ

第15回・養育巷へ

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